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ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


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14/18

第14話 空振りのデート

仮婚約を始めてから2ヶ月が経った日曜日。


朝、ミンジェから珍しくメッセージが来た。




>今日、うちで資料まとめを手伝ってくれないか。


>夕食は出る。


>終わったら車で送るよ。




ジミンはその短い文面だけで胸がざわついた。




(家……?ミンジェ課長の家に二人きりで……?)


(仮婚約者なんだから、もしかして……)




期待と緊張で何度も服装を直し、結局シンプルなブラウスとスカートで出かけた。




ミンジェのマンションは、会社から地下鉄を乗り継いで30分ほどの住宅街にあった。


いつもタクシーで送られるとき、ジミンは自分のアパートの前で先に降りる。


そのあとミンジェがどこへ帰っていくのか、深く考えたことはなかった。


漢江に近い、整った住宅街。


派手ではないのに、どこか隙がない。




いかにもミンジェらしい場所だと思った。






ドアが開くと、ミンジェはいつもの落ち着いた声で言った。




「入って」




家の中は予想以上にシンプルで整然としていた。


無駄な飾りもほとんどなく、黒とグレーを基調にした冷たい印象の空間。


本棚にはビジネス書とファイルがきれいに並んでいるだけだった。




「資料はここだ」




リビングの大きなテーブルに、分厚いファイルが山積みになっていた。


ミンジェはすでに袖をまくり、眼鏡をかけて仕事モードに入っている。


ジミンは内心で(……本当に仕事の話だけ?)と思いながらも、隣に座って一緒に作業を始めた。




家に上がって2時間以上、ただひたすら資料の整理をしていた。


辺りが薄暗くなった頃、ミンジェが立ち上がってキッチンへ行き、きのこの入ったクリームパスタと簡単なサラダを作ってテーブルに並べた。




パスタを食べながらも話題は仕事のことばかり。


プライベートな話題は一切出ない。




食事が終わった後も、再び資料まとめに戻る。


時計が9時を回った頃、ミンジェがようやく言った。




「今日はありがとう。助かった」




ジミンは顔を上げた。




「もう遅い。車で送る」




ジミンは思わず聞き返す。




「……え? 帰るんですか?」




ミンジェは眼鏡を外しながら、淡々と答える。




「明日も仕事だ。無理はさせられない」




ジミンは胸の奥がチクチクした。




(仮婚約者なのに……家に呼んでおいて、


ただ資料を整理させて、食事して、車で送るだけ……?


触れようともしない。抱き寄せようともしない。


キスなんて……夢の話だ)




帰り際、玄関でコートを着ているあいだ、


彼はジミンの肩に手を置くことも、髪を撫でることもなかった。


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