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第十四話 遭遇

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。

機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。

敵との接敵から。


すでに半日。


荒野の戦場には。


鉄と咆哮が響き続けていた。


ガァァァ!!


巨大な武装した獣達「獣人族」


機兵ほどの体躯。


その一撃で振り下ろされた戦斧。


ドガァァン!!


一機の機兵が吹き飛ぶ。


「ぐああ!」


操縦席の騎士が血を吐いた。


機体も半壊。衝撃は内部まで届く。


「医療班!」


「後退させろ!」


「次!押されるな!!」


機兵隊が前に出る。


数体の機兵の集中攻撃


「ガァァ!」


獣人も倒れる。


しかし。


倒れながらも。


次の瞬間。


別の獣人が飛び込んでくる。


「化け物め!」


「怯むな!」



数の上ではアストラ王国側が勝る。


機兵には多くの猛者が乗る


騎士。冒険者。


そして。


絶え間なく続く剣戟と機械音。


布陣した場所からの援護の魔法攻撃。


獣人達も異常だった。


強い。


速い。


そして。


恐れない。


いや。


戦いを楽しんでいる。


「笑ってやがる……」


若い騎士が震える。


「なんなんだあいつら……」


知性がある。


戦術も使う。


それなのに。


狂気じみている。


初めて見る敵。


アストラの兵達は半ば恐れながら戦っていた。



その中央。


「左だ!」


「第三中隊下がれ!」


「第七機兵隊!」


「今だ!」


ティラント。


バルド辺境伯。


巨大な戦斧が振るわれる。


ドゴォォン!!


三体の獣人が吹き飛ぶ。


「負傷者を下げろ!」


「無理するな!」


「俺が出る!」


豪快な笑顔。


誰よりも前。


誰よりも危険な場所。


その背中が。


兵士達を奮い立たせていた。


「辺境伯だ!」


「ティラントが出た!」


「押し返せ!」


「おおおお!」



「やはり」


「魔獣狩りとは勝手が違うな」


バルドは苦笑する。


獣人達は強い。


だからこそ。


面白い。


バルドの心はゲーマーのそれに戻っている。


「最高じゃねぇか!」


ティラントの咆哮。


ドガァァ!!


また一体。


獣人が吹き飛ぶ。



一方。


獣人側。


「まただ」


白い毛並み。巨大な体躯。


ひと際豪華な鎧兜の獣人。


白虎。


獣人族を率いる将。


「……」


その目は一機の機兵を見ていた。


ティラント。


「邪魔だな」


こちらが勝機を掴もうとする度に


絶妙なタイミングで


あの巨人が現れる。


単騎で。


全部を壊す。


「何者だ」


「白虎様」


「中央突破失敗」


「またあの鉄人形です」


白虎の顔が険しくなる。


「あいつさえ」


「あの赤銅色の巨人さえいなければ」


「この戦」


「とっくに終わっていた」



白虎は思う。


強い。


あの鉄人形。


獣人でも一撃を受ければ危険。


だが、疲れないはずがない。


「疲弊させろ」


「はい」


「焦るな」


「機会を待つ」


「一気に叩く」


「必ず隙はできる」


白虎は牙を剥いた。


「その時だ」



砦。


国王本陣。


「ほう、敵もかなりの戦力のようだな。」


アレス六世は報告書を読む。


「拮抗か」


「はい」


「辺境伯がよく持ちこたえております」


「流石だ」


「うむ」


レオンも静かに頷いた。


「……」


顔色は暗い。


レオン宛に来た1通の報告書が報告を悩ませる。


「レオン?」


【現在接敵中の敵に獣人以外が見当たらない。】

 

【おそらくは、伏兵か温存か。いずれにしても】


【敵は本気ではない。お前たちも備えた方がいい】


「違和感?」


 国王が問う。


「ええ。奴ら、何か企みがあるのか本気ではないようです。」


「本気じゃない敵と拮抗ってわが軍の劣勢では!?」


 国王の護衛についている家臣が慌てている。


「ご安心を。」


「我らもまだまだ本気ではないので。」


「そうか、引き続き頼む。」


 アレスと、エレノアは少し安心したようだ。


「……バルド様」


 エレノアは空を見上げてひそかに祈る。


「陛下、お願いがあります。」


レオンは膝をつき礼を尽くした姿勢で伝える。


「私も、戦地に向かいます。」


「戦況が拮抗しているとすれば」


「敵も戦力を投入してくる頃合い」


「そうだな。では我も。」


「いけません!」


 行動しようとする国王をレオンが静止する。


「大切な御身に何かあれば、国は滅亡の危機です。」


「お父様……」


「うむぅ。」


「口惜しいが仕方あるまい。」


「ならば、レオンよ。」


「我が王国の最強の剣となり敵を屠ってこい。」


「御意。」


(……そういうプレイが出来て感心するよ)


 部屋の端で見ていたレンが手を挙げる。


「俺も行くぜ。」


「おお、皇帝ペンギン殿もいってくれるか!」


 国王が立ち上がる


(なにそれ・・)


『この砦ではマスターはすっかりペンギンの王となってます。』


(あ、そう・・)


「戦友たちに先に逝かれちゃ、寝覚めが悪いので」



レオンは窓の外を見る。


夕日。


戦場。


血煙。


そして。


遥か東。


「本命はまだ動いていないか・・」


ゲームで相対した種族の影を頭の中で追っていた。



読んでいただきありがとうございます。

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