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おもしろき あの世で異端者  作者: 大地 チイダ
現実
13/22

運命の水晶玉

 「おおっ。俺は雷の1・・・かあ。1ってなんなんだろうな」

 「そうだよね・・・、私は炎の1かあ」

 

 属性を識別する行為はいたって簡単らしく、後でそれを『フォース』という、自分の『生命』の中を駆け巡ってる力を、この水晶にぶつけるというのがやり方らしい。

 何言ってるかさっぱりわからないって?俺もわからんよ。ていうか次のこの、クールな好青年の人・・・。右手から何か白いモヤモヤしたのが見える。もしかしてあれが『フォース』なのか!?

 なんなんだこの魔法世界は。ファンタジーとはこういうことなのか。

 

 ファンタジーとは、空想・幻想のことだったっけ。


 でもさっきの二人が手を水晶にかざしていた時は何も見えなかったのに。なんで見えるようになったんだろうか。

 そういえばわからないことがあればレイナさんに聞くといいとアーテルさんに言われていたな。よし、聞くか。

 「ねえレイナさん?」

 彼女はまるで機械人形のように表情一つかえず、みんな水晶の方を見ているにもかかわらず、彼女だけ周りを見ていたのもどうしてか気になる。それでも、何かの任務中だったとしても、俺の方を向いてくれた。

 「何ですか修希殿?」

 悔しいけど、レイナさんの身長は俺よりも高かったため、彼女が俺の顔の高さに合わせて両手をそれぞれ右足と左足につけて少しかがんでくれた。革のズボンを彼女は履いているので、お尻の形がよく見えてきてしまう体制だ。俺はさりげなく見比べながらも真剣に聞く。

 「他の2人は特に何もなかったんだけど、でも今の人が『フォース』という力を流し込んでいる時、何か白いモヤモヤしたものが見えたんだ。もしかして、あれがフォースでいいのかな?」

 「白いモヤモヤしたものがみえますか?はい、確かに『フォース』で間違いないと思います。フォースは体に宿る『生命』を中心に体内を回っている、生きている人なら誰でも持っているものです。おそらくあの殿方はこちら側でも認識可能な程の多くのフォースの量をお持ちのようですね」

 「じゃああれもそうかも・・・。実はさっきのユキナさんの時も微妙に赤みがかったモヤモヤがみえたんだ。彩都も見えた?」

 「まーね。あの娘も実はすごいやつなんじゃないのか・・・。まあ、他の奴らなんて関係ないだろ修希」

 「俺は俺ってか?まあそうだよな。まあ、来たからには何か凄いのほしいよな」

 「お前・・・アニメの主人公にでもなるつもりか?この現実を利用して?」

 「さーね。ま、まだ死にたくはないってだけはつたえとくよ」

 「お前らしい。お?なんかスタッフさん方がなんか騒がしいぞ」


 水晶に出た色は、白だった。白というのも、透明という意味の白ではなく、雪、わかりやすく言えば味付けされてないプレーンな味わいのカルピスのあの白い液体の色・・・である。

 最初白だから雪だと俺は想像して氷の『アイス』かと思って言ってみたが、レイナさん曰く違うらしい。アイスのフォースの色は水色だそうだ。ちなみに水属性のフォースは濃い青色らしい。

 だとしたらなんだろう?色が付いてないから『無色属性』ってか。

 ということをレイナさんに言ってみると、

 「いい読みしてますね修希殿」

 と褒められた。(ニコリ・・とも微笑みかけてもらえなかったが)

 「フォースの属性に至っては、必ずしも親から受け継ぐものではないのですよ。それは、親の卵子のひとつから何億個にまでわたる精子にまで伝わっていく、『マナ』の流れによります。だからいくら稀代の大英雄の子供だとしても、多少は生まれるときにアドバンテージがつくものの、決して同じだということはないのです」

 マナって、旧約聖書でてたよな・・・。たしかモーセがエジプトからたくさんの人を連れて、神様の約束の土地へ向かう途中、食糧難に襲われたが、神様が天からパンのような食べ物を十分な量だけふらせてくれた出来事があって、そのパンを彼らは感謝をこめて『マナ』と名付けたという話があったなあ。

 それが、マナって悪魔の『魔』のついた魔法関連の用語に使われることがほとんどではないか。

 (やはりこの世界は異世界なんだな・・・。しかし、神様の作られた世界の中の一つだと思えば・・・!!)

 「修希殿?なにを思っていられるのですか。・・・どうやらあの殿方・・・ハクト殿というらしいですが、とんでもない存在のようですよ」

 「ということは、あいつが主人公か・・・」

 「私はそうとも限らないと思いますがね」

 「えっ・・・聞こえちゃってたのか」

 なんか自分がすごい嫌な奴っぽい。

 でも、彼女は『そうでもない』のようなことを言ってくれてたよな。空耳じゃなければの話だけど。

 

 「無色だと・・・!?古い本の中でしか見たことがないぞ!」

 黒と黄色の剣の鞘をもってる男がそう言うと、一気に後ろの9人が慌ただしくなってきた。どうやら皆さんはその古い本を信用しているらしく、科学者たちもどんどん集まってきた。

 「え?なんだ!?」

 ハクトは戸惑っている。

 「すげー!お前『無色』かよっ。無色って言えば、1000年以上前に現れたことがあって、その時の魔女たちと一緒に戦って、歴代でも最強といわれたあの勇者とおなじかよハクト!すげえなお前・・・」

 「そうなのか・・・でもまだ魔力を測っていない。ヨシトモだってすごいかもしれないぞ?」

 「よーし・・・そうだなっ!俺も絶対特別クラス入りを目指してやるっ」

 「まあ・・・、あとから本人の頑張り次第でランクは上がっていくらしいし、大学でもまだまだチャンスはあるそうだぞ」

 「マジか!!よーし!」

 「がんばろっ!『3人で』!」


 

 「なあ修希・・・、俺たち完全に空気みたいだな」

 「まあ、やるだけやろうぜ。やんねえと始まんねえからな」

 「その意気でございます、お二人とも。さあ、お次は彩都様の順番です」


 そして、冗談ごとでもない。俺らの『運命』を決める水晶玉がやってきた。このことが大きく未来に関わってくることを、俺らはまだ知らなかった。

文章で人一人の特徴を説明するのは大変!!

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