第十二話 遺跡都市へ
ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。
機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。
「遺跡反応確認!」
「地下構造物と思われる空洞を発見!」
「先遣隊より報告!」
「ついに見つけました!」
砦の中は慌ただしかった。
伝令が走る。
騎士達が叫ぶ。
冒険者達が武器を取り。
機兵乗り達が整備を急ぐ。
数百年。
文献の中でしか語られなかった遺跡都市。
その入口が。
ついに発見された。
◇
城壁前。
無数の兵士。
騎士。
冒険者。
機兵。
王国中から集まった猛者達が整列していた。
その最前列。
国王アレス六世が前へ出る。
「勇士達よ!」
その声はよく通った。
「余はこの国の王である!」
「そして!」
「お前達と共に戦う戦士でもある!」
歓声。
「おおおお!」
「数百年ぶりの国難!」
「久しくこの国には真の勇者はおらぬ!!」
「ならば!」
「数百年ぶりの英雄譚を作ればよい!」
「王国の誇りを見せてやれ!」
「おおおおお!」
砦を揺らす歓声。
その隣。
バルド辺境伯が前へ出た。
「野郎共!今回の戦だが!」
「死ぬな!」
「以上だ!」
「は?」
一瞬静まる。
「勝って!生きる!!」
「飲んで!女を口説く!!」
「それでいい!」
「死んだら全部おしまいだ!」
「だから!」
「意地でも生き残れ!」
「以上!」
「おおおおお!」
先ほど以上の歓声が上がった。
アレス六世。
「余の演説より人気ではないか」
「気のせいです」
執政官が目を逸らした。
◇
一方。
騎士団区画。
「なるほど」
レンは並ぶ機兵を見ていた。
「前見たのと少し違うな」
「ん?」
レオンも並ぶ機兵を見る。
「今回はワーウルフだけじゃないんだな」
「ああ、戦力増強だ。」
レオンがニヤリと笑った。
「あれも名工の作品だ」
「?」
そこへ。
若い騎士が敬礼した。
「騎士団第四中隊所属!」
「ベルクです!」
「私が預かる愛機は!」
「ワーウルフの上位機種!」
「ライオット!」
「通称レオです!」
「フォレストシリーズ第一作目の名機!」
レン。
「……」
リア。
「……」
ノア。
『……』
「レンさん」
「うん」
「レオ君ですね」
「レオだな」
「怒られそうです」
「本人は喜びそうだな・・」
『センスがトトですね』
「そうだな」
「そうですね・・」
ベルクは気付かない。
「そして!」
「あちらの腕が大きい新型!」
「ゼロ式!」
「通称マル!」
「……」
「……」
「レオとマルか」
レンは頭を抱える。
「そのうち俺たちの名前も付けそうだな」
「早めに釘刺しとくか」
「賛成です」
リアも真剣に頷いた。
◇
「ちなみに」
レンがレオンを見る。
「フォレストシリーズって今何作目なんだ?」
「四作目らしい」
「は?」
「製作中だ」
「やめろトト……」
レンが天を仰ぐ。
「何作る気なんだあいつ」
レオンは笑った。
「名前はともかく」
「あれ一機で従来機二、三機分の戦力だ」
「騎士団も随分助かっている」
「優秀だぞ」
「そうか」
レンは苦笑する。
「まぁ」
「元気でやってるなら何よりだ。」
◇
その時。
号令が響く。
「第一陣!」
「出撃準備!」
「各部隊前へ!」
「おお!」
バルドが笑う。
「行ってくる!」
「バルド様!」
振り返る。
エレノアだった。
「必ず」
「ご無事で!」
「おう!」
「任せろ!」
「俺は強い!」
豪快に笑う。
その姿に。
エレノアも笑顔になった。
「はい!」
「信じています!」
レオンが小さく笑う。
(分かりやすいな)
そして。
バルドは指揮車の上からレンを見る。
「おう!」
「レン!」
「ん?」
「お前は後から来い!」
「ああ」
「好き勝手やれ!」
「そうする」
「ははは!」
◇
古代遺跡都市。
荒野の果て。
断崖絶壁。
朽ちた石柱。
風化した壁。
わずかに残された遺跡の痕跡。
そして。
その地下深く。
今なお眠る。
盟約の扉。
数百年。
誰も辿り着けなかった場所。
王国。
新人連合国。
二つの文明。
二つの人類。
二つの正義。
その運命を分ける戦いが。
今、幕を開けようとしていた。
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