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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第一章 各々の思惑が始まる一日目
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第二十七話 無限溶接 〜大宮座衛門編〜


〜大宮座衛門の視点〜


――――街チーマ、鍛冶屋――――【現在時刻、14時48分】



 鍛冶屋の中で、悩ましそうにウロチョロしている座衛門は、ふと壁に”一枚の張り紙”が貼られている事に気が付くと興味深そうに視線を向けた。


 「むむ? ちょいと、店主殿? この好きな武器を”溶接”とは、一体どの様なサービスで……?」


 座衛門は、鍛冶屋の張り紙に書かれている文字を読み上げながら、ハチマキを頭に巻いている鍛冶屋の店主に向かって問い掛けた。


 「おっ、お客さん! ヘヘっ、中々に”お目が高ぇ”や〜っ! そのサービスは、俺のスキル【無限溶接】を用いる事によって、提供出来るサービスなんだぜぇ〜?」


 すると、その鍛冶屋の店主が言い放った”スキル”【無限溶接】と言う言葉が気になった様子の座衛門は、直ぐ様そのスキルの詳細を聞いた。


 「ほう、無限溶接とな? それは、一体どの様な効果を持つスキルなので御座いまするか?」


 「んーとな……。 お客さんにも分かり易く説明する為には、この場で”実践”するのが手っ取り早いんだが……。 おっ! お客さんったら、”丁度良いもん”を持ってんじゃねぇかよ!」


 鍛冶屋の店主は、座衛門の懐からハミ出している”シール”に指を向けた。


 「む、これで御座いまするか?」


 座衛門は、鍛冶屋の店主から指を差されている懐から、シールを取り出して見せ付けると、鍛冶屋の店主は笑顔で頷いた。


 「あぁ、それの事だよお客さんっ! シールを持ってるって事は、お客さんは”別の世界”から来た人だね?」


 「えぇ、左様ですとも。 それで、この”美乳剣舞のミニキャラ達が可愛らしく描かれているシール”が何か?」


 すると鍛冶屋の店主は、ヘヘっと微笑みながら鼻の下を擦ると、自身のスキルの効力の説明をする。


 「へへへ、お客さんが持っている”シール”って奴は、”粘着力”が無くなっちまったら、直ぐにベロンと剥がれちまうが、この俺の力を使えば、そのシールでさえも、タチマち一生剥がれない産物に生まれ変わるんでい〜ッ!」


 〈ほぉ〜! それはそれは、素晴らしい話で御座いまするな〜!〉


 鍛冶屋の店主から、その話を聞いた座衛門は思わず感心する。


 〈一生剥がれないですか……。 ならば、この某が持っている剣のレプリカに、このシールで”デコレーション”でもして貰いましょうぞ……ッ!〉


 「ん? どうしたんだいお客さん? 急に剣のレプリカなんで見詰めちゃって?」


 「いえ、この某が持っている剣のレプリカに、このシールを綺麗に”溶接”して下さらぬかと思いましてなぁ?」


 「おっ、成程ッ! 俺のスキルの見せ所ってこったなッ! よーーしッ! チョチョイっと、一瞬にしてくっつけちゃうぜぇ〜ッ! ハァーーーッッッ!!」


 すると鍛冶屋の店主は、座衛門から手渡された剣のレプリカの上に、ペタペタと美乳剣舞のミニキャラ達の絵が描かれているシール数枚を、一生剥がれない様に丁寧な手付きで溶接しながら貼り付けていく。


 〈ほほぉッ!? こ、これは凄いですぞぉ〜っ! まるで、最初から剣に描かれてたかと錯覚する程迄に、全く違和感無く美乳剣舞のミニキャラ達が見事な迄に剣に溶け込んでいますぞぉ〜ッ!〉


 「ヘイ、お待ち! これで、どんなに爪で剥がそうとしても、一切剥がれるこたぁねぇぜッ!」


 鍛冶屋の店主から、”美乳剣舞の剣”を受け取ると、座衛門は目を爛々と輝かせる。


 「おほーーっ! これは最早、”痛車”ならぬ”痛剣”ですなぁ〜っ!」


 座衛門は、念の為に爪でガリガリっと剣に貼られたシールを剥がそうとするものの、剣に溶接させられたシールは一向に剥がれる気配が無かった。


 「おぉ〜ッ! これは驚きで御座いまするッ! 本当に、まるで初めからくっついていたかの様に、完全にコビリ付いているで御座いまするよぉぉおおッッッ!!??」


 今迄の人生の中で、まるで経験した事のない程の”不思議な力”を目の当たりにした座衛門は、思わず驚嘆の声を上げる。


 「ヘヘ、どうだい! 気に入ってくれたかい! しっかし、このお客さんが持ってる剣のレプリカって、まともに斬る事も出来なさそうだが、一体何故こんなもんを持ってたんでい〜?」


 すると、その鍛冶屋の店主からの問い掛けに対して、座衛門がニヤリと笑いながら答えた。


 「ふっふっふ……。 実は、この剣のレプリカでさえも、某にとっては”立派な武器”になるので御座いまするよ……。 何故なら、某のスキルは……【熟練の百戦錬磨】と言ってですな……? 詰まり、このスキルを使えば、どんなナマクらだろうとも、タチマち”名刀”にして仕舞うので御座いまするよ……!」


 すると今度は、その座衛門の話を聞いた鍛冶屋の店主の方が驚嘆の声を上げた。


 「な、何だってぇッ!? じゅ、【熟練の百戦錬磨】だとぉッッ!? ちょっと、その”スキル”を俺にも見せてくれねぇかぁッ!?」


 〈おやおや、中々に良い反応をして下さいますなぁ〜っ! そんな反応を示されては、某も段々とやる気に満ち溢れてくるってモンですぞ〜っ!〉


 テンションが上がって来た座衛門は、鍛冶屋の店主に自身のスキルの効果をお披露目する為に、この場で斬っても良い物を確認する。


 「ふふっ、それでは店主殿? 早速この場にて、何か斬っても宜しい物が御座いますでしょうか?」


 すると、鍛冶屋の店主は店裏に置いてあった”木の板”を急いで持ってくると、それを座衛門に手渡した。


 「ヘヘ、それならこの、木の板を斬ってみてくれねぇか? そんな剣のレプリカなんかじゃあ、本来なら到底斬れるとは思えねぇが、【熟練の百戦錬磨】なら、本当に斬れるんだよなぁ……ッ!?」


 と、鍛冶屋の店主から木の板を手渡された座衛門は、ニヤリと微笑むと、木の板を地面に置きながら剣先を真上に構えた。


 「うむ、宜しいでしょう。 こんな木の板なんぞ、一瞬で斬って御覧に入れましょうぞ……ッ!」


 カッと目を見開いた座衛門は、軽く力を込めながら剣を素早く振り下ろした。


 バキッ!


 「おぉ……! マジ……か……っ!」


 〈まぁ、ザッとこんなモンでしょう。 恐らく、これからもこの”美乳剣舞の痛剣”が、我が愛剣と成る事でしょうな……!〉


 ものの見事な迄に、真っ二つに割れた木の板を見た鍛冶屋の店主は驚きの声を上げる。


 「こりゃスゲェや……! マジで真っ二つに斬れてやがんぜ……! 決して、力任せに叩き割ったとか、そう言う風には見えなかったから、ガチのマジだぜ……ッ!」


 「フッフッフ。 左様で御座いまするよ。 そもそも、某はこのスキルを使わねば、幾ら力任せに叩いたとしても、ヒビすら入れる事が出来無い程に”非力”ですからな……!」


 「いや、それは別に自信満々に言う事じゃねぇとは思うが……。 まっ、それでも、そんな貧弱な男だとしても、【熟練の百戦錬磨】っつースキルを習得しちまえば、タチマち”剣の名手”になる事が出来ってこったなぁ〜っ!」


 「うむ、詰まりそう言う事で御座いまする! 某は、このスキルの御蔭で、この何の変哲も無い剣のレプリカでさえも、某にとっては”立派な武器”に生まれ変わるので御座いまするよ……ッ!」


 座衛門は、美乳剣舞の痛剣を天に掲げながら、静かにほくそ笑んだ。


 「なっるほどな! 確かに、そう言うスキルを持ってんだったら剣のレプリカだろうと大丈夫だな! んで、話は変わるが、実は”溶接代”ってのが有るんだが……?」


 鍛冶屋の店主は、”溶接のサービス料金について”と書いてある張り紙を何処からともなく取り出すと、それを座衛門に見せ付ける。


 すると、それを見た座衛門は、ふと疑問に思った事を鍛冶屋の店主に問い掛けた……。


 「おや、其の事は壁に貼られていた張り紙には一切記載されておりませんでしたがねぇ……? ふむ、どうやら溶接には”金貨三枚”が必要と書いてあるで御座いまするが……。 もしや、某に金貨三枚を払えと?」


 〈某は、金貨を”二枚”しか持っておらぬ故、この場で金貨三枚を支払う事は出来そうも有りませぬなぁ……〉


 と、座衛門が頭を悩ませていると、鍛冶屋の店主がニコリと優しく笑った。


 「まぁ、お客さんには面白ぇもんを見せて貰ったから、特別に金貨一枚分を割引すっから、お客さんが支払うのは金貨二枚でも良いからよ?」


 鍛冶屋の店主は、満面の笑みを浮かべながら、座衛門に向かって金貨二枚を図々しく要求する。


 〈成程、恐らくこの店主殿は、某が金貨二枚しか持っていない事を”見抜いて”おられますな? なんとまぁ、足元を見られた気分ですなぁ……〉


 その店主の憎たらしい顔を見た座衛門は、内心諦めたかの様に口をツグむと、仕方なく金貨2枚を店主に支払った。


 「うむむぅ……。 何だか良い様にボッタクラれている様な気が致しますが、これも一つの経験で御座いまするな……。 まぁ、良いでしょう。 ほい、金貨二枚で御座いまする……」


 座衛門は、これも人生経験の為には必要な事だと覚悟を決めると、金貨二枚を惜しげも無く鍛冶屋の店主に手渡した。


 「ヘヘ、お客さんッ! 毎度あり〜ッ!」


 鍛冶屋の店主は、何度も何度も頭を下げながら、ニンマリと笑みを浮かべると、そっと座衛門に"無料の袋"を手渡した。


 「おや、これは?」


 「ヘヘっ、この袋は無料でお客さんに配ってるサービス品だから、遠慮なく受け取ってくれや!」


 「おおっ! では御言葉に甘えて有り難く頂きまする!」


 すると鍛冶屋の店主が、座衛門に無料の袋を手渡す際に、ふと座衛門が手にしている”痛剣”の事を見詰めながら、とある事を問い掛ける。


 「いやぁ〜、然し……。 その、お客さんの剣に貼ったシールのキャラクター達は、一体なんの《アニメ》が元なんだい〜?」


 すると、鍛冶屋の店主からアニメと言う単語が発せられると、座衛門は慌てて店主に聞き返した。


 「むむっ、もしやこの世界にも、アニメと言う概念が存在するのですか……ッ!?」


 「うおっ! 急になんだい、お客さん! もしかしたら、なんか俺が変な事でも言ったのかい!?」


 「いえいえ、因みに説明しておくと、このシールのキャラ達は、《美乳剣舞》と言うゲームやアニメのキャラ達で御座いまするよ」


 「ん〜? 美乳剣舞ねぇ……? 確か、お客さんは別の世界からの人間だろ? 折角だから、俺にも美乳剣舞って奴の”魅力”を教えてくれよっ!」


 「ふっふっふ……。 ですがその前に、逆にこの世界で流行している”アニメ作品”の名を聞いてみても宜しいですかな?」


 すると、鍛冶屋の店主は意気揚々と異世界で流行っているアニメ作品の名前を教えてくれた。


 「んっとな……? えっと、確か人気な奴だと《底辺ゴブリンの天地革命》とか、《悪役プリンセスに制裁を……!》とか、《最強スキルなのに村人Aに敗北しました。》とか、色々巷では流行ってるぜぇ〜!」


 すると、その鍛冶屋の店主から作品の名を聞いた座衛門は、不思議そうに考え込んだ。


 〈ほぉ……? 予想通り、どれもこれも某が聞いた事も無い作品ばかりですなぁ……〉


 〈さてと。 それでは、この世界にも”美乳剣舞の素晴らしさ”を御教えしなくてはなりませんなぁ〜……ッ!〉


 と、思い立った座衛門は、先ず手始めに鍛冶屋の店主に美乳剣舞の素晴らしさを布教する事にした。


 「ふっふっふ……。 それでは、改めて某が美乳剣舞の素晴らしさを詳しく余す所なく詳細に手取り足取り、店主殿に説明して差し上げますからねぇ〜……? ふっふっふ……」


 「な、なんだい、お客さんッ! そんな、不敵な笑みを浮かべて……!?」


 「其方も、”堕ちる”のですよ……。 美乳剣舞の”沼”にね……」


 こうして、座衛門はこの世界に美乳剣舞を流行らせる為の”第一歩”を踏み出したのであった……。



【現在位置】

【鍛冶屋】


【現在の日時】

【4月7日 15時3分 春】



【大宮座衛門】

【状態】:熱心

【装備】:眼鏡 侍のコスプレ服 美乳剣舞の痛剣 旅人の袋

【道具】:シール50枚 

【スキル】:熟練の百戦錬磨

【思考】

1:矢張り、敵同士であった死裏凜華シウラリンカ殿と罪亜花蓮ザイアカレン殿との和解のシーンは、涙無しでは語れまい……。

2:男勝りな、暁朱音アカツキアカネ殿が主人公殿の手に、ちょこんっと当たる瞬間に、一瞬だけ頬を赤らめる胸キュンポイントは正に必見で御座いまするよッ!

3:紅頼子クレナイヨリコ殿が、自分の貧相な胸をぐっと押し寄せて少しでも大きく見える様に奮闘するシーンはエチエチで堪らないで御座いまするなっ!

【基本方針】:ハーレムを創る。異世界で美乳剣舞を流行させる。トラックの運転手を成敗する。

※鍛冶屋の店主コテツの御蔭で、理想の剣を手に入れる事が出来ました。



【鍛冶屋の店主コテツ】

【状態】:感心

【装備】:鍛冶屋の作業服 鉢巻 双翼の腕章

【道具】:作業道具色々

【スキル】無限溶接【効果】:どんな物でもそのままの姿で無限に溶接出来る。例えば水や火や空気等の掴めない”自然の物”でも一切関係無く自由自在に溶接出来る。

【思考】

1:なるほどな……。 確かに和解シーンは最高の展開だよなぁ……。

2:いいねぇ……。 男っぽい女が時折見せる”雌の顔”……そりゃあ最っ高だな!

3:ほほぉ〜、貧乳っ子の頑張り程応援したくなる物は中々ねぇよな〜っ!

【基本方針】:美乳剣舞の事をもっと詳しく知りたい。

※美乳剣舞と言う名の作品に、心を奪われかけています。

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