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第二十三話 妖精王の伴侶

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。

機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。

しばらくして。


リアも無事目を覚まし。


レンと共に国王の待つ謁見の間へ向かっていた。


「……」


「レンさん?」


「ん?」


「難しい顔してます」


「人生の分岐点だからな」


「?」


リアは首を傾げる。


しかしレンの頭の中は、それどころではなかった。


(絶対だ。)


(絶対に押し切られる。)


あの国王。


アレス六世。


豪快で押しが強い。


このままでは。


「エレノアをやろう!」


「王族になれ!」


「お前も息子だ!」


などと言われ。


気が付けば。


王族。


そして。


第一王女フィオナの婚約者であるレオンとは義兄弟。


「弟よ!」


「こき使ってやる!」


とか言われる未来しか見えない。


(嫌だ。)


(絶対嫌だ。)


(面倒臭い。)


そこでレンは決意した。


(今日は)


(妖精王で押し通す。)



一方。


リアはリアで別のことを考えていた。


(もし……)


(エレノア様がお嫁さんになったら……)


(レンさん王族ですよね?)


(お城に住むのかな……)


(私は……)


(お邪魔ですよね……)


(森に帰った方が……)


「……」


「リア?」


「は、はい!」


「ちょっと暗いぞ?」


「な、なんでもありません!」



そうこうしているうちに。


謁見の間。


国王アレス六世。


エレノア。


バルド。


レオン。


そして家臣達。


「妖精王よ」


「此度の助力」


「誠に感謝する。」


「まごう事なきその力。」


「妖精王の名に恥じぬものであった。」


そう言うと。


王自ら軽く会釈した。


周囲の家臣達がざわつく。


「陛下が頭を……」


「妖精王とは……」



レンは静かに頷く。


「この国に危機が迫れば」


「我が森も戦火に飲まれる。」


「協力するのは当然。」


「……」


「……」


リアが固まる。


(レンさん!?)


(何その喋り方!?)


バルド。


「……」


レオン。


「……」


(なんだこいつ)


アレス六世も。


「う、うむ」


「そう来るか」


と少し焦っていた。



「時に」


「妖精王よ」


「我が娘を差し出す故」


「我らと盟友となってはくれぬか?」


(そら来た。)


レンは内心頷く。


(予想通り。)


「少し待たれよ。」


「アレス王。」


「我が伴侶はすでにあり。」


「妖精姫ただ一人。」


「え?」


「え?」


リアは突然のことで固まる。


真っ赤になり、頬を抑え混乱する。


(え!?)


(ええ!?)


(私!?)


レンは横目で小さく頷く。


(建前だ。)


(建前。)


リア。


(あ、建前……)


(建前かぁ……)


何故か少しだけ寂しい。



「ゆえに。」


「婚姻は不要。いつでも盟友として力を貸そう。」


「その代わり。」


「こちらからその証として」


「最強の王族機を製作し」


「王家へ献上しよう。」


「おお!!」


アレス六世の目が輝いた。


レオン。


(餌に食いついた。)


バルド。


(食いついたな。)



「アレス王よ。代わりと言っては何だが」


「一つ願いがある。」


「おお!」


「何なりと申してくれ!」


「今回。」


「我が盟友バルドに命を救われた。」


「だが。」


「友へ贈るものが無い。」


「そこで。」


「エレノア王女を私の名代としてお借りしたい。」


「エレノア王女は賢く知見もあるので」


「欲しいものが分かるまで」


「しばらく」


「バルドの傍で観察して見合うものを選定してほしい。」


「……え?」


「……え?」


エレノア。


バルド。


同時に固まる。


レン


(苦しいか?通るか??)



「そうか……」


「うむ。」


アレス六世。


静かに頷く。


そして。


ニヤリ。


(なるほど。)


(そういうことか。)


レオンも。


ニヤリ。


(気付いてたか。)



「エレノアよ。」


「この地の安全は」


「妖精王が保証してくれるらしい。」


「しばらくバルド卿についておれ。」


エレノアは何を言われてるかを徐々に理解する。


「はい!!」


満面の笑み。


花が咲いたような笑顔。


エレノアは。


そのままバルドへ駆け寄った。


「バルド様!」


「え?」


「よろしくお願いいたします!」


「いや!」


「なんで!?」


「俺!?」


「え?」


「嫌ですか?」


「いや!」


「嫌じゃない!」


「嫌じゃないけど」


「なんで!?」


レオン。


「はははは!」


国王。


「うむうむ。」


リア。


「よかったですね。」


レン。


「うむ。」


(完璧だ。)


(危機回避成功。)


(さすが俺。)



だが。


誰も知らない。


一番喜んでいるのは。


国王であることを。


バルドも懐柔の対象であり


国王は国にあり大きすぎる英雄の存在


それを忌避しかけていた。


レンは偶然にもそれを解決する糸口を


提案したのだ。


芝居がかっているが国王はそれに乗った。


そして当のバルドが。


全く状況を理解していないことを。


そしてリアは胸を抑える。


レンの発言。


「妖精姫ただ一人」


という言葉が。


建前だという言葉に


胸の奥が。


少しだけさびしかったことを。


読んでいただきありがとうございます。

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