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ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


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15/21

第15話 君が望むなら

ミンジェの運転する車の助手席。




「あの、課長」




ジミンが勇気を出して声をかける。


ミンジェは前を見たまま、低く「なんだ」と返した。




「3ヶ月経ったら……本当に、責任を取ってくれるんですか?」




自分でも驚くほど、あけすけな問いだった。


ミンジェの視線が、ゆっくりと窓の反射からジミンの方へ動く。


暗がりの中で、彼の瞳だけがわずかに光を反射して、ジミンの呼吸を止める。




「……君が、望むならな」




それは、約束のようでもあり、突き放すようでもあった。


「俺が抱きたいから」ではなく、「君が望むなら」。


常にボールをジミンの方へ投げ返し、自分は「責任を取る側」という安全圏から動こうとしない。




(……ずるい。この人、本当にずるい)




ジミンは、自分の指先をぎゅっと握りしめた。


「仮の婚約者」という言葉で縛っておきながら、心も体も一歩も近づいてこない。


車が信号で止まるたび、隣のミンジェの気配が近くなる。


発進のわずかな揺れで、彼の肩が触れそうになるだけで、ジミンは叫び出したいほどの熱を感じてしまう。




アパートの前に着き、ドアを開く。




「……おやすみなさい」




「ああ、おやすみ」




いつも通りの、無機質な別れ。




**************




ジミンが車を降りたあと、ミンジェは彼女が座っていたシートの残り香を、一度だけ深く吸い込んだ。




今日、ジミンが隣で資料をめくるたび、


胸の奥がざわついて仕方なかった。




(……また、触れたいと思った)




由布院の一件以来、この衝動は全く収まらない。


あの湯気の中で見た彼女の肩と、背中で守ったときの震え。


すべてが頭に焼きついている。




(……まだ、2ヶ月か)




彼はその「曖昧さ」に、自分自身も焼き尽くされそうになっていることに、まだ気づかないふりをしている。




車は夜のソウルを静かに走り出した。



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