表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/30

第21話 私にも

ソヨンとミンジェが客先での打ち合わせを終えてオフィスに戻ってきた。


エレベーターから降りてくる二人を見て、ジミンは思わず息を飲んだ。

ソヨンは笑顔で何か話しかけ、ミンジェは穏やかに頷いている。

距離は近く、会話も自然に見えた。


(……親しげだ)


ジミンの胸がざわつく。

二人が自分のデスクの近くを通り過ぎる時、ソヨンが軽く会釈をした。

ミンジェはいつもの冷静な顔で、感情は伺えない。


パントリーでコーヒーを淹れていると、後ろからソヨンが入ってきた。

二人きりになる。


ジミンはできるだけ穏やかな声で話しかけた。


「仕事には慣れましたか?」

「はい、おかげさまで」

「よかった」


ソヨンは自分のカップにコーヒーを注ぎながら、続けた。


「ミンジェ課長って、部下の面倒見がいいんですね」


心臓が跳ねる。


「そう?」

「私にも、とても丁寧に教えてくださるので」


それはただの世間話だったのかもしれない。

しかしジミンには、言葉の端が少しだけ尖って聞こえた。


さっきエレベーターから降りてきた二人の笑顔が、フラッシュバックする。

ソヨンがにこやかにコーヒーをかき混ぜている横で、ジミンは自分のカップを握る手に、思わず力が入った。


(……私にも、とても丁寧に、か)


胸の奥がチクチクと痛む。

ジミンは何も言えず、ただ小さく微笑むことしかできなかった。


「……そうですか。よかったですね」


ソヨンは「ええ」と柔らかく笑って、パントリーを出て行った。

残されたジミンは、コーヒーの湯気が立ち上るカップを見つめながら、静かに唇を噛んだ。


(……ずるい)


仮の婚約者なのに。

ミンジェは、ジミンには距離を取ろうと言いながら、

ソヨンに「とても丁寧に」接している。


ソヨンに向けられた丁寧さが、仕事上のものだということくらい分かっている。

分かっているのに、胸の奥がざわついて仕方なかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ