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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
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第四十八話 バルフは歩夢と雅隆の仲間に加わりたい 〜バルフ編〜


〜バルフの視点〜


――――バルフの家、寝室――――【現在時刻、7時2分】



 バルフの家で一夜を過ごし無事に朝を迎える事が出来た歩夢と雅隆は、『ドガイゴス』がフライパンをガンガンと叩く音と優しい声により起こされる。


 「ほらほらぁ〜、もう朝よぉ〜? 早く起きてぇ〜、歩夢ちゃんに雅隆くん〜?」


 「んん……? あ、ドガイゴスさん……。 んん〜……もう朝かぁ〜。 ふわぁ〜……良く寝た〜っ!」


 「んお……? おお、これはこれは、ドガイゴス殿……! わざわざ、拙者達を起こしに来てくれたのですか? 感謝致しますぞ……っ!」


 寝ぼけ眼を擦りながら、雅隆は枕元に置いてあった眼鏡と”自動翻訳装置”を手に取ると、それを慌てて装着してドガイゴスに向かって礼を言う。


 「うふふっ♡ 雅隆くんってば、そんなにカシコまらなくても良いのよぉ〜?」


 「いえいえ、休息の場を頂いているのですから失礼な態度は取れませぬぞ!」


 すると、歩夢と雅隆の起床を確認しにやって来たバルフも、ノソノソと寝室の中に入って来る。


 「おうっ! お二人共おはようさんっ! 良い夢見れたかぁ〜? そいじゃ、下で朝飯を用意してっから顔を洗ったら早く来いよーっ!」


 「あ、バルフさんっ! うん分かった! ほら、雅隆君も早く顔を洗いに行こう〜っ!」


 「わわ、ちょっと歩夢殿ッ! 急に手を引っ張らないで頂きたいで御座るよッ!」


 一早く朝御飯を食べる為に、元気良く歩夢は雅隆の手を引っ張りながら急いで寝室のドアから飛び出すと、そのまま階段を降りて洗面台に向かって顔を洗うと、その足で料理が並べられているリビングのテーブルの下にまで駆け出して行った。


 そして、部屋に取り残されたドガイゴスとバルフが和やかに会話をし始める。


 「ふふふ、本当に仲良しなのねぇ〜、あの子達って♡ なんだか見てるだけで微笑ましくなってくるわねぇ〜? ね? バルフ〜?」


 ドガイゴスは、ニヤついた表情でバルフに問い掛ける。


 「うっせーな母ちゃん。 んな事よりも、早く俺達もリビングに行こーぜ」


 「ふふっ。 相変わらず素直じゃないんだから。 その様子だと、未だに歩夢ちゃんと雅隆くんに対して、仲間に入れて欲しいって言えてないんじゃないの?」


 「チッ、余計な御世話だぜ母ちゃん……。 後で、改めて俺の方から……ちゃんと仲間に加えて欲しいって頼みを入れようとしてたっつーの!」


 「あらあら、そうなの〜? ふふっ、分かったわ。 そう言う事にしていてあげるっ♡」


 「はぁ〜、やっぱ母ちゃんと話しているとペースが乱れるぜ……。 まぁいいや。 兎に角、俺も朝飯を食うとしよう……」


 バルフはそう言うと、食卓に向かって行った歩夢と雅隆の後を、ゆっくりとした足取りで追って行く。



――――リビングルーム――――【現在時刻、7時8分】



 すると、食卓に辿り着いたバルフの目の前には、とても美味しそうに並んでいる料理を、目を爛々と輝かせながら見詰めている歩夢と雅隆の姿があった。


 「わぁ〜! 美味しそう〜っ! ジュルリ……っ! こ、これが僕達の朝御飯なんだねっ!?」


 思わず嬉しそうな声を上げている歩夢に対して、バルフの後ろに居るドガイゴスが優しく微笑みながら返答した。


 「ふふふ、そうよぉ〜。 久しぶりの御客さんだったから、ついつい腕によりを掛けて作っちゃったわぁ〜♡」


 「ヘヘっ、どうやら母ちゃんは、歩夢と雅隆の事がとても気に入ったらしくてなっ! だから、いつになく張り切ってんだよな〜。 んじゃ、母ちゃんが作ってくれた料理が冷めねぇ内に、早く食おうぜッ!」


 バルフは、歩夢と雅隆を食卓の椅子に強引に座らせると、直ぐに手を合わせ始める。


 「あれ、でもまだ僕達は歯を磨いてないんだけど……?」


 「歯磨きなんざ、飯を食ってから磨きゃあ良いじゃねぇかッ! ほら、つべこべ言ってねぇで早くお前達も手を合わせるんだよッ!」


 「あっ、そうだねっ! よ~し、皆で手を合わせて……いっただっきま〜すっ!」


 「拙者も頂くで御座るっ!」


 食前の号令を済ました歩夢達は、ドガイゴスが丹精込めて作ってくれた料理をガツガツと食べ始めると、最後には米粒一粒も残さずに綺麗に完食した。


 〈おおっ! 中々に良い食いっぷりじゃねぇかよ……!〉


 「あらあら、まぁまぁ〜っ! 残さずに食べれて偉いわねぇ〜っ! おばさんも、貴方達の清々しい程の食べっぷりを見てたら、何だか段々と心の底から嬉しさが込み上げて来たわぁ〜っ♡」


 「ヘヘ、良かったな母ちゃん! んじゃ、皿洗いは俺がやっとくから、その空になった皿を俺に渡してくれねぇか?」


 「あらあら、いつになく良い子ねぇバルフ〜♡」


 「よ~しっ! はい、どーぞバルフさんっ! ほら、雅隆君も渡して上げてっ!」


 「いちいち、歩夢殿に言われ無くとも拙者は分かって居りますぞっ! ささ、どうぞ御受け取り下さいなバルフ殿!」


 「おぉ、あんがとな。 んじゃ、お前ら今の内に歯でも磨いとけなぁ〜?」


 「うんっ、分かった! よしっ、それじゃ一緒に行こっか雅隆君っ!」


 「ですな。 それで歯を磨き終えたら、今日やるべき事を考えると致しましょうか!」


 「おっし! 俺も皿洗いを頑張るぜーーッ!」


 こうして、数分の間に歩夢と雅隆が歯磨きを終えて洗面所からリビングに向かっていると、丁度そのタイミングで皿洗いを終えた様子のバルフが歩夢達に向かって話し掛けて来た。



――――廊下――――【現在時刻、7時36分】



 「おう、お前ら丁度良かった。 ちょっとばかし、聞きてぇ事があんだけどよ? 俺の家から出た後に、お前達はこれから何処に行くとか決めてんのか? それとも、ノープランなんか?」


 「そうですなぁ……。 拙者達は、未だにこの世界の仕組みを良く理解してないですからなぁ……。 せめて、”世界地図”とかが有れば拙者のスキル【永遠の瞬間移動】を発動出来るので御座るが……」


 すると、その瞬間移動と言う言葉を聞いたバルフが慌てて聞き返す。


 「なにッ!? 雅隆、お前……! そんな便利なスキルを持ってたのかよっ!? なのに、なんで全然そのスキルを使わねぇんだぁ? 勿体ねぇなぁ〜?」


 「うーむ……。 確かに今の所は、宝の持ち腐れ状態で御座るが……。 そうは言われても、無闇に見知らぬ土地で瞬間移動するのは完全なる『死亡フラグ』ですからなぁ〜……。 ですから、歩くのが面倒な時にだけ活用しようかと思いまする……」


 「死亡フラグ……? まぁ、確かに先ずは情報を仕入れる事のが先決だよな! ヘヘ、って事なら、尚更この辺りの事柄に詳しい『俺の事』が必要になるんじゃねぇのかぁ〜!?」


 バルフは、ニヤリと片目でウインクをしながら自分自身に向けて親指を突き立てる。


 「えっ!? それって、もしかして僕達の仲間にバルフさんが加わってくれるって事っ!?」


 「なぬっ!? そ、それは本当で御座るかっ!? これからも拙者達の冒険に付いて来てくれると言うのですかなっ!?」


 〈ヘヘ、俺はコイツ等の冒険に付いて行くべきだと”本能”が告げてんだ……! それに逆らう事なんて俺には出来ねぇ話だぜ……ッ!〉


 「あぁ、勿論俺は本気だぜぇ? だってよ、お前達みてぇな良い奴等と共にこの世界の片隅迄を冒険出来るって思えたら、何だか俺の中に在る”冒険心”がドンドンと溢れ始めて来てなぁ〜っ!」


 「わぁ〜っ! 良いのバルフさんっ!? あっ、でもドガイゴスさんの事は大丈夫なんですか……?」


 「あぁ? 母ちゃんの事かぁ? んな事なら、お前等が心配する事じゃ――――」


 と、バルフが言い掛けた所に、ニコニコと嬉しそうな顔を浮かべているドガイゴスがバルフのか後ろに立っている事に皆が気が付いた。


 〈うおっ!? か、母ちゃん! さっきからずっと無言で俺の後ろに居たのかよ……ッ!〉


 「ふふっ。 私の事なら大丈夫よ歩夢ちゃん? そもそも、私の方からも頼みたいぐらいなのよ? 是非とも、バルフと一緒に冒険に出掛けて欲しいわぁ〜♡」


 ドガイゴスは、ゆっくりと丁寧に御辞儀をしながら、歩夢と雅隆に御願いをする。


 「ド、ドガイゴス殿……!」


 「へへっ、母ちゃんもこう言ってる事だしさっ! だから、この俺をお前達と一緒に冒険に連れて行ってくれよ……! 頼む! この通りだ……っ!」


 バルフとドガイゴスからの御願いを聞いた歩夢と雅隆は、お互いの顔を見合わせながら、嬉しそうにコクっと頷いた……!


 「うん! 寧ろ、こっちから頼みたいくらいだよぉ〜っ! よーしっ! これからも宜しくねバルフさんっ!」


 「あ、歩夢ぅ〜……! ま、雅隆も……良いのか?」


 「そんなの聞く迄もあるまいて! 拙者も歩夢殿と同意見で御座るよっ! 拙者も歓迎するで御座るよバルフ殿……!」


 「ま、雅隆ぁ……っ! うぅ、ありがとな……お前ら……っ」


 バルフは、思わず感涙しながら歩夢と雅隆に向かって感謝の言葉を述べた。


 そして、そのバルフの男泣きを間近で眺めているドガイゴスは、胸に手を当てながら涙目を浮かべた。


 「ふふふ、良かったわねぇ〜、バルフ……。 しっかりと、歩夢ちゃんと雅隆くんの事を御護りするのよ? バルフ……」


 「ぐすッ……。 へへっ、んじゃあ着替え終えたら早速新たなる冒険に出発すっか! 歩夢ッ! 雅隆ッ!」


 「うんッ!」


 かくして、歩夢と雅隆は新たにバルフを仲間に加えて新たなる冒険に出掛けるのであった……!



【現在位置】

【バルフの家】


【現在の日時】

【4月8日 7時42分 春】



【餅木歩夢】

【状態】:嬉しい

【装備】:パジャマ 女性用の下着

【道具】:無し

【スキル】:慈愛の涙

【思考】

1:わ〜いっ!

2:バルフさんが正式に仲間になってくれたよ〜っ!

3:えへへ、なんだか嬉しいなぁ〜っ!

【基本方針】:みんなと楽しく冒険をする。

※バルフが正式に仲間に加わりました。



【大宮雅隆】

【状態】:嬉しい

【装備】:眼鏡 パジャマ 自動翻訳装置

【道具】:無し

【スキル】:永遠の瞬間移動

【思考】

1:バルフ殿が居れば、とても心強いで御座るっ!

2:さぁ、取り敢えず着替えましょうか!

3:これからの冒険が楽しみで御座るなぁ〜っ!

【基本方針】:みんなと楽しく冒険をする。無一文なので金を稼ぎたい。面倒事が起こらない為にも無闇に瞬間移動しない。

※バルフが正式に仲間に加わりました。



【バルフ】

【状態】:感涙

【装備】:威嚇用の爪と牙 自動翻訳装置 

【道具】:母ちゃんの写真

【スキル】:勇気の咆哮

【思考】

1:ありがとう……ありがとな……。

2:歩夢に雅隆……っ!

3:俺は、コイツ等を命に変えても守らねぇとなッ!

【基本方針】:みんなと楽しく冒険をする。歩夢と雅隆を護る。

※歩夢と雅隆の仲間に加わりました。



【ドガイゴス】

【状態】:微笑み

【装備】:エプロン 自動翻訳装置 双翼の腕章

【道具】:無し

【スキル】:母の愛

【思考】

1:ふふっ、良かったわねぇ〜。

2:バルフ……。

3:ふふふ、なんだか心が暖まって来たわねぇ〜っ♡

【基本方針】:冒険に出掛ける皆を笑顔で見送る。


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