第三十四話 渾身の鉄拳VS鉄人ハンマーパンチ 〜脱獄犯ドルネイン編〜
〜脱獄犯ドルネインの視点〜
――――楽園の大地エクラン、ビュルクナー平原――――【現在時刻、15時30分】
『魔王ベルファス』から、魔族の為に尽力せよと言う命を受けた『脱獄犯ドルネイン』は、面倒臭がりながらも監視役である魔族の『アモン』と共に楽園の密林の外にへと出て現在は《ビュルクナー平原》を歩いていた。
「はぁー……。 見逃して貰う為とは言え、魔族に協力する事になるとはなぁ〜……。 畜生〜、面倒くせぇなぁー……」
ドルネインが深い溜息を吐いていると、アモンが人差し指を突き立てながら忠告する。
「いえ、例えどんなに面倒だとしても、”脱獄犯”である貴方には魔王様の命令に背くと言う選択肢は存在しないのですよ?」
「わーってる、わーってんよ……ッ! 流石の俺でも、”魔王”には逆らえねぇからな……」
「うんうん。 良い判断ですよドルネインさん」
アモンは嬉しそうに頷くと、その姿を見たドルネインが舌打ちをした。
「チッ。 ムカつくガキだぜ……」
「ん? 何か言いましたかドルネインさん?」
「別に言ってねーよ! つべこべ言ってねぇで早く行くぞッ!」
ドルネインは苛立ちながらそう言い放つと、そそくさと歩みを早めていく。
〈ったく、なんだってこの俺様が魔族のガキに舐められなくちゃならねぇんだよ……ッ!〉
〈魔王の”後ろ盾”さえ居なければ、こんな生意気な態度を取るガキなんぞ直ぐにブチ殺している所だぜ……ッ!〉
すると、不満げな態度を取っているドルネインに対して、ふと”何か”に気が付いた様子のアモンが小声で呼び止めた。
「……あれ? ちょっと、ドルネインさん……。 彼処を良く見て下さいっ! 何やら、”二人組の人影”が……?」
「んだと? 人影だぁ〜?」
ドルネインは、アモンが指を差している遠くの方に目線を向けて見ると、其処には確かに二人組の人影が見えていた……。
「おおっ? 本当だな……。 んで確か、俺のやるべき事ってのは、”魔族とバルルーナ族の安全性を世に知らしめる”っつー事だったよな? なら、さっさとアイツ等に話し掛けに行ってサクッと済ますか!」
「はいっ! そうですねドルネインさん。 それに今の僕は、人間の姿に見える様にバッチリと”変装”していますし、彼等にはきっと僕の正体が魔族だと言う事はバレないでしょうからねっ!」
「おぉ、そうか……」
〈まぁ、奴等が俺様の言う事を聞かねぇ様なら、ブン殴ってでも強引に理解らせてやるがなぁ……ッ!〉
メラメラと闘志を燃やしているドルネインと、にこやかな笑みを浮かべているアモンは、駆け足で二人の人影に近付きながら気さくな態度で話し掛ける。
「おーい、お前ら〜っ! ちょっと話してぇ事があんだけどよぉ〜っ!」
「お二人共〜、少しだけで良いので僕達のお話しを聞いて貰っても宜しいですかぁ〜っ?」
「あぁ? 急に誰だ……?」
ギロッ……。
〈おいおいコイツ等、態度悪いなぁ……。 こちとら、気を遣って気さくに話し掛けたってのに、思わずブン殴っちまう所だったぜ……〉
二人組の男は、ドルネインとアモンに対して懐疑的な目で睨み付ける……。
「……何だ、お前達は? 俺達に一体何の用だ?」
「俺も同感だぜ。 お前達……一体何者だぁ〜……?」
〈ったく、面倒だなぁ〜。 まさかコイツ等、俺があの《夢幻旅団No.13》のドルネイン様だと言う事に気が付いてねぇのかぁ〜?〉
二人組の男から明らかに警戒されていると気付いたドルネインは面倒臭そうに頭を掻くと、気持ちを切り替えて陽気な口調で弁明する。
「いやいや、そんなに警戒すんなって! 俺達は、ただ単に魔族とバルルーナ族が、実は皆が思っているよりも全然危険な種族じゃねぇって事を、態々お前達にも教えに来たんだよ!」
「そうですっ! 魔族とバルルーナ族は、本当はとっても優しい種族なんですよっ! 決して、人間達が忌み嫌う種族では無いんですよっ!」
「………………」
〈さてと、コイツ等の次の”反応次第”では、俺も出るとこに出るが……?〉
すると、そのドルネインとアモンの話を聞いた二人組の男は、キョトンと目を丸くしたかと思うと、次の瞬間には我慢出来ずにゲラゲラと笑い出した。
「……えっ!? ふははっ、何だお前らぁ〜? 結構、面白い事言うじゃねぇかよっ! 確かに、バルルーナ族ってのは優しいだろうけども、”魔族”は違ぇだろぉ〜? ヘヘッ、もしや馬鹿なのかなぁ〜? お前らぁ〜?」
「んだと、テメェ……?」
長髪の男から馬鹿にされた様な態度を取られたドルネインは、思わず睨み返した。
「おいおい、そんなに睨むなよなぁ〜? なぁ、お前も魔族は駄目ってそう思うよなぁ〜?」
長髪の男はニヤ付きながら、隣に居る寡黙な男に向かって問い掛けた。
「ふんっ、愚問だな。 ……それで、お前達の用は済んだか? 俺達は、もう行くぞ」
〈はぁ〜、そう上手くいかねぇよなぁ〜……。 そもそも急に魔族が良い奴だって言われても、んなこと知らんがなって誰でも思うだろうしなぁ〜……〉
「ちょっと! ドルネインさんもそんな諦めた様な態度を取らないで下さいっ! まっ、待って下さい! 魔族は本当に悪い種族では―――」
と、アモンが言い終わるよりも前に、長髪の男が自身の『スキル』をアモンとドルネインに向けて発動する。
「スキル【真実の目】発動」
「……え!?」
〈ん、なんだ? もしや、この苛つく男は”スキル持ち”だったってのか?〉
そして、その長髪の男の姿を見たアモンは、驚愕する……。
何故なら、その長髪の男の眼が眩しく赤色に輝き出したからだ……!
すると、その赤色に輝いた瞳の色を見詰めながらドルネインは冷静に思案する。
〈【真実の目】……か。 と言う事は、この男は”心眼族”だったのか……。 少々厄介だが、俺の敵では無ぇな……〉
やがて、長髪の男が納得したかの様な表情を浮かべると、そのままアモンに目掛けて剣先を突き立てた……。
「ほぉ~? 悪いな坊やぁ〜? どうやら俺は、坊やの事を”殺さなくてはいけない”みたいだからねぇ〜♪」
「な……何をッ!?」
〈仕方ねぇなぁ〜。 この場面は俺様の”出番”だな……〉
すると、溜息を吐きながらドルネインが剣先を突き立てている長髪の男と怯んでいる様子のアモンの間に割って入った。
「あぁ〜? なんだぁ〜、お前ぇ〜? もしかして、そのガキを守ろうとしてんのかぁ〜?」
「ド、ドルネイン……さん?」
「離れていろアモン。 此処は俺に任せておけ。 んで、其処の苛つく顔をしている長髪のお前……。 さっき発動した”スキル”でアモンの変装を見抜いたんだろう……?」
すると、そのドルネインの言葉を聞いた長髪の男は、高らかに笑うと、そのまま拍手をしながら返答する。
「ふははっ、ご名答〜! 流石は、《夢幻旅団No.13》の実力を誇る『ドルネインさん』ですねぇ〜?」
「おぉ〜、何だよちゃんと俺の事も知ってるんじゃねぇかよ?」
「然し、そのドルネインさんが”子守り”とはねぇ〜? 情けない話だと思わないかい〜?」
「あ? なんだとぉ……?」
すると、アモンとドルネインが長髪の男の言動に気を取られている隙に、もう一人の寡黙な男がアモンに向かって猛スピードで思いっ切り突進して来ようとしていた……!
「なっ! 危ねえぞッ! アモンッ!」
「……ハッ! ドルネインさん……っ!」
〈チッ、鈍臭いガキだぜ……ッ!〉
ドゴーーーン!!!
アモンは、唐突な出来事に対応出来ずに思わず目を伏せながらその場に立ち尽くしていた……。
「……んっ? ……あれ? 何ともない?」
「大丈夫か、アモン?」
死を覚悟しながら目を瞑ったアモンが、ゆっくりと目を開けると、其処には寡黙の男の”突進攻撃”を両手で防いでいるドルネインの姿があった。
「ド、ドルネイン……さん!」
「……俺の事は気にすんな。 売られた喧嘩は買うまでさ……。 丁度、苛ついていた所だ……」
寡黙な男とドルネインの拳と拳がぶつかり合った衝撃で、次第に辺りにバチバチッと火花が散り始めた……!
「ほぉ……やるな。 流石は、かの有名な夢幻旅団のNo.13の称号を持っているだけの事は有るな……」
「……ヘッ、テメェ如きのへなちょこパンチなんかで、アモンが殺されちまった日にゃあ、俺の方が魔王ベルファスに殺されちまうかも知んねぇからなぁ……ッ!」
「ドルネイン……さん……」
「ほぉ、魔王ベルファス……。 ドルネイン、どうやらお前は俺達”人類の敵”の様だな……」
「へっ、何とでも言いなぁ。 おい、アモン。 お前は一旦此処から逃げろ。 コイツ等の相手は”俺一人”で充分だぜぇ……」
「で、でもっ……!」
〈ったく、良いから黙って俺の言う事聞いとけよアモン……〉
「うへへッ! そ〜んな呑気に話していると、俺が先にアモン君の事を殺しちゃうよ〜んっ!」
すると、長髪の男が、狼狽えているアモンに向かって急激に迫り寄って来る……!
「……ひっ!」
「おい待てッ! アモンより先に、俺と相手しろよお前等ッ!」
「フッ、それは無理な相談だなぁ。 何故なら、俺達は……《魔族抹殺連盟の一員》だからなぁ〜?」
〈んなッ!? マジか……〉
長髪の男は、魔族抹殺連盟に加入している事を示す、”襟章”をドルネインとアモンに見せびらかすと、自慢気に微笑んだ。
「そうか……なるほどなぁ! そういう事かよ畜生ッ! おい、アモン! だったら今直ぐに俺の後ろに隠れていろッ!」
「は、はいっ! ドルネインさん……!」
「ヘヘッ、逃がすかよぉッ♪」
軽やかな動きで長髪の男は勢い良く、剣をアモンに向かって振り下ろした。
ビュンッ!
「うわわっ……! 危なッ!」
「チッ、すばしっこい坊やだぜぇ〜♪」
アモンは、長髪の男の攻撃を間一髪で避けると、直ぐ様ドルネインの背後にへと回り込むとドルネインはホッと胸を撫で下ろした。
「……ふぅ~。 危機一髪でした……っ!」
〈ったく、ヒヤヒヤさせやがって……ッ!〉
「くそっ、避けられっちまったぜぇ〜♪ この、『悪魔狩りギフン』様が、しくじるとはなぁ〜♪ さてと、どうすっかなぁ〜?」
ギフンと名乗った長髪の男は、寡黙な男に向けてニヤけ面で飄々としながら話し掛ける。
「落ち着けよギフン。 それなら、あのドルネイン諸共殺してしまえば良いんだ」
「……おっ! あぁ、そうだなぁ〜♪ ヘヘッ、ドルネインさんよぉ〜……? 少しは、俺達を楽しませてくれよぉ〜♪」
すると、そのギフンの言葉を聞いたドルネインが、呆れた様に、返答する……。
「はぁ? お前程度の”無名”じゃ、俺の足元にも及ばねぇよ」
「なんだとぉ〜? 俺が”雑魚”だとでも言うつもりかぁ〜?」
「あぁ、そうだけど? んじゃ、さっさと決着を付けんぞ」
ドルネインはそう言い放つと、悪魔狩りギフンの目の前に一瞬の間合いで詰め寄ると、今迄彼等にバレない様に密かに溜め続けていた、スキル【渾身の鉄拳】を発動しながら、ギフンの顔面を目掛けて力いっぱい殴り付けた……!
「グッバ〜イ。 ギフン。 良いお空の旅を〜」
「……ほえ? ブゴッッッ!!!???」
ズゴゴゴゴンッッッ!!!
「なっ、ギフンが”瞬殺”だと……ッ!?」
「あらら、見事な迄に”首から上”空に吹っ飛んじゃったねぇ〜……?」
ドルネインは邪悪な笑みを浮かべながら空を見上げて”血雨”を浴びる……。
〈後は、一人か……〉
ドルネインから放たれた最高威力の【渾身の鉄拳】を顔面にモロに食らった悪魔狩りギフンは、首から上が遥か彼方に吹き飛んで仕舞った……。
「うわわっ!? ド、ドルネインさん……ッ!? こ、”殺しちゃった”よ……この人ッ!?」
首無し遺体と化したギフンの身体が、大量の血飛沫を上げながら力無く倒れると、ドルネインは寡黙な男に向かって睨み付けた。
「後は、アンタを殺せば終いだ。 逃げんじゃねぇぞ? このドルネイン様に歯向かった報いを受けるんだな……」
ドルネインは、再び拳に力を溜め込むと、ズカズカと寡黙な男に向かってゆく。
然し寡黙な男は、その異常な光景を見ても、淡々とした口調でドルネインに語り掛ける……。
「そうか……。 まさか、あのギフンを殺すとは……。 流石は巷では”容赦の無い暴力男”と呼ばれているだけの事は有るな……」
「ヘッ、んな事より……名は何と言うんだ? 俺が、今殺したあの雑魚よりも、お前の方が強ぇと言う事は既に感じ取っていたぜ……。 さぁ、早く答えろよ……?」
「良いだろう。 特別に教えてやる。 俺の名は、ノンパ……『鉄人族のノンパ』だ……」
「こりゃあ驚いた。 散々、アモンに向かって魔族は人間にとって敵だと言っておいて、アンタも鉄人族と言う人間とは別の種族なんじゃねぇかよ。 へっ、とんだブーメランだなぁ?」
「黙れ。 我等”鉄人族”は、魔族等と言う薄汚れた血の種族とは根本的に違うのだッ!」
「なっ! そんな……魔族は、薄汚れた血の種族なんかじゃ……。 うぅ……っ」
すると、そのノンパの言葉を聞いたアモンは、落ち込んだように口を噤むと、その悲しそうなアモンの顔を見たドルネインが、苛つきながらノンパに問い掛けた。
「……アモン、アイツの言う事は気にすんな。 おい、ノンパ。 オメェが誇り高き鉄人族だとかどうとかは、もうどうでも良いからよぉ? んな事よりも、早くアモンに向かって”謝れ”や……」
「何故だ? 俺は魔族なんぞに一切謝る気は無いし、そもそも魔族に協力する不届き者も皆殺しにするつもりだ」
「へっ、そうかよ。 んじゃ、こっちも遠慮なくお前の事をぶっ殺せるな……」
「ふんっ。 何の躊躇いも無くギフンを瞬殺した者が今更何を言うか。 それで、お前の言いたい事はそれだけか? 最早お前に、パワーを蓄える時間をやるつもりは毛頭無い……。 此方も速攻で決着を付けさせて貰うぞ……!」
そう言い放つと鉄人ノンパは自身のスキル【鉄人ハンマーパンチ】の力を最大限に込めながら、そのままの勢いを利用してドルネインに向かって繰り出した……!
〈……ノンパ。 どうやらテメェも俺と似た”スキル”を持ってたみてぇだな? だったら、此処からは互いの”意地の張り合い”だなぁ……ッ!〉
「……うぉぉおおッッッ!!! 喰らえぇぇええ!!! ドルネインーーーッッッ!!! これがぁぁぁ俺の全力のぉぉぉ【鉄人ハンマーパンチ】だぁぁあああッッッ!!!!!」
「……は、速いッ! ドルネインさん……ッ! 逃げてぇぇええッッッ!!!」
尋常じゃないスピードで、鉄人ノンパの【鉄人ハンマーパンチ】がドルネインに襲い掛かった!!
……然し、ドルネインはその攻撃を一切避けるつもりが無かった。
「ヘッ! アモン、俺は”逃げねぇ”さ……。 良いぜ、受けてやるよぉッ!! ノンパ、テメェの全力って奴をなぁぁああッッッ!!!」
そう叫ぶとドルネインは天に拳を掲げながら、一瞬にして最大限の力を溜め込め終えると、鉄人ノンパに向かって思いっ切り叫ぶ。
「テメェの拳が強えかぁぁああッッッ!!! 俺の拳の方が強えかぁぁああッッッ!!! ッ勝負だぁぁぁあああッッッ!!!!! テメェも喰らぇぇええッッッ!!! 俺の【渾身の鉄拳】をなぁぁぁぁああああッッッ!!!!!」
「だ、大地が揺れている……っ!?」
ドゴォォオオンッッッ!!!
二つの凄まじい威力がぶつかり合った衝撃によって、周囲に瞬間的な地震が巻き起こった……!!!
すると、近くに居たアモンがドルネインと鉄人ノンパから発せられる凄まじい衝撃波によって、数10メートル程先まで吹っ飛ばされる……!!!
「うわあぁぁぁ〜〜〜ッッッ!!!」
然し、ドルネインは吹っ飛ばされるアモンに見向きもせずに、鉄人ノンパに対して不敵な笑みでガンを飛ばし続けている……!!
「へへ、どうした? もう苦しそうな顔を浮かべてんじゃねぇか?」
「グッ、良いのか……? あの子供の魔族の心配を……しなくて……」
「あぁ? 何言ってんだテメェ? ……俺との勝負の最中に、”余計な事”を考えてんじゃねぇよぉぉおおッッッ……!!!」
すると、段々とドルネインの【渾身の鉄拳】の威力が上がって来ている事に、鉄人ノンパは気付く……!!
「……!? ばっ、馬鹿な……ッ!? 何故っ、これ以上威力が上がると言うんだ……ッ!? お前が、これ程までのパワーを溜める時間は……与えなかった筈だろッ!?」
そのノンパの疑問の言葉を聞いたドルネインは、ニヤリと下劣な笑みを浮かべながら”ラストスパート”を掛ける。
「ヘッ、テメェは俺のスキルの効果を少し”勘違い”してるみてぇだなぁ……ッ!! 俺の拳はなぁッッ!! 攻撃の最中でさえも、力を溜め続ける事が……出来んだよぉぉぉおおおッッッ!!!!!」
「なっ、何だとおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッッッ!!!!!!!」
「おっしゃーーーッッッ!!! こいつでトドメだぁぁぁぁぁぁああああッッッ!!!!! 鉄人ノンパぁぁぁぁぁぁああああッッッッッッ!!!!!!」
「そ……そんな馬鹿なぁぁぁあああッッッ!!!???」
ズゴォォオオンッッッ!!!
そして、周囲に爆音を響かせながら、最大級の半端ない威力を誇るドルネインの【渾身の鉄拳】が、鉄人ノンパの【鉄人ハンマーパンチ】を打ち砕くと、そのままの威力で鉄人ノンパの身体諸共粉砕した……。
「ぐが…………………がッ」
「ふぅっ……。 終わったな」
鉄人ノンパとの闘いに勝利したドルネインは、飛ばされたアモンの下へと駆け寄って行く。
ドルネインの周りには、先程の衝撃波によって数10メートル程先にまで吹っ飛ばされた首から上が無いギフンの死体と、頭を打って気絶寸前のアモンと、ドルネインに依って粉砕されたノンパの残骸が散らばっていた……。
「おーい、大丈夫かー? アモーン?」
「うぅ……。 な、何だか頭がズキズキしますけど……一応大丈夫です……。 えっと、勝ったんですか……ドルネインさん?」
「あぁ、割と楽勝だったがな? んでもなぁ〜。 結局、二人殺しただけで、特に成果を上げられなかったぜ……。 今度は手当たり次第じゃなくて、まともそうな思考をしている奴に話し掛けるとするか……」
「はい……そうですね、ドルネインさん……。 じゃあ、ちょっと魔王様に魔族抹殺連盟の二人を倒した事を伝えますね……」
「……あ〜っと因みに、ついカッとなって魔族抹殺連盟の奴等を殺しちまったが、魔王ベルファス的には……その〜。 お、俺の行動の事は許してくれるのか……?」
そのドルネインの質問に対して、アモンが悩みながら答えた。
「まぁ……僕達も殺されそうになりましたし、取り敢えず……”正当防衛”と言う事で許して貰いましょうか! なので、安心して下さいドルネインさん!」
「いや、普通に”過剰防衛”だと思うがなぁ……。 まぁ、許して貰える事に越した事は無いがなぁ……」
決死の戦いを終えた、ドルネインとアモンは再び……今度は、ちゃんと話しを聞いてくれそうな人を探すのであった!
【現在位置】
【楽園の大地エクラン、ビュルクナー平原】
【現在の日時】
【4月7日 16時0分 春】
【脱獄犯ドルネイン】
【状態】:健康
【装備】:黒と黄色のシマシマ模様の囚人服
【道具】:無し
【スキル】:渾身の鉄拳
【思考】
1:今度は話し合いで解決出来そうな相手を探すかぁ……。
2:アモンを庇いながら戦うのは大変だからなぁ……。
3:ま、売られた喧嘩は買うがな?
【基本方針】:魔王ベルファスに従う。売られた喧嘩は買う。
※鉄人ノンパと、悪魔狩りギフンを殺害しました。
【悪魔アモン】
【状態】:疲労
【装備】:人間の変装服
【道具】:拘束縄
【スキル】:魔王様へのテレパシー
【思考】
1:然し、ドルネインさん凄いなー……。
2:あれだけの力を使ったと言うのに、まったく疲れてる様子が無い……!
3:僕は、とんでもない人を監視しているのでは……?
【基本方針】:魔王様の言う事は絶対厳守。ドルネインを監視する。
【悪魔狩りギフン死亡確認】
【鉄人ノンパ死亡確認】




