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幼女聖女 〜ぷにぷにほっぺ聖女の冒険譚〜  作者: ポムの狼
第二章「バディ」

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9/18

第9話 はじめまして、弟子のクッカです

「先生、私のバディはどこにいるのです?」


 クッカは再び肩車をされ街の中を移動中である。頭上からヘンリクに話しかけた。


「君のバディは勇聖学園にいるよ」


「勇聖学園?」


 クッカの知らない学園だった。


「勇聖学園のことは知らないか。君のお父さんは通ってなかったからなぁ」


「先生、教えてください」


「もちろんだよ。勇聖学園っていうのは、勇者や聖女になりたい児童生徒が集まる学園なんだ。一般教養から冒険の知識、武術や魔法の勉強をする学校だよ」


「ん? 先生、勇者や聖女は姫巫女の神託で選ばれるんですよね? そんなとこ通って、意味あります?」


 クッカはヘンリクの頭上で頭を捻った。


「姫巫女の神託では、武術や魔法が実戦レベルまで使えるようにならないとそもそも選ばれないと言われているんだ。だから、一般人が急に選ばれるようなことは絶対にない。勇者や聖女になりたい人は、神託で選ばれるように鍛えないといけないんだ」


「あぁ、なるほど。そのための学園ということですね」


「そういう事。大抵の勇者や聖女は学園の卒業生だ。かく言う私も学園の卒業生。そして君のバディは現役の学生だ。歳は十二歳で、2カ月前に勇者の神託を受けたんだよ」


「十二歳かぁ……」


 クッカは自分のバディの姿を頭の中で想像しようとしたが、十二歳の子供がどのくらいの身長があるものなのかクッカには分からず、いまいち想像できない。

 どんな人物なのか、クッカは緊張で心臓の鼓動が速くなるのを感じた。



 ※



「さぁ着いたよ。ここが勇聖学園だ」


「わぁ!! おっきい!!」


 勇聖学園には大きな芝生のグラウンドと、赤茶色の大きな校舎があった。生まれて初めて学校という物を見たクッカは大興奮だ。猿のようにヘンリクの肩から降りて、グラウンドを走り回った。ひと通り走り回ったら、芝生の上を前転でごろんごろんと転がる。

 ひと通り芝生を堪能したところでクッカは我に返った。


「は! 先生、ごめんなさい……遊んじゃいました……」


「いいよ。気は済んだかい? クッカがしたいなら好きなだけ遊んだらいい」


 ヘンリクはクッカが幼くして聖女に選ばれたことを気の毒に思っていた。他の子供と同じような幼少期を過ごせないであろうクッカに少しでも子供らしくさせてやりたいのだ。


 校舎からチャイムの音が聞こえて、生徒が校庭に出てきた。


「あ、クッカ。次の授業で校庭を使うみたいだ。邪魔になってしまうかもしれないから、こっちにおいで」


 ヘンリクに呼ばれてクッカはヘンリクの所へ戻った。一緒に手をつないで、校舎へと続く道を歩く。


 校庭を歩く生徒たちはクッカとヘンリクのことが気になるらしくチラチラと見てくる。


 そんな中、一人の女子生徒がヘンリクの顔を見て駆け寄ってきた。何歳かまではクッカには分からなかったが、クッカより結構背が高いので十歳は超えているのかもしれない。


「こんにちは! もしかして、氷の勇者のヘンリク様ではないですか?」


「こんにちは。そうですよ」


 女子生徒の目が輝いた。


「私、大ファンなんです!! 私もヘンリク様みたいになりたくて氷魔法を勉強してるんです!!」


「そうなんですね。頑張ってください」


 ヘンリクは少し困った顔をしながらも大人の対応をした。


「この子は娘さんですか? 可愛いですね」


 女子生徒はクッカのほっぺをぷにぷにした。


「娘ではなく、弟子です」

とヘンリク。


「はじめまして、弟子のクッカです」


「え……クッカ…… クッカって、もしかしてこないだの神託で聖女に選ばれたっていう……」


 クッカは防具屋で覚えたカッコいいポーズを披露した。

「はい。私がそのクッカです」


(決まった……)


 クッカはカッコいいポーズが決まり、満足気だ。


 女子生徒は自身の口を押さえて悲鳴にも似た声をあげた。

「えぇぇぇ!!! 五歳児だって噂は聞いてたんですけど、ほんとだったんですね!!

 アーロ!! あなたのバディがここに来てるわよ!!」


 女子生徒の大きな声で、校庭中の注目を集めていたが、女子生徒は更に一人の人物を呼んだ。


 アーロと呼ばれた少年は女子生徒の声で振り返り、クッカを見た。アーロは鬼のような形相でクッカを睨んでいた。



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