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ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


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第25話 ラーメンと卵

昼休み、コーヒーを買いに出かけた近くのカフェで、ソヨンと鉢合わせた。




今は顔を合わせたくないけれど、露骨に避けるわけにもいかない。


あたりさわりのない世間話をしているうち、ソヨンがふと声を落とした。




「うわさで聞いたんですけど、ジミンさんはミンジェ課長と付き合ってるんですか?」


「えっ……」




(探られてる……?)




ジミンが固まると、ソヨンは慌てて手を振った。




「ごめんなさい。失礼なことを聞きました。ミンジェ課長かっこいいですもんね。仕事できるし、物腰も落ちついているし」




そして、ふと軽い笑みをもらす。




「でも、完璧すぎて疲れちゃいません?


ジミンさんの前だと違うんでしょうか」




ジミンは言葉に詰まった。




(どういうこと……?)




ソヨンは周りを確認してから、少し恥ずかしそうに笑った。




「私は夜中に辛ラーメンを鍋のまま食べながら、一緒に映画を見るような人が好きなので・・・・・・。


留学してたときの彼がそんな感じでした。親は絶対に嫌がりますけど」




ジミンはコーヒーカップを手に、固まったままだった。




(……え?)




「ごめんなさい、余計なこと言っちゃいましたね」




そこまで言って、ソヨンは照れくさそうに言葉を切った。




ソヨンと会社に戻ると、エントランスで背後から明るい声が飛んできた。




「ソヨンさん、昼まだですか? コンビニ行きますけど」




声の主は、由布院の温泉で乱入してきたあの若手社員――パク・ジフンだった。




ソヨンは一瞬だけ目を丸くして、それから自然に笑った。




「いいですね。今日は辛ラーメンにしようかな」


「卵も買います?」


「……卵入れるの、大好きなの」


「俺はチーズ派だな〜」




ソヨンは軽く会釈し、ジフンと並んでエントランスを抜けて行った。


軽い笑い声が響く。


ジミンはその後ろ姿を、ただぼんやりと見つめていた。




(完璧すぎて疲れちゃう、か)




上品で完璧に見えていたソヨンが、一瞬で普通の若い女の子に戻った気がした。




彼女もまた、誰かが決めた場所に置かれそうになっているのかもしれない。




オフィスに戻ると、ジミンは自分のデスクで小さく息を吐いた。




(……私、勝手に焦って、勝手に傷ついて……)




ソヨンがいるから苦しいのではない。


周りが勝手に騒ぐから苦しいのでもない。




ミンジェ課長が、面倒で、正しくて、ずるくて。


それでも、どうしようもなく好きだから苦しいのだ。




そう認めた瞬間、ジミンの中で、ひとつだけ言い訳が消えた。




ジミンが向き合わなければならない相手は、最初から一人しかいなかった。



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