第十七話 戦場へ
ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。
機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。
ガギィィィ!!
「うぉ!?」
「痛ぇ!」
「危ない!」
「危ない!」
「危ない!」
「これだから脳筋は!」
白虎の猛攻。
それを受け止める結界。
二重。
三重。
四重。
五重。
六重。
「ふぅ」
「流石に重いな」
レンは汗をぬぐう。
「しかし」
「元気だな、お前」
ガァァァ!!
「うっとうしい!」
「つぶれろ!」
「この鉄団子!」
「何言ってるかわからないけど」
「ちょっと不愉快だ」
◇
その時だった。
ヒュォォォォ!!
空。
夕日を裂く一筋の赤い閃光。
「!」
白虎が空を見る。
赤き機竜グラム。
大地を揺らして降下する。
ズドォォン!!
「そろそろ限界か?」
「まだ始まったばかりだ」
「私も参戦する!」
ゴウン。
巨大な翼のある背中
そこから。
竜の体躯とほぼ変わらぬ大剣が引き抜かれる。
ギィィン……
赤き機竜がレオンの剣技の構えをとる。
臨戦態勢。
◇
「レオン!」
「来たか!」
「待たせた」
「遅ぇぞ」
「悪いな、バルドは無事だったぞ」
「そうか」
◇
そして。
「レンさーん!」
空。
エメラルド色の光。
「私も来ました!」
「リア」
「お前は少し離れて」
「弱そうな奴の相手をしてろ!」
「そう言われても!」
「皆強そうです!」
「まぁ」
「無理はするな」
「……」
レオンが苦笑する。
「お前」
「過保護だな」
「うるさい」
◇
レンは気になっていた。
最近のリア。
シルフィネに乗った後。
本人は大丈夫と言う。
だが睡眠眠時間が増えていた。
昼間もぼんやりしていることが多い。
以前のような元気がない。
(……気のせいじゃない)
だから本当は戦場に出したくなかった。
「とにかく!」
「飛んで見学しとけ!」
「むぅ……」
リアは頬を膨らませる。
「ちゃんと戦えます!」
「見るのも勉強だ。」
「わかりました……」
シルフィネは不満そうに羽を震わせながら。
妖精のように空へ舞い上がった。
◇
「さて」
レンが笑う。
「魅せろ」
「ペンギン!!」
ゴォォォォ!!
光る石の爆発推進。
結界を張ったまま。
黒い鉄塊が。
白虎へ突進する。
「!?」
白虎の目が見開かれる。
「なんだ!?」
慌てて跳躍。
ギリギリで回避。
「小癪な!!」
◇
ペンギンは白虎を素通り。
そのまま。
敵陣中央へ。
「喰らっとけ!」
バラバラバラ!!
光る石。
大量投下。
ドォォォン!!
ドォォォン!!
「ぐっ!」
「なんだ!」
「熱い!」
「目が!」
ダメージは小さい。
しかし陽動には十分だった。
敵陣が乱れる。
「おお!」
「援護だ!」
「押し返せ!」
王国軍が歓声を上げる。
◇
「よし」
「ターン!」
ゴォォォォ!!
再び推進。
今度は。
白虎へ。
一直線。
「またか!」
白虎が牙を剥く。
「おのれ!」
大斧。
全力。
ドゴォォォォン!!
「!」
激突。
ついに。
ペンギンの突進が止められる。
「ぐっ!」
「やっぱ」
「パワーが足りないか」
「レオン!」
「おう!!」
◇
その瞬間。
白虎は気付く。
しまった。
動けない。
固定された。
「!?」
「遅い」
赤き竜。
グラム。
ズバァァァ!!
閃光。
巨大な大剣。
「グアァァ!!」
鮮血。
白虎が吹き飛ぶ。
◇
獣人達の咆哮が一層大きく響く
「白虎様!」
獣人達が動揺する。
「くっ……!」
白虎は地面を転がりながら立ち上がる。
「戦争だし」
レンは小さく呟いた。
「卑怯とか」
「言わないよな」
「この、鉄人形ども!!」
上空。
シルフィネ。
『リア様。シルフィネの装甲は』
『非常に薄いので接敵はしないように進言します』
低空で何とか応戦しようと
攻撃するチャンスをうかがうリアに
ノアが注意する。
「えい!」
「わ!」
「こっち来た!」
「やっぱり強いです!」
「だから言ったろ!」
レンが叫ぶ。
「飛んでろ!」
「むぅ!」
地上。
「さて」
グラムが剣を構える。
「続きをやるか」
「おう」
ペンギンの結界が展開される。
白虎は理解した。
「……」
「なんだ」
「こいつらは」
赤い機械竜。
妖精の様な人形。
そして。
妙な鉄団子。
あまりにも。
戦い方が違う。
「面白い……!」
白虎は牙を剥いた。
白銀の毛が逆立つ。
「面白いぞ!!」
咆哮。
獣人達も応える。
戦場はさらに激しさを増していく。
この時、新たなる脅威が迫ってきていることを
レン達はまだ、知らずにいた。
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