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ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


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23/30

第23話 正しい言葉

ソヨンがまとめ直してきた資料のレビューが行われた。


ミンジェは資料に目を落としたまま、淡々と口を開いた。




「よくできている」




ソヨンが柔らかく微笑む。




「ありがとうございます」




ジミンはその一言だけで、体が固まった。




(……よくできている)




ミンジェは自分に対しても、必要な評価はしてくれる。


けれどそれはいつも、




「問題ない」


「ここだけ直せ」


「無理に残業するな」




そんな、確認と指示の形ばかりだった。


なのに、ソヨンに向けられた「よくできている」は、ただの褒め言葉のように聞こえた。


その違いが、ジミンの胸を鋭く刺した。




その日の夕方、ジミンのスマホが震えた。


送信者はミンジェ。




>ソヨンさんには普通に対応してくれ。


>上から見られている案件でもある。


>君に余計な負担がかからないようにしたい。




短いメッセージ。ジミンは画面を見つめたまま、指が冷たくなった。




(普通に対応してくれ……?


君に負担がかからないように……?)




ミンジェの言うことは、たぶん正しい。




ソヨンは直属の部下ではない。


会長の姪で、上から預かっている相手だ。


失礼があってはいけないし、必要以上に冷たく見えてもいけない。




それくらい、ジミンにも分かっている。


分かっているのに、胸が痛かった。




ミンジェにとっては「ジミンを守るための配慮」だったのかもしれない。


しかしジミンには、それがただの「一方的な決定」にしか感じられなかった。




ジミンが今、普通にできる状態かどうか。


それを、ミンジェは一度も聞いてくれない。




(……私は、ただの部下で。


婚約者としてさえ、仮なんだ)




その夜、ジミンはベッドの中で何度も寝返りを打った。




ミンジェの「普通に対応してくれ」という言葉が、


頭の中で何度も繰り返されていた。



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