表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
74/132

第七十四話 仮面のファザ 〜竜胆園鯛造編〜


〜ギルムの視点〜


――――宿屋内



 探偵ジンラとチベッタの無事を祈り続けているギルムは、刻々と時間が経つ度に、徐々に不安感が募り始めていた……。


 「ジンラさんとチベッタさん……。 遅いな……。 やっぱり、何かあったんじゃ……」


 「まぁまぁ、ギルムさん。 きっと大丈夫ですよ。 信じて彼等の帰りを待ちましょうとも」


 そう言うと鯛造は、思い詰めた様子のギルムの肩をポンっと、軽く叩きながら優しい口調で慰めた……。


 「鯛造さん……。 えぇ、確かにそうですね。 今の私達には、信じる事しか出来ませんからね……」


 すると、その二人の会話を静かに聞いていたアビウスが、会話に加わって提案する……。


 「そんなに気になるので有れば、其方のスキルの【犯罪取締連盟瞬間報告】を発動して、直接ジンラに連絡を取れば良いんじゃないか……?」


 然し、そのアビウスの提案を、直ぐ様ギルムが却下した……。


 「いえ、そんな事をしたら、セイラ王国の内情を探っている最中の、ジンラさん達の『邪魔』をする事になって仕舞いますよ……?」


 「あぁ、そう言う事か……。 確かに、そう考えたら此方から余計な行動を取るのは止めた方が良いんだな……。 余計な事を言って仕舞ったな……。 すまない、ギルム……」


 「いえいえ、此方こそ……。 アビウスさんと鯛造さんに、余計な気遣いをさせて仕舞って……」


 ギルムは申し訳無さそうに顔を伏せ始めた……。


 「まぁまぁ、そんなに落ち込まなくとも……」


 と、鯛造がギルムの事を励まそうとした瞬間だった……。


 突如として、何者かがギルム達の居る部屋のドアを、ドンドンッと強く叩きながらノックをしている音が、部屋中に響き渡った……。


 ドンドンドンッ!


 「……えっ!? この強いノックの音は……ッ!? もしかして、『チベッタ』ですかッ!?」


 ノックの音を聞いたギルムは、咄嗟に嬉しそうな顔に変わりながら、ノックをしている人物に向かって問い掛けた。


 然し、そのギルムからの問い掛けに返答した人物の声は、明らかにチベッタの声とは違う、冷静な口調の『男の声』だった……。


 「いえ、残念ながら私は、チベッタでは御座いません。 私の名は、ファザと申します。 『仮面のファザ』と言えば聞き馴染みが有るかな?」


 すると、その仮面のファザと言う名を聞いたギルムは、慌てた様子でファザの事を部屋に招き入れた。


 「あっ! すみません、ファザさんでしたか! これは、大変失礼致しました! ささっ、どうぞどうぞ、御部屋の中へ……っ!」


 「有り難う御座いますギルム。 それでは、失礼して入らせて頂きますよ……」


 仮面のファザは、のそのそと部屋の中へと入りながら、鯛造とアビウスに向かって軽く御辞儀をした……。


 然し、その仮面の男の姿を見たアビウスは、若干引き気味に身構えながら、ギルムに問い掛けた……。


 「ギルム……。 この御方は一体誰ですか? 見るからに怪し過ぎるのだが……?」


 すると、引き攣った顔を浮かべているアビウスに対して、慌ててギルムが仮面の男の身分を明かした。


 「あっ! 安心して下さいアビウスさんっ! 彼は、『犯罪取締連盟』に所属している『仮面のファザ』さんですっ!」


 「えっ!? この怪しい風貌の仮面の男が、犯罪取締連盟の一員だと……ッ!?」


 すると、思わず驚きの声を上げたアビウスに対して、仮面のファザが優しく補足を入れた。


 「ふふっ。 まぁ、要するに。 私は、其処に居るギルムと、セイラ王国に調査に向かっている最中である探偵ジンラの『上司』に当たる人物だと覚えて下さいね……?」


 「そ、そうだったのだな……ッ! これは、大変失礼な事を言って仕舞い、誠に申し訳無い……!」


 アビウスは、仮面のファザに向かって全力で土下座しながら謝罪した……。


 「そんなに謝らなくとも、別に平気ですよ。 そりゃあ、初見の人は、この私の怪しい姿を見て、さぞかし驚かれる事でしょうからねぇ……。 何せ、こんな不気味な仮面を付けているのですから……」


 ファザは、困った様な口調で、顔に着けている仮面を物悲しげに撫でる……。


 「所で、ファザさん。 ファザさんは一体、何用で此方まで居らしたのですか……?」


 ギルムは、不思議そうにファザに向かって問い掛けた。


 「……それはですね。 実は、ギルムに直接『知らせて置きたい事』が有りましてね……?」


 すると、仮面のファザは自身が知っている情報を、ギルム達に向かって話し出した……。


 「えっ? 知らせて置きたい事ですか……? それって、一体どう言った内容の……?」


 「ギルム、その内容についてなのですがね……? つい先程、セイラ王国ヘ調査に向かった『探偵ジンラ』と『ロマン・エル・ライン』の2名は、多分今も生きていると思うのですが……。 その、なんて言うか『他の者達』がですね……?」


 「な……ッ!? まっ、まさか、その今名前が上がった、ジンラさんと、ロマン以外の人達の身に、何か良からぬ事が起きたのですか……?」


 ギルムは、恐る恐るファザに向かって問い掛けた……。


 「えぇ、御明察ですよギルム……。 『チベッタ』と『パプリー』と『ナサイズ』の3名が、裏切り者の『策士ミツヒ』と、セイラ王国の『騎士エール』の手によって、殺害されたとの情報が、『特殊機密偵察部隊』の者から届きました……」


 ファザの口から、衝撃的な内容を含んだ情報を伝えられたギルムは、思わず口を両手で塞ぎながら、驚愕する事しか出来なくなる程に、身体が硬直して仕舞った……。


 「そっ、そんな……ッ!? チベッタと、パプリーと、ナサイズさんが殺されただって……ッ!? その上、犯罪取締連盟の一員で有る、『策士ミツヒ』さんが裏切り者って……!?」


 「どうやら、策士ミツヒは『スパイ』だったらしいのです……。 それに、もしかしたら、まだ他にもスパイが潜んで居るのかも知れません……。 なのでギルムも、この先も警戒を怠らない様に」


 「チベッタ……。 ついさっき迄、一緒に話していたと言うのに……。 まさか、あれが最後の会話になって仕舞うとは……」


 ギルムは、ガクッと膝を床に打ち付けながら、そのまま項垂れると、直ぐにファザに向かって質問を投げ掛けた……。


 「それで、その情報が確かなら、ロマンとジンラさんの2名は、今の所は無事って事なんですよね……?」


 「えぇ。 ロマンが自身のスキル【一日限定緊急脱出】を発動した事により、ジンラと一緒に策士ミツヒのスキルの【結界監獄】から見事に逃げ出したそうで……」


 ファザからその話を聞いたギルムは、複雑そうにしながらも、笑みを浮かべた……。


 「そっ、そうですか……っ! せめて、二人が生き残ってくれただけでも、まだ少しだけ気持ちが楽になれるってもんですよ……。 ファザさん、私に情報を提供して下さって本当に感謝致します……っ! 現在の、ジンラさん達の状況を知れて、胸の突っ掛かりが若干取れましたよ……」


 「そうですか。 少しだけでも、元気を取り戻してくれたのなら良かったですよ。 それでは、私は他に行く所が有るので、ギルムは引き続きアビウスさんと鯛造さんの護衛をしていて下さいね?」


 「はい! 承知しました……!」


 改めて、ファザから護衛の続行と言う命を受けたギルムは、気を引き締めながら懸命にアビウスと鯛造の護衛に勤しみ続けるのであった……!



【現在位置】

【宿屋のギルムの部屋】


【現在の日時】

【4月8日 10時23分 春】



【ギルム】

【状態】:やる気

【装備】:英傑旅団の団員服 英傑の剣

【道具】:メモ帳 ペン

【スキル】:犯罪取締連盟瞬間報告

【思考】

1:亡くなった皆の為にも頑張らなくては……!

2:絶対に、鯛造さんとアビウスさんの事を御護り致しますよ……!

3:私に出来る事は、それ位しか有りませんからね……!

【基本方針】:アビウスと鯛造を護る。ジンラとロマンの帰りを待つ。



【アビウス】

【状態】:悔しい

【装備】:紫色の和服 破滅の剣

【道具】:無し

【スキル】:閃光斬り

【思考】

1:我に何か出来る事は無いのか……?

2:守られてばっかりでは、情けない……。

3:我は自分が情けなくて仕方がないのだ……ッ!

【基本方針】:自分に出来る事を探す。



【竜胆園鯛造】

【状態】:冷静

【装備】:黒色の和服 信念の剣 スーツケース 財布

【道具】:様々な和服 金貨3枚 銀貨8枚 銅貨11枚

【スキル】:指導効果最大

【思考】

1:今日の所は、この部屋から出ない方が良いでしょうな。

2:そもそも、部屋に居ながらでも筋トレをして、力を蓄える事は出来ますからな。

3:状況が落ち着くまでは、この場で籠城する事も悪い選択肢では無いでしょうとも。

【基本方針】:部屋の中で筋トレをして、何れ訪れるであろう戦いに備える。



【仮面のファザ】

【状態】:静かな怒り

【装備】:黒の帽子 不気味な仮面 黒のスーツ 拳銃 黒の鞄

【道具】:弾薬50発分 金貨80枚 解毒瓶5個 解石瓶5個

【スキル】脳内麻薬【効果】:相手の脳内を再起不能状態になる迄、快楽で狂わせる事が出来る。

【思考】

1:まさか、策士ミツヒの奴がスパイだったとはな……。

2:許さねぇぞミツヒ……。

3:仲間を殺した罪は重いぞ……?

【基本方針】:策士ミツヒと騎士エールを殺す。犯罪取締連盟の中に隠れ潜んで居るスパイを、この手で排除する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ