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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
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第九十話 迅雷のニロス 〜新入りロメオ編〜


〜新入りロメオの視点〜


――――悪鬼旅団本拠地



 『位置検索装置』を操作中のロメオとワルヤーの二人は、何時まで経っても『ナルル』の生命反応が無くならない事に気が付くと、ワルヤーは頭を抱えながら歯軋りをした……。


 「ぐぬぬ……ッ。 ナルルの奴……。 どうやら、『果樹の迷宮』から『バルルーナ王国』にまで移動してやがるみたいっすね……? どうやら、俺の奇襲攻撃は失敗に終わったみたいでやんすね……」


 残念な事に、ナルルの殺害が失敗に終わった事を知ったロメオは、悲しそうに俯いた……。


 「そ、そんなぁ……。 ワルヤーさんのスキルをってしても駄目だなんて……。 それで、これから一体どうするんですかワルヤーさん……?」


 ロメオは涙目で問い掛けると、ワルヤーは静かに呟いた……。


 「そうでやんすねぇ……。 ナルルの奴は、自分の故郷のバルルーナ王国に戻ってるみたいっすからね……」


 「バルルーナ王国……ですか?」


 すると、ふとワルヤーが、とある事を思い付き始めた……!


 「ん、待てよ? そう言えば、数日前までバルルーナ王国は人間達に襲われていた筈っすから、恐らくナルルは故郷のバルルーナ王国の『復興作業』に勤しむ筈でやんすよねぇ……? あぁッ!? 詰まり、奴の命を狙うなら『今』でやんすよ……ッ!」


 「えっ? ね、狙うって言っても、一体どうやって!? だって、ワルヤーさんのスキル【遠距離絶対命中】は、何故かナルルに防がれて仕舞ったばかりじゃないですかっ!? 何か『打開策』を考えないとっ!」


 ロメオからそう言われると、ワルヤーは暫くの間無言になりながら考え込んでいると、やがて一つの結論に辿り着いた……!


 「打開策ねぇ……? あ、そう言えば……? 確か、下っ端の『疾風のエスペランサ』と『迅雷のニロス』が、数日前からこの辺りで見回りをしてる筈でやんすから、この『位置探索装置』を使って、その二人の現在位置を割り出して、彼等と協力して貰えば良いでやんすよ……っ!」


 「……疾風のエスペランサと迅雷のニロス? えっと、僕は新入りなので余り良く分からないんですけど、その二人って何か『強力なスキル』でも持ってるんですか……?」


 「そりゃあ、勿論でやんすよ……っ! エスペランサは、『疾風の如く軽快なる速さで天空を駆け巡る』事が出来て、ニロスも『迅雷の如く豪快なる速さで天空を駆け巡る』事が出来るのでやんすよ……っ! 詰まり、どちらかの力を借りられれば、『この俺、ミズカら』が、直接ナルルが居るバルルーナ王国にへと、余り時間を掛ける事無く、直ぐに向かう事が出来るのでやんすよ……っ!」


 「おぉ……っ! って事は、今からワルヤーさんが自分自身の手で、直接ナルルに裁きの鉄槌を振り下ろすって事なのですね……っ! よしっ、それじゃあ、早速その二人の現在位置を調べて協力を求めに行ってみましょう……っ! あ、後……僕も、ついでに付いて行っても宜しいでしょうか……?」


 と、ロメオがワルヤーに問い掛けると、ワルヤーは申し訳無さそうな顔を浮かべながら返答した……。


 「あっ、いやいやナルルの下に行くのは俺だけで良いっすからね? 流石に、ロメオに俺の個人的な復讐を手伝わせるのは、何だか気が引けるっすからね……」


 「そう……ですか。 分かりました。 でも、出来る限りワルヤーさんに協力させて下さいねっ!」


 「えぇ、承知したでやんすよ……! それじゃあ、先ずは、エスペランサとニロスの居場所を検索しないとっすね……!」


 そしてワルヤーとロメオは、逸る気持ちを抑えながらエスペランサとニロスの現在位置を調べ上げたのだった……。


 調べた結果、どうやら疾風のエスペランサは、どう言った理由なのか、『始まりの大地ストファー』に居る事を突き止めると、もう一方の迅雷のニロスは、どうやら現在も悪鬼旅団の本拠地の直ぐ近くに居ると言う事を突き止めたのだった……!


 「成程……! 調べてみた結果、エスペランサは何故か滅茶苦茶遠くの方に居るでやんすが、もう一方のニロスは、此処から直ぐ近くに居るみたいでやんすね……っ! それなら、これから俺は、そのニロスの所にへと行って来るでやんすよ……っ!」


 「うんっ! 頑張ってねワルヤーさん……っ!」


 「あぁ……っ! 必ず、ナルルの殺害を成功して帰って来るでやんすからね……っ!」


 ロメオに向かってニコッと優しく微笑むと、ワルヤーは慌てて悪鬼旅団の本拠地の扉から勢い良く飛び出し、そのままニロスが居る方向へと向かって走り出して行った……。


 残されたロメオは、本来の目的であった姉のロゼリアの現在位置を調べる為にも『位置検索装置』を作動させる……!


 「この装置を使えば、ロゼリアお姉ちゃんの居場所が分かるんだったよな……っ! よしっ、待っててね、ロゼリアお姉ちゃん……っ!」


 ロメオは直ぐ様、装置にロゼリアの名前を記入すると、直ぐ様、画面内にロゼリアの現在位置が表示され始めた……!


 「え……っ!? 『病院』に居るの……っ!? 場所は、『古の大地ドンセカ』に在る『街ジーマ』内の大きな病院か……! どうしよう、僕もニロスさんの所に行って、その病院の場所まで送って貰おうかなぁ……?」


 ロメオは迷っていた……。


 様子を見るべきが、それとも勇気を振り絞って行動に移るべきか……。


 然し、もう躊躇タメラっている時間は無かった……。


 そしてロメオは、考えるまでも無く、勝手に身体が走り出していた……!


 このチャンスを逃す訳には行かない……ッ!


 僕も、ワルヤーさんの後を追ってニロスさんに協力を求めるよ……ッ!


 すると、ロメオは扉から出る前に、『賞金稼ぎボルモ』に向かって話し掛ける……。


 「あっ、ボルモさん! 今から僕もワルヤーさんと一緒に、ニロスさんの所に行って来ますっ! それじゃあ、御達者でッ!」


 「おぉ、分かったぜ。 頑張れよロメオ……!」


 「はいっ! ボルモさんっ!」


 ボルモに見送られたロメオは、そのままの勢いでニロスが居る方向へと走り続けていると、やがてニロスと話しているワルヤーと無事に合流する事が出来たのだった……!


 「ハァ……ハァ……ゼェ……ッ! ま、間に合ったぁ〜……っ!」


 「付いて来たでやんすか……ロメオ」


 すると、ロメオの姿を見たニロスが怪訝な顔を浮かべながら、ワルヤーに確認を取った……。


 「おい、ワルヤー。 誰だコイツは? もしかして、コイツが新しく入って来たと言う『悪鬼旅団の新入り君』か?」


 「御名答っすよ。 この子の名前はロメオでやんすよ。 それでどうやら、ロメオもニロスに頼み事が有るみたいでやんすね?」


 すると、その言葉を聞いて何かを悟った様子のニロスは、呆れた様子でロメオに話し掛けた……。


 「分かった、分かったよ……。 おい、ロメオ。 どうせ、お前も俺の力を借りて何処かに連れてって欲しいって言うんだろぉ〜? ハァ〜……仕方ねぇな、分かったぜ。 おい、二人共、俺がお前等を運んでってやるから、黙って俺の腕に身を寄せなぁッ!」


 「こ、こうでやんすかッ!?」


 「だ、大丈夫なんですかっ!? 片手で僕を持ち上げるなんて……っ!」


 「っるせぇぇええッッッ!!! この俺に『不可能』は無いんだぁぁああッッッ!!!」


 ニロスはそう叫ぶと、自身のスキル【迅雷大移動】を発動させた……!


 そして、ワルヤーとロメオの事を両手で抱き上げながら、そのまま天空へと一気に舞い上がった……!


 「うっひゃ〜っ! 凄え高ぇでやんすよ〜っ!?」


 「おっと、一応聞いとくのを忘れてたが……。 おい、ロメオ! お前は一体何処に行きてぇんだ?」


 「い、古の大地ドンセカに在る、『街ジーマの病院』に向かいたいです……っ!」


 「オーケー。 んだが、先ずは、ワルヤーが行きたいって言うバルルーナ王国の方が場所的に近ぇからそっちの方から行くぜッ! おい、お前等ァッ! これから更に加速すっから、歯ぁ食い縛っとけよぉ〜ッ!?」


 すると、次の瞬間……!


 ニロスは有り得ない程の加速をしながら、天空を豪快に駆け抜けてゆく……!


 ニロスに抱きかかえられているワルヤーとロメオは、凄まじい程の風圧を必死に耐え続けている……!


 「おいおい、大丈夫かぁ? お前等ァッ!?」


 「い、一応大丈夫ですよ……っ! ワルヤーさんは平気ですか……?」


 「あぁ、俺も平気でやんすよ……! さてと、待ってるでやんすよ……『ナルル』ッ!」


 かくして、何とか迅雷のニロスの協力を得る事に成功し、ワルヤーはバルルーナ王国へと向かい、ロメオは街ジーマに在る病院へと向かい始めるのであった……!



【現在位置】

【天空】


【現在の日時】

【4月8日 11時12分 春】

 


【新入りロメオ】

【状態】:高揚感

【装備】:悪鬼旅団の団員服

【道具】:ロゼリアの写真

【スキル】:無し

【思考】

1:遂に会えるんだ……。

2:ロゼリアお姉ちゃんと……。

3:でも、病院に居るだなんて何か有ったんだろうなぁ……。

【基本方針】:街ジーマの病院に向かってロゼリアと再会する。



【用心棒ワルヤー】

【状態】:高揚感

【装備】:悪鬼旅団の団員服 バンダナ ゴーグル 鉄砲

【道具】:弾薬45発 葉巻き5本

【スキル】:遠距離絶対命中

【思考】

1:今、行くっすよ……。

2:ナルル……!

3:お前の事は、この手で直々に殺してやるっす……!

【基本方針】:バルルーナ王国に向かう。ナルルを殺す。



【迅雷のニロス】

【状態】:元気

【装備】:雷の鎧 雷の剣 袋

【道具】:金貨20枚

【スキル】迅雷大移動【効果】:疾風迅雷の如く速さで天空を駆け抜ける事が出来る。更に自身の身体から雷を放電して相手を遠距離から攻撃する事も出来る。

【思考】

1:うおおぉおおおッッッ!!!

2:更にスピードを速める為にもギアを上げるぞぉおおおぉおッッッ!!!

3:直ぐに、お前達をバルルーナ王国と街ジーマに送ってやるからなぁあああッッッ!!!

【基本方針】:ワルヤーをバルルーナ王国に送り届ける。ロメオを街ジーマに送り届ける。相棒の疾風のエスペランサを捜す。



【現在位置】

【悪鬼旅団本拠地】


【賞金稼ぎボルモ】

【状態】:悩み

【装備】:獣の毛皮 ハンマー 大きな袋

【道具】:金貨350枚

【スキル】:妄想の豪運

【思考】

1:さてと、この場に残った俺はどうすっかなぁ……。

2:おっと、そう言えば位置探索装置を使えば、簡単に他の悪鬼旅団の団員達の居場所が分かんじゃねぇかよっ!

3:うしっ! 早速使ってみっか!

【基本方針】:下っ端の悪鬼旅団の団員達に、団長が死神クリスに変わったと言う事を報告する。


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