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ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


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(外伝)ミンジェ課長の休日:日曜日のパスタ

日曜日の朝、8時。


ミンジェは目が覚めると同時にスマホを手に取った。


打ちかけのメッセージが、未送信のまま画面に残っていた。




>今日、うちで資料まとめを手伝ってくれないか。


>夕食は出る。


>終わったら車で送るよ。




指が、送信ボタンの上で止まる。




(……夕食は出る、か)




一度消して、また打ち直す。




「夕食を用意する」「食事をする」「一緒に食べよう」


どれも違う気がして、結局元の文面に戻した。




深呼吸して、送信。


既読がつくまでの数分が、やけに長く感じた。


返事が来た。




>分かりました。何時に伺えばいいですか?




ミンジェは小さく息を吐いた。




(……別に、特別なわけじゃない)




そう思いながら、鏡で二度確認した。




9時半。


掃除を済ませて、ミンジェは近所のスーパーマーケットに向かった。




牛乳



パン




いつもなら必要なものだけを買って帰る。


けれどその日は、野菜売り場の前で足が止まった。




トマト


ベビーリーフ


レタス




(きのこ、何を買うか)




しめじ、エリンギ、マッシュルーム。


全部買ってもいいが、それは少し多すぎる気がした。


真顔のまま一つずつ手に取っては戻す。


その姿は、自分でも少し滑稽だと思った。




さらに、パスタを手にとる。




(飲み物はどうするか)




缶ビールに手が伸びたが、考え直して棚に戻した。


酒は言い訳の装置になりやすい。


今の時点では、できるだけリスクは減らしておくのが得策だろう。




結局、買い慣れたブランドのミネラルウォーターと炭酸水をカゴに入れる。




会計をして外に出た。


買い物袋を下げ、川沿いの遊歩道を歩く。




漢江に近いこの街に住み始めて、もう五年以上経った。


一度だけ、ここを出ようと思ったことがある。


けれど結局、曖昧なまま住み続けている。




部屋の窓から見えるいつもの風景。


漢江の上に、秋のよく澄んだ空が広がっていた。


窓から見える川の色にも、静かすぎる部屋にも、いつのまにか慣れてしまっていた。




(でも、今日は)




今日は、ただの資料整理だ。夕食も、ただの食事だ。


そう自分に言い聞かせながらも、


胸の奥で小さく疼く熱を、完全に無視することはできなかった。




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