引っ越し
中学最後の春休み、突然引っ越しが決まった。
引っ越し先は地元の「あずき町」だ。
緑が多くて空気が美味しかった記憶がある。
数十年ぶりに地元に帰ってくると思うと、なんだか不思議な気持ちになった。
ずんだ幼稚園のみんなは、、元気かな。
ソワソワした気持ちで僕は春休みを過ごした。
そして、入学式前日に引っ越しをした。
数時間でかなり部屋は落ち着き、夕方ベッドでくつろいでいた。
ふと僕はぴかぴかな制服を見て、明日が楽しみだと感じて眠りについた。
ピピピピピッ
アラームの音が耳に鳴り響く。
僕は重い体を起こしながらアラームを止め、身だしなみを整えて新品の制服に腕を通した。
カーテンを開けると、眩しい朝日が差した。
これから新しい生活が始まると思うとわくわくして、家を飛び出した。
高校の正門をくぐり抜け、昇降口に入った。
クラス表は廊下に貼られているらしく、目の前が人でいっぱいだった。
ゆか「うわぁ、、顔なじみいるかな、、」
僕は人がすくまで少し待って、クラス表をまじまじと見た。
すると、「浅木朋紀」という名前が目にとまった。
浅木朋紀、僕の幼なじみの一人だ。
どうやら僕と同じクラス、、らしい。
僕は幼なじみとの久しぶりの再会で、少し不安だった。
ゆっくりと教室のドアを開け、あたりを見渡す。
するとほとんどの人がもう席についていた。
新しい生活でワクワクしている人も、緊張している人も、もう友達ができている人もいた。
ゆか「、、ぁ」
沢山の人を見ていたら、例の幼なじみ、「浅木」が目に入った。
僕のコミュ障が発動し、話しかけられなかった。
なんだか気まずくて僕は急いで自分の席に座った。
嘘だろ、、、、
浅木の隣の席なんだけど、、、
気づきませんように、、、
浅木は僕の方をちらっと見た。
すると浅木が僕の方を向く。
僕は慌てて窓の方を見た。
てか窓際の席とか最強でしょ。
そんな事を考えていた。
キーンコーンカーンコーン
一人でアセアセしていると、あっという間に授業が始まるチャイムが鳴った。
担任「えーと、今日から1年間よろしくな。まずは自己紹介だ。」
、、、僕の大嫌いなイベント第3位が今始まろうとしている。
出席番号順にどんどんみんなが自己紹介していく。
するとすぐに浅木の順番になった。
浅木「あ、、えと、、
浅木、です。えっと、なかよく、、してください。」
浅木は小さなお辞儀をしてすぐさま席についた。
、、そしてついに自分の番が来た。
ゆか「白崎由花っていいます、、趣味は、、読書です。お、お願いします。」
よっしゃ!!!コミュ障にしてはよくやった!!!
僕は安心して席に座った。
横を見てみると、僕を見て驚いている浅木と目があった。
ゆか「ぁ、、」
僕も驚きすぎて周りの声が突然聞こえなくなった。
浅木「、、、、お前、」
ゆか「えっと、、浅木、、??ひ、、久しぶり、、」
みんなが自己紹介をしているとき、僕たちは目を合わせて驚いている。
浅木「、、、引っ越したんじゃねぇの」
ゆか「え、っとね、またこっちに戻ってきたんだ、、あはは、、」
りん「西村りんですっ!!好きなものはK-POP!!仲良くしよっ!」
僕が気まずそうに苦笑いをすると、突然とんでもなく大きな声が響いた。
西村りん、、??
あ、小学校の頃一緒だった子だ。
でもすぐ転校してどこかにいっちゃったと思ったら、、ここの高校だったんだ。
キーンコーンカーンコーン
しばらく自己紹介は続き、教材に名前を書いたり、クラス目標を決めたり、一通りやることがなくなってちょうど、授業終わりのチャイムが鳴った。
浅木は僕の方をチョンチョンとつついた。
僕はびっくりして肩を震わせながら、振り向いた。
浅木は恐る恐る僕に言う。
浅木「、、今日、一緒に帰らねぇ?」
一瞬浅木と目があったが、すぐにそらされてしまった。
ゆか「あ、、うん、いいよ。」
僕は疑問を抱きながらも了承して、帰りの支度を始めた。
ゆか「っ、おまたせ、、」
浅木「おう。いこうぜ」
そう言って浅木と僕は歩き出す。
特に会話も何もしないで歩き続けていたため、少し気まずかった。
重苦しい雰囲気にも、帰り道には懐かしさがあった。
ゆか「浅木、、げ、元気してた、、?」
僕は緊張して裏返りそうな声で聞く。
浅木「、、おう。」
浅木は昔、すごくおしゃべりだった。
ものしりで、生き物のことをたくさん教えてくれた。
なのに今は口数が減って、周囲を警戒しているように見えた。
、、あっという間に自分の家に着いてしまった。
ゆか「あ、、僕ここだから。」
浅木「、、、俺ここ」
浅木はすぐ隣の家を指さした。
、、、え、こんな偶然ってあるの???
ゆか「あぁ、、そうだったんだ。じゃあ、また明日。」
僕は小さく手を振って、浅木に背を向けた。
ゆか「ただいまー、、、」
僕はゆっくりドアを開ける。
母「おかえりなさい。ご飯できてるわよ。」
母が振り返って僕に声をかける。
ゆか「ありがちょーん」
僕はお礼を言ってから、ご飯を自分の部屋に持っていった。
僕は作業(絵を描く)しながらご飯を食べる。
行儀悪いって??うるせぇ!!!
僕はふと自分の部屋にある窓を見る。
ちょうど窓から隣の家の中が見えてしまうんだった。
僕は好奇心で隣の家をこっそり見てみた。
そこには、真っ暗な部屋で1人うずくまっている浅木がいた。
え、、は、、????
僕は驚いて思わず声を出してしまった。
ゆか「ゲホッ、、ゴホッ」
びっくりしすぎて喉に飯が引っかかってしまった。
まずいっ、、肺がかなり傷ついてるのに、、っ
母「ゆかっ?!」
ゆか「ゴホッッゲホッ、、う、、」




