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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
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第七十五話 死の瞳 〜呪術師ドーマ編〜


〜呪術師ドーマの視点〜


――――試練の大地シビキイ、荒廃した遺跡の跡地内部



 「……何者かの気配が? もしや付けられているのか?」


 荒廃した遺跡の跡地を渡り歩いている『夢幻旅団No.2』の呪術師ドーマは、何者かの気配に気が付くと咄嗟に後ろを振り返った。


 然し、其処には誰も居なかった……。


 「あれ? 可っ笑しいなぁ〜? 絶対に誰かが居ると思ったんだけどなー……。 ま、いっか」


 ポリポリと後頭部を掻きながら、呪術師ドーマは再び歩みを進めた……。


 「……なぁ〜んてなぁ?」


 かと思いきや、呪術師ドーマは不気味に薄ら笑いを浮かべると、ダラァ〜っと長舌を出しながら再び後ろを振り返った……。


 すると、その笑っているドーマの視線の先には、見るからに怪しい風貌をしている二人組の人物の狼狽えている姿が有った……。


 「……フハハッ! ビンゴだッ! こぉンの、間抜け共がぁぁああッッッ!? この俺様の華麗なる『フェイント』に、まんまと引っかかっちまうとはなぁぁああッッッ!!??」


 ドーマに、迂闊にも自分達の存在を知られて仕舞った二人組の男は、焦った様子で互いの顔を見合わせていた……。


 「クソッ! やられた……ッ! どうする、『ユウジ』? この状況を一体、どうやったら乗り切れる……?」


 「おいおい、『ポルス』! そんな急に、どうするって言われても……。 この呪術師ドーマ相手には、何を説明したって無駄な事だし……」


 『特殊機密偵察部隊』に所属している二人組は、監視対象の中でも、最も危険視されているドーマ本人に、自分達が追跡中だと言う事がバレて仕舞った為か、無様にも慌てふためき始めて仕舞った……。


 「おいおい、なんだなんだぁ〜? 名も名乗らねぇで、礼儀のなってねぇ奴等だなぁ〜?」


 呪術師ドーマは、呆れた口調で話しながら、ジリジリと謎の二人組の方へと近寄って行く……。


 「ま、待てっ! 近付くなドーマッ! こ、此方にも考えが有るんだッ! 命が惜しくば、其処で止まっているんだなッ!」


 「おい、ポルス! そんな無闇に奴の事を挑発するなッ! このままだと、取り返しの付かない事になるぞ……ッ!」


 すると、そのポルスの威嚇の態度を見た呪術師ドーマは、首を左右に倒しながら、コキコキと小気味良い音を鳴らし出すと、そのまま目を見開きながら大声を上げた……。


 「おわっ!? 何だ、何だ!? もしかして、俺様に対して『歯向かう』ってのか、テメェ等ッ!? へへっ、だが生憎にも相手が悪かったなぁぁああッッッ!?」


 思わず、キーンと耳鳴りが起こる程の叫び声を上げたドーマは、自身のスキル【防げない呪殺】を繰り出す態勢に移った……!


 「マズいッ! 今直ぐに、この場を離れるぞポルスッ!」


 「そ、そうだなッ! 行くぞ、ユウジッ!」


 「へへへッ! このまま、ノコノコと逃がす筈がねぇだろうがよぉぉおおッッッ!! そぉらぁッ! 【防げない呪殺】発動だぁぁああッッッ!!??」


 ヘンテコな決めポーズをしながら、呪術師ドーマは立ち去っている二人組に向かって、スキル【防げない呪殺】を繰り出すと、その次の瞬間だった……!


 「あが……っ!? あ、あぁぁ……ッ」


 「くそぉ……。 胸が苦し……いぃ……ッ」


 バタバタ……ッ。


 やがて二人の男は、バタッと苦しみながら倒れると、そのまま二度と起き上がる事は無かった……。 


 すると、スキル【防げない呪殺】を使って、謎の二人組を殺害したドーマは、とあるミスに気が付くと、思わず発狂した……。


 「あっ、ヤベェッ! どう言った目的で、俺様の事を付け狙ってたのかを聞く前に殺しちまったぜぇぇええッッッ!? ついつい、何時もの『ノリ』で、うっかり殺しちまったぜぇぇええッッッ!!??」


 ドーマは、頭を抱えながら滅茶苦茶後悔し始めた……。


 すると、そのドーマから発せられる叫び声に釣られて、一人の少女がやって来た……。


 「わわっ!? ど、どうしたんですか!? そんなに大声を出して……っ!?」


 急な出来事に対して驚きを隠せない少女は、心配そうにしながら、ドーマに問い掛けた……。


 「おンやぁ? 急に何の用だい、お嬢ちゃ〜ん?」


 「何の用って、貴方が突然大声を出したから心配で……。 って、それよりも! なんで『二人組の死体』が有るんですかッ!? まさか、貴方が殺したのですかっ!?」


 「あぁ、そうだがぁ〜? ほらほら、邪魔だから、お嬢ちゃんは、どっかに行ってなさいなぁ〜? しっし!」


 ドーマが少女の事を追い払おうと、少女の下に近付いたその瞬間だった……。


 突然、少女が自身の目を両手で塞ぎ始めた……。


 「あっ!? み、見ないで下さいっ! 『私の瞳』を見ないで下さいっ!」


 「あ? 急に、どうしたんだいお嬢ちゃん? 別に君の瞳を見ても、何も起こらないぜぇ……?」


 すると、そのドーマの声を聞いた少女は、思わず目をパチクリと見開きながら、不思議そうにドーマに向かって問い掛けた……。


 「えっ? 何でオジサンは、この私の瞳を見ても……『死なない』の……?」


 すると、その少女の言葉を聞いたドーマは、再び発狂し始めた……。


 「はぁ? しっ、死ぬぅぅううッッッ!? お前の眼を見ただけでぇぇえぇッッッ!?」


 「うん。 私のスキルは【死の瞳】って言ってね。 詰まり、私の瞳を見た人は、その瞬間に死んじゃうの……」


 少女の所持スキルの効果の説明を聞いたドーマは、思わずツッコミを入れる。


 「おいおい、そんなに危ねぇスキルを持ってんだったら、『裸眼』で人様の前に出てくんじゃねぇよッ!? せめて、目を隠すとかの努力をしろよなぁッ!?」


 然し、そのドーマの提案を聞いた少女は、首を横に振りながら呟いた……。


 「ううん。 それじゃ意味が無いの。 私が目を瞑ったり、布を被せたり、眼鏡やサングラスを掛けたとしても、この私の『瞼の奥の瞳』と目が合っちゃったら、それだけでもアウトだから……」


 「うわッ! めっちゃ不便な能力じゃん!? 即死効果が貫通してくんのはヤベェな……。 お前さん、良く今まで生きてこれたなぁ……? 普通は、迫害されたり粛清されんぞ?」


 すると、そのドーマの言葉を聞いた少女は、涙ぐみながら自分自身の事について語り出した……。


 「私は、もうとっくに街から追い出されてるよ。 それも『数年前』にね……。 だから今は、このスキルを駆使して殺したモンスターの肉とかを一人で焼いて食べたり、果実を木から採ったりして何とか、必至に命を繋ぎ止めてるんだ……」


 「はぇ〜。 お嬢ちゃんは、自給自足してんのかぁ〜。 その上、火も自力で起こせるなんて天才肌だねぇ〜。 俺様なんて、未だに火が付く事の仕組みとかが良く理解出来てねぇからなぁ〜?」


 すると、少女は少しだけ照れ臭そうにしながら、とある事を話した。


 「実はね? 火の付け方は、とある人に教わったんだ」


 「とある人だぁ〜? まさか、その恩師を殺しちまったとかのオチじゃあ無いよなぁ?」


 「違うよっ! 私が話したかったのは、昔に『ゲーゴス』って人から火の付け方を教わったって話だよっ! そもそも、ゲーゴスさんは、何故か私の瞳を見ても死ななかったからね……」


 少女から、その話を聞いたドーマは、『ゲーゴス』と言う聞き馴染みの有る名を聞いて、その男が何故、少女の瞳を見ても死ななかったのかを完全に理解した。


 「はぇ〜……って、ゲーゴスの話かよッ! 一応言っとくが、ゲーゴスって『鉄人族』だから、お嬢ちゃんの瞳を見ても平気だったんだぜ〜?」


 「えっ? 鉄人族ですか……? そうか、ゲーゴスさんって人間じゃ無かったんだ……」


 「そう言うこった。 基本、鉄人族の奴等は、『即死系』の攻撃に強かった筈だ。 まぁ、俺様のスキルの【防げない呪殺】ならば鉄人族だろうと即座に殺せるけどなぁ?」


 呪術師ドーマは、少女に対してマウントを取りながらも、しっかりと鉄人族についての解説を行った。


 「あれっ? それじゃあ、もしかして貴方も鉄人族なの……? だって、オジサンも私の瞳を見ても死ななかったし……」


 「いンや、俺様は即死系の奴を喰らっても無敵なんだわ。 俺様のスキルの『付与効果』の御陰でな。 おっと、所で自己紹介を忘れてたな! 俺様の名はドーマだ。 そんで、お嬢ちゃんの名は、なんと言うんだぁ?」


 「ドーマさんですねっ! わぁっ! 素敵な名前ですねっ! えっと、私は『ハルカ』と申しますっ!」


 「ハッハッハ! 中々に、可愛気が有って良いねぇ〜、お嬢ちゃんっ! よしっ、俺様はアンタの事が気に入ったゼッ! だから、この俺様が直々に、お嬢ちゃんの事を受け入れてくれる鉄人族の奴等を一緒に探してやろうと思うんだが、どうだッ!?」


 「えっ!? そんな、悪いですよドーマさんっ!」


 「そんな遠慮すんなって! 趣味の遺跡巡りも、そろそろ飽きて来た事だし、暇潰しに手伝わせてくれって!」


 「あっ、ありがとうドーマさんっ! こんな、私の為に……っ」


 「こんな私の為に、とか言うなって! それに俺様は、ロリコンでは無いんだが、何故だかハルカちゃんの事を見ていると、なんだか胸の奥から『父性』が湧き始めて来やがるンだよなぁぁああッッッ!!??」


 すると、至近距離からドーマの大声を聞いたハルカは、思わず両耳を塞ぎながら注意した。


 「もうっ! ま〜た、大声出してっ! 私の鼓膜が破れるかと思いましたよっ!」


 「ハハッ! 悪いなハルカちゃん! でも、大声を上げるのは俺様の『癖』だから、笑って許してくれや!」


 「も〜う。 しょうがないですね……。 でも、少しだけは自重する努力もして下さいよ〜っ! だって、この調子だと私の耳が持たないもんっ!」


 ハルカは、ドーマの身体をポコポコと叩きながら、頬をプク〜っと膨らませる。


 「へへっ、所持スキルがヤベェ事以外は、何てことねぇ只の女の子じゃねぇか。 そんなに、叩かれても痛くも痒くもねぇぞ〜っ!」


 かくして、ドーマとハルカは、お互いに対して親近感を抱きつつ、自分達と協力してくれる鉄人族の捜索を開始したのであった……!



【現在位置】

【試練の大地シビキイ】


【現在の日時】

【4月8日 12時54分 春】



【呪術師ドーマ】

【状態】:健康 即死無効

【装備】:黒のシルクハット 黒の紳士服 緑のマント 黒の杖 袋

【道具】:回復瓶5個 銀貨10枚

【スキル】防げない呪殺【効果】:どんなに強力な相手だろうと、簡単に呪い殺す事が出来る。その上、このスキルを取得しているだけで、即死無効の付与効果を得る事が出来る。

1:やる気が漲って来たぜぇぇええッッッ!?

2:滾るぜ、滾るぜぇぇええッッッ!?

3:あ、やべっ。 ちょっと、疲れて来たゼ……。

【基本方針】:ハルカに協力する。ちょっと疲れたので、少しだけ休憩したい。



【死の瞳ハルカ】

【状態】:嬉しい

【装備】:ボロボロの街娘の服 木の枝 小さな袋

【道具】:天命の箱

【スキル】死の瞳【効果】:自分の瞳を目撃した人物を強制的に殺害して仕舞う。誰かを殺さない様に瞼を閉じていたとしても、その効果は貫通する為、完全に防ぐ為には誰にも会わない様に身を潜めるしか無いのだ。

1:ドーマさん、ありがとう!

2:あ、そうだ……。

3:この『天命の箱』の事を教えて上げようかな……?

【基本方針】:ドーマに付いて行く。『四大世界の大秘宝』の一つで有る『天命の箱』を自分が持っていると言う事をドーマに伝える。



【特殊機密偵察部隊隊員No.10ユウジ死亡確認】


【特殊機密偵察部隊隊員No.14ポルス死亡確認】


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