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Hero and Heroine ONLINE 〜エロゲ世界の名も無きモブキャラ〜  作者: むつきばな
第1章【モブキャラ、エロゲ世界に転生す】
10/22

008 口喧嘩してやんよ

なんでまだ入学式迎えてないんですかねー?

(仕事のストレス!突然の思いつき!軽快にキーボード叩き出す指!!)

魔導研究学園都市。


日神国の東西に1つずつ作られた魔導研究の為だけにわざわざ国主導で整備された都市で、国内の魔導研究の最先端を進む場所だ。


東の桜花魔導研究学園都市、通称が桜花市。国内外問わず様々な技術を取り入れ、新しい技術を用いた魔法や魔道具についての研究を主に進めている。


西の菊花魔導研究学園都市、通称が菊花市。日神国に古来より伝わる魔法や魔道具についての研究が主に進めている。


これだけ聞くと、東西の学園都市って仲が悪いんじゃないかって印象を受けるでしょ?革新派の東に保守派の西みたいな感じで。


でも実は仲は悪くない。都市運営をしてたら整備した土地の特色がそれぞれ出て来た、無理に修正することなくそのまま研究や研鑽を続けてた結果らしい。


実際、合同研究を行う場合もあるし。毎年お互いに集まって研究発表をしたり、各々の都市の学生が交換研修みたいなこともしてたりするくらい仲良しだったりする。


で、今回俺が入学するのが『Hero and Heroine ONLINE』の舞台であり、日神国東の魔導研究の最先端である桜花魔導研究学園都市、その中心を担っている桜花魔導学園である。


…………ちなみに続編の『Hero and Heroine ONLINE 2』、通称α消毒液の舞台は菊花魔導研究学園都市の菊花魔導学園だったりするが、ここでは割愛する。


さて、イフちゃんに長々と魔導研究学園都市について説明したのには理由があるんだ。


学園に着いて入学式の受付を済ませたんだけどさ、ちょっと入学式まで時間があったからベンチに座って時間を潰してたんだ。


リュリュシャ以外のゲームの主要メンバーも見られるかも知れなかったし。


そしたらさー。


「だから!オレもわからないってさっきから言ってんだろうが!!!」


「白々しい!!じゃあ何であの女子生徒は泣きながら走り去ってたのよ!!」


あぁ、うん。


「それこそあっちに聞けよ!!」


「彼女にも聞くけどあんたが先よ!!」


さっきから、目の前で行われている俺と同じく新入生っぽい真新しい制服の男女の不毛なやり取りから逃げられなくなっててさ。


現実逃避ってやつだね!仕方ないね。


というか、なんでわざわざ俺が座ってるベンチの前で口論してんの?お前らが邪魔過ぎて逃げることも出来ないんだけど。


というか、本当にうるせえなこいつら。


様子見てた感じだと、何かこの大きくなったガキ大将みたいな茶色で短髪の男に小柄な女の子が話しかけに行ってたんだけど、何故か泣きながら逃げ出したのよ。


んで、それを見てたらしいこのキリっとした目付きの眼鏡かけた緑髪の女が茶短髪男に「さっきのはどういうこと!!」って話しかけてやがんの。


そして、そのまま俺の目の前で口論を始めましたとさ。


………………はぁ。


何で入学式前からこんなのに巻き込まれないといけないんだ……何か、イライラしてきたな。


ただでさえも昨日のリュリュシャの件で考えなきゃならんこと多いのに、お前ら何で俺の平穏を乱そうとするんだよ。


俺全く無関係なのに、本当にウザい。


本当に、こいつら2人とも…………


「………………キャンキャンとうるせぇな、死ねばいいのに」


おっと、思わず本音がぽつりと漏れてしまった。


「「……………………」」


ほら、本音が漏れただけだから騒ぐの止めてこっち見なくていいぞ。


もちろん、続けるならここじゃなくて別のところでやれ。


「あんたいま何て言ったの!?」


面倒くっさ、青筋立てたままこっちに見んなこっち来んな。


お前の相手は俺じゃなくてそっちの男だろ?


まぁいいや、流石にイライラしたから喧嘩売ったろ。


元ゲーセン民の煽りスキル(弱)を見せてやんよ。


「うるさいから死ねって言ったんだよ」


「周りの状況すら見えないガキなの?元気で騒ぐだけでいいお遊戯会がしたいなら幼稚園にでも行ってろ」


「さっきから無関係な俺の周りでぐちゃぐちゃ騒ぐな、うるさいし迷惑なんだよ」


「そもそも、「あの女子生徒」とか言ってるってことはお前……無関係なのにわざわざ首を突っ込んでんだろ」


「その男が何かやってようが、何もやってなかろうが最初から喧嘩腰で無関係なお前が話しかけたら反発されるに決まってんだろうが」


「何かしたいなら冷静に状況を見て行動しろ、無駄で無意味な正義感だけで場をかき乱すな」


「お前がいまやってることは、事態を無駄に大きくしているだけだ」


「もし、その男が本当に何もやってなかったらお前はどう責任を取るつもりだ?」


「お前がキャンキャン盛りのついた犬みたいに吠えたせいで周りの連中がこっちの様子を見てるんだよ」


「その上、事実確認すらしてないのにもその男が悪いと決めつけて大きな声で吠え続けてるし」


「さて、これで周囲からその男はどう見られることになったでしょうか?」


「入学初日から公衆の面前で女を泣かした最低野郎に仕立て上げられてる訳だけど」


「お前どうするつもりなの?それとも騒いでそこの男を貶めることが目的だった??」


「それは、おめでとうございます。目標達成で、ちっぽけな正義感を満たせてよかったですね」


「し、か、も、だ」


「これだけ騒ぎになったんだ、泣いてどっか行った女子生徒さんもさぞ注目されそうだなぁ?」


「そっちはどんな噂が建てられるのかな?」


「噂話が大好きな年代が集まる学園という場所だ」


「さぞや、面白おかしく尾ヒレに背ビレ、更には腹ビレまで加えられた話になりそうけど」


「ねえ、どんな気持ち?」


「お前のそのゴミみたいな価値観でカスみたいに後先考えずにこのクソみたいな状況作り出して」


「1人だけ気持ちよく正義の味方ごっこ出来ちゃうってのはさぁ」


「本当にどんな気持ちでやってんの?」


「気持ち良くなりたいなら今すぐ家に帰って1人で自分を慰めてくれないかなぁ」


さっきから見てた感じ、こういうタイプの女は言い返せる隙間があると言い返してくるので隙間を与えずに畳みかける。


よく考えなくても俺だって無関係だし、きっとブーメランも投げてる気がするけどイライラしたから仕方ないね。


もう言いたいことは全部言ってしまうのだー。


俺の前で騒いだ方がお前らが悪いんだ、だから『僕』は悪くないって裸エプロン先輩も言ってた。


さて、緑髪眼鏡女に言いたいことは言えたので……次はお前だ茶短髪男。


「お前も、お前だ」


「泣いてどっかいったあの女の子とお前が」


「本当に何もなかったのか、何かあったのかとか、くっそどうでもいいんだよ」


「無関係なこいつが突然噛みついてきてイラつくのはわかるが」


「なんでわざわざ相手にした?」


「こいつが1番無関係なのはお前もわかっただろう」


「こういう手合いは相手にすればするほど喜ぶかまってちゃんだぞ」


「無視しとけよ」


「自分の正義でしか生きられない奴なんて構うだけ無駄なんだから」


「まぁ、実際に相手にするしないを決めるのはお前の勝手だが」


「相手をすることを決めたなら周りの状況を見ろ」


「ここはお前らが口論するための場じゃない」


「騒ぎたいならせめて俺の目の前で騒ぐな」


「うるさすぎ、迷惑すぎ、邪魔すぎなんだよ」


うんうん、言いたいこと言えてちょっとすっきり。


ここ1週間、人との会話なんてご飯会に行く店の店員くらいだったから、まだ口が回った方だ。


前世のゲーセン友達が相手だったらもっと酷く煽ってたし。


まぁ……あいつらは人間じゃなくて猿だから煽っても効かないんだけど。


リュリュシャ?あれは会話じゃなくてある意味戦いだったからノーカン。


「な、なっ!?」


「………………………」


ふむ、緑髪眼鏡女の方はダメか。顔真っ赤にしてなんか呻いてるわ。


茶短髪男は俺にこんだけ言われて逆に冷静になった感じか、こいつ気づいたかな?


無駄にめっちゃ煽ったのにも一応意味はあるんだよ?ほとんどはストレス解消なんだけどさ。


この学園に通う一般モブがどれだけのレベルなのか知りたかったんだ。


この学園って国でもトップクラスの学園って設定だし。


そこに通える連中なんだから、ゲームで名前も出なかった一般モブでも相当かな?と思ったんだけどなー。


茶短髪男は要注意、緑髪眼鏡女は何というか年相応以下って感じで期待外れだったわ。


「………………騒がしくして悪かった。たしかに、言い掛かりを付けられたとはいえこの場で相手にしたオレも悪い」


おぉ、冷静になったとはいえ直ぐに謝罪出来るとは茶短髪男切り替え早いな。


こういう奴とは友達になりたい。一緒に戦っても依存せずにお互いに役割が持てる。


感情的にはなるけど、冷めやすくて切り替えもすぐ出来るタイプか?嫌いじゃないよ。


戦闘とかそういう攻略的な意味を除いてもこういう性格の奴は割と好きだし。


なら、仲良くしよう。


「お前には言い過ぎたかもな。すまんな、流石にあんだけ目の前で騒がれてイラついたんだわ」


ベンチから立ち上がり茶短髪男に右手を差し出す。


「鳴宮 咲刀だ、同じ新入生だと思うし好きに呼んでくれ」


砂城(サジョウ) ハヤトだ。オレも新入生だから好きなように呼んで欲しい」


茶短髪男はハヤトっていうのか、俺がサキトだから何か名前の語感近いな。


お、握手してくれてさんきゅー。


「ちょっと!!さっきから私を無視しないでよ!!」


おい、俺に友達が出来るかどうかって所なんだから邪魔すんなよ緑髪眼鏡女。


「だいたい何なのよあんたは!いきなり話に入ってきて!!」


あぁ、ハヤトは相手しなくていいよ俺が相手にするから。


目線でハヤトに合図して緑髪眼鏡女に向き直る。


「な、なによ」


………………………はぁ。


ダメだこいつ、まるでダメだ。


あんだけ言われても自分のことだと思ってない。


俺に言われたことは自分には関係ない不当な言い掛かりとでも思ってんだろうな。


それ以前の問題か。


死にたくないから、こういう奴とは絶対にパーティーを組みたくないな。


こんなん相手にするだけ時間の無駄だ。


「ハヤトって呼ぶわ。入学式は1人か?よかったら一緒に行かないか?」


時間的にそろそろ会場入りした方がよさそうだし、ハヤトを誘ってみる。


「………………いいのか?」


「出会い方は悪かったが、ハヤトとはいい友人関係が築けそうだからな」


「いや、そっちじゃなくて」


知ってる。でも関わり合いたくない。


「自分のことを絶対的な正義だと思っている奴に対話を求めても時間の無駄だろ?若いからとか、知らないから許されるって年齢じゃないだろうもう」


「まぁ、そうだな……その通りだ」


まだ後ろでキャンキャン吠えているけどほっといてハヤトを促して歩きだす。


無視してたらそのうち諦めるでしょ。


入学式が行われるのはアリーナらしいので、お互い簡単に自己紹介しながら向かう。


流石に追いかけてくることはなかったので、やはりあの手合いは相手をしないに限る。


緑髪眼鏡女はウザかったけど、ハヤトという友人が出来たことは嬉しいよ。







いや、本当にこの話で入学式やる予定だったんですよ信じて下さい。


誰だよハヤトと緑髪眼鏡女って。プロットにそんな存在いなかったぞ。





作者のやる気が絶好調になりますので


よろしければブックマークや評価の方もお願い致します


星が増えると作者がかなり喜びますので是非お願い致します。

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