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第十八話 牙竜

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。

機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。

戦況は変わり始めていた。


白虎率いる獣人部隊。


その猛攻を。


赤き機竜グラム。


幻獣ペンギン。


そして。


空を舞う妖精。


三機の連携が押し返し始めていた。


「押せぇ!」


「今だ!」


「敵将を押し込め!」


王国軍の士気も高い。


獣人達も猛者揃い。


しかし。


白虎一人では。


三機を相手取るには厳しい。


「くっ……!」


「面白い!」


「面白いぞ!」


白虎は笑う。


「だが!」


「負けん!」



その頃。


医療班の元。


目を覚ましたバルドが起き上がる。


「……」


「どれくらい寝てた?」


「一時間ほどです」


「そうか」


立ち上がる。


戦場を見る。


「悪くねぇな」


その時だった。


「?」


空の彼方。


「なんだ……?」


影。


一つ。


「……鳥?」


いや違う。


「……」


「竜?」


近づく。


徐々に。


その姿が明らかになっていく。


赤き機竜グラム。


その姿によく似た。


だが違う生物。


翼。


鱗。


牙。


そして。


巨大。


魔核機の倍。


いや。


それ以上。


「おい……」


「嘘だろ」



兵士達も気付く。


「なんだ」


「あれ」


「……」


「魔獣?」


恐怖。


戦場が静まる。


一方。


獣人達。


ガァァァァ!!


歓喜。


咆哮。


「竜人族!」


「竜人だ!」


「おおおお!」



空。


若き竜人族。


牙竜。


戦闘形態。


竜化。


「ふぁぁ。ここかぁ」


「やっと退屈から解放される」


思慮深い竜人族の中でもこの若者は。


血気盛んな部類だ。


戦を聞きつけ暇潰しにやって来た。


「うむ」


「楽しそうじゃないか」



「援軍か!感謝する!!」


白虎が咆哮する。


武人らしく。


感謝の意を示す。


しかし。


「援軍?」


牙竜は首を傾げる。


「違うぞ?」


「俺は遊びに来ただけだ」


「……?」


白虎。


「?」



その時。


「え?」


シルフィネ。


リア。


次の瞬間。


ドン!!


「きゃっ!?」


「リア!」


恐ろしい速度。


牙竜の手。


シルフィネの首。


ガシッ!!


「!」


ギギギギ……


装甲が軋む。


「シルフィネちゃん!」


「リア!」


「?」


牙竜は片腕で。


さも当然のように。


シルフィネを持ち上げる。


興味すらない。


視線は。


真下。


戦場。


「小さいな」


「お前達」


ギギギギ……


軋む音だけが響く。



「リアぁ!!」


ゴォォォ!!


ペンギン。


全力推進。


「レン!」


レオンも飛ぶ。


ズバァ!!


音速のグラムの剣が牙をむく。


「ほう」


牙竜。


首を傾げる。


紙一重でかわす


「速いな」


次にペンギンが突っ込んでくる


「リアを放せぇ!!」


ドゴォォォ!!


弾丸と化した鉄塊が竜に突進


牙竜。


「フン」


反対側の腕。


ガシッ。


片手で止められる、止まる。


「!?」


「止めた!?」


「玩具が」



牙竜の口が開く。


「消えろ」


ゴォォォォ!!


波動の様なブレスが直撃。


光と黒煙、爆発がペンギンを包む


ドガァァァァ!!


「ぐあぁ!!」


ペンギンは外装が粉々にはじけ飛ぶ


バキバキバキ!!


中からベースとなったパワードが


姿を現す。


「がはっ!!」


推進喪失。


飛べなくなり落下。


「レン!!」


「レンさん!」



ドゴォォン!!


大地。


煙。


沈黙。


兵士達が青ざめる。


「……」


「嘘だろ」


「ペンギンが……」


「今まで以上の化け物が……」


「まだいやがるのか……」


兵の顔には絶望の色が出だした。



空。


「リアを放せ!」


グラムだけが残る。


シルフィネは未だ竜につかまれたまま


下手に攻撃をすればシルフィネを


巻き込んでしまう。


レオンも攻めあぐねる。


「くっ……!」


「卑怯だぞ!」


牙竜。


嬉しそうな咆哮が響く


「赤いの」


「遊ぼう」



そして。


遥か東。


山岳の城。


巨大な水晶。


その中に映る戦場。


天竜。


「……」


「まったく」


隣の老将が苦笑する。


「あの方は」


「言うことを聞きませんな」


「退屈だったのでしょう」


「ここ数百年」


「平和でしたから」


「まぁ」


「本人も」


「遊戯程度にしか思っていない」


「……」


天竜はため息を吐く。


「あやつは」


「本当に」


「竜らしい」


「まぁ」


「好きにさせておけ」



その頃。


土煙の中。


崩れ落ちたペンギン。


砕けた外装。


その中。


半壊の黒いパワード


「……いてぇ」


レンはゆっくり顔を上げた。


はるか上空に捕らわれたシルフィネ。


リア。


赤き機竜と巨大な竜が激突している。


「……」


「マジかよ」


小さく。


呟く。


「やべぇな」


読んでいただきありがとうございます。

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