表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミンジェ課長の秘密  作者: Furi0804


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/11

第10話 変わらない日々

仮婚約契約を交わした次の日も、会社は本当に何も変わらなかった。




朝の挨拶も、呼び方も「キム・ジミン」「チェ・ミンジェ課長」のまま。 会議での指示も、資料のチェックも、いつもの通り淡々としている。


他の社員の前では、二人とも完璧に「上司と部下」を演じ切っていた。


周囲から見れば、何も変わっていない。




(変わらない、ってこういうことなんだ)




ただ、少しだけ違うことがあった。


退勤時間が遅くなった夜、ミンジェが短く言った。




「送る」




それだけ。


ジミンが「大丈夫です」と言っても、ミンジェは「いいから乗れ」と一言で切り、 結局同じタクシーで送られることになった。




車の中はほぼ無言。


ミンジェは前だけを見ている。


ジミンは膝の上で手を握りしめながら、内心でずっと考えていた。




(……仮婚約者なのに、なんで何も言わないの? 手を繋ぐとか、肩を抱くとか……そういうのは一切なし?仮婚約者は、かりそめの恋人ではないの……?)




ある雨の夜も同じだった。


マンションの入り口まで送ってもらった時、ミンジェは自分の傘をジミンに差し出して、 自分はコートだけで雨に濡れながら車に戻っていった。




「おやすみ」




それだけ言って、去っていく後ろ姿。


ジミンは傘の柄を握りしめたまま、アパートのエントランスで立ち尽くした。




(仮の婚約者なのに……なんでこんなに距離を取るの? )




家に帰ってベッドに横になっても、眠れない。


仮婚約者という言葉だけが与えられて、 実際は何も変わらない。


触れられることも、甘い言葉をかけられることもない。


それでも、毎夜のように夢を見る。


それが、ジミンにとっては想像以上に辛かった。




(私だけが毎日夢を見て、胸がざわついてるってこと……?)




枕に顔をうずめる。




(3ヶ月……このまま3ヶ月過ごすの? 私、ほんとに耐えられる?)





一方、ミンジェはというと——




会社ではいつも通り冷静で、ジミンを見る目もほとんど変わらない。


ただ、時々、誰も見ていない瞬間に、ジミンを見つめる視線が少し長く止まることだけが、 彼が自分を強く抑えている証拠のようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ