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第十六話 結界師の本領

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。

機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。

ズドォォォォン!!


突如として降ってきた黒い鉄塊。


土煙。


そして。


その向こう。


満身創痍のティラント。


白虎は牙を剥いた。


「……?」


なんだ。


これは。


見たことがない。


ただ、丸い。


妙な鉄人形。


そして。その中から。


「いてて……少し失敗したか」


男の声。


白虎には聞こえない


全てが機械の音に感じる。


「さて」


操縦桿を握る。


「本職の結界師の」


「久しぶりの仕事だ」


ゴウン。


全身を結界が覆う。


「間に合ったようだな」


「選手交代だ」



「レン!来たか!」


バルドは思わず笑った。


その瞬間。


ガァァァァ!!


白虎が咆哮する。


「邪魔だ!」


巨大な戦斧。振り下ろされる一撃。


ガギィィィィン!!


「!?」


結界と激しく衝突する。


多重展開さらに。


二重。


三重。


四重。


五重。


白虎の一撃を受け止める。


「なに!?」


「へぇ」


レンが笑う。


「重いな」


「でも」


「まだまだ」



その頃。


地上に降りたシルフィネから出てきたリア


「バルドさん!」


「悪いな」


「少し疲れた」


レオンもグラムを寄せる。


「お前らしくないな」


「歳だ」


「馬鹿言え」


「ははは」


だが。


その傷。


装甲。


内部。


全て限界。


「リア」


「頼む」


「はい!」


リアはティラントから降りたバルドに肩を貸す。



「しかし」


バルドは戦場を見る。


「すげぇな」


「レンのやつ」


リアも頷く。


「はい」


「結界って」


「本当は神殿を守るためのものなんですよね?」


「そうだ。魔法特化の防御職」


「俺たちみたいなタンクとは根本が違う」


バルドは笑った。


「本来、結界ってのは物理に弱い」


「だから」


「神官は魔法を専門に防御するために張るもんだ」


「でも」


「あいつは違う」



ガギィィィ!!


獣人達の猛攻。


それに対して次々と張り替えられる結界。


「二重」


「三重」


「四重」


「五重」


「六重」


「七重」


「よし」


「まだいける」



「……」


バルドが呆れた顔をする。


「あれだけ重ねるには」


「相当な魔力と精神力が必要だ」


「本来」


「機兵一機が」


「獣人相手にあれだけ食い下がれること自体」


「奇跡なんだ」


「……」


「レンさん」


「変ですよね」


「おう」


「変だ」


「普通じゃない」


「獣人の戦闘力は魔核機一機と互角。」


「それが常識。」


「機兵は本来」


「その半分も戦力はない」


「それほどに、獣人の戦闘力は凄まじい。」


「あいつ一機で」


「魔核機一機分の仕事してやがる」



「本来の結界師の仕事は」


「戦闘職じゃない」


「……」


「ここにいる時点で」


「ちっとおかしいんだ」


リアは苦笑した。


「知ってます」


「でも」


「レンさんですから」


「違いねぇ」



一方。


「ええぃ!!」


白虎が咆哮する。


「うっとうしい!!」


ドガァ!!


ガギィィィ!!


ドガァ!!


ガギィィィ!!


「うぉ!?」


「痛ぇ!」


「危ない!」


「危ない!」


「危ない!」


「これだから脳筋は!」


また結界。


また結界。


また結界。


何度も。


何度も。


何度も。


「うっとうしい!」


白虎の咆哮が荒くなる。


「つぶれろ!この鉄団子!!」


「何言ってるかわからないけどちょっと不愉快だ。」


「うぉぉぉぉ!!」


「元気だな!」



その様子を見ていたリア。


「……」


「?」


「どうした」


バルドが首を傾げる。


「なんというか」


「森のお家の近くに来る魔物さん達みたいです」


「?」


「春先に」


「結界に頭突きして」


「勝手に疲れて」


「最後は晩御飯になるんです」


「……」


「なんだそれ」


「似てます」


「似てるか?」


「似てます」



バルドは。


ぷっと吹き出した。


「ははは」


「はははは!」


「なるほど」


「安心した」


「?」


「なんか」


「大丈夫そうだ」


力が抜ける。


「少し」


「寝る」


「バルドさん?」


「おう」


「後は任せた」


「……」


そのまま。


気を失った。



リアは微笑んだ。


「ゆっくり休んでください」


「英雄さん」


シルフィネへ乗り込む。


「行こう」


「シルフィネちゃん」


「はい!」


『了解しました』


ノアが元気よく敬礼する。



そして。


上空。


赤き竜。


緑の妖精。


そして。


地上で暴れる。


黒い鉄人形。


「レオンさん!」


「レンさん!」


「今行きます!」


夕陽の戦場。


戦いは。


まだ終わらない。

読んでいただきありがとうございます。

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