第十話 プレイヤー会議
ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。
機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。
「さて」
酒場の個室。
レオンが地図を広げた。
「確認だ。新人連合国との戦争」
「言うまでもなく」
「エターナルにもあったイベントだ」
バルドが頷く。
「ああ。まちがいなく領土戦PVPだな。」
レンも酒を口にする。
「まぁ、エターナルのど真ん中のコンテンツだったしな。」
「あちらの陣営新人連合国は脅威だ。」
レオンが地図を指した。
「おそらく斥候が近いうちに」
「古代遺跡群の発見と同時に敵を補足する。」
「ここから始まる戦闘で」
「勝者側は領土を獲得。」
「ここまではゲームと同じと思う。」
「PVP好きな連中や初心者はあっちの陣営を選んでいたよな。」
バルドが過去をおもいだす。
「ゲームではキャラメイクやスキルも単純だし」
「俺たちみたいなロマン勢はこっちに来る」
レンが酒を置いて言う
「やめろ」
「一緒にするな。」
レオンとバルドは反論する。
「なぁ」
バルドが少し考え発言する。
「あっちの陣営にも俺たちみたいなの」
「いるのかなぁ」
レオンがゆっくり答える。
「少し前に接敵して撃退したことがあるが」
「言葉も通じずプレイヤーの様な知見も無さそうだった。」
「え?どこで??」
「たまにゲームでもあっただろう。」
「突然」
「自分の街に単騎で来るレッドプレイヤーが。」
「いたな」
「あったあった。」
「おそらくはそれにあたる獣人と遭遇した。」
「そんなとこまでゲームと一緒かよ・・」
◇
「話は戻るが問題は」
「地下に眠るアイテムにおそらく」
「やばいものがたくさんある。」
「そうだ」
「古代兵器」
「遺物」
「魔核」
「連中に取られたら今後の戦争が全部不利になる」
「ゲームだと時間制限の占領権だったか。」
レンは思い出しながら答える。
「ここだと勝手が違う。」
「一気に王都まで攻め込まれるだろう。負けられない。」
「しかし、悪い事ばかりでもない。」
「ゲームとの差異はまだある。聖女及び神殿の存続。」
「聖女の指揮によって王都近隣はゲームの時代より」
「結束が固く守備も厚い。」
「これは我らにとっていい傾向だ。」
レンはアリシアを思い出す。
(俺の元推しは元気でやってそうだ。)
◇
窓の外。
辺境都市。
機兵。
冒険者。
騎士。
王国中から集まる猛者。
そして、国王。
「予想外だったな。」
「王様自らこんな物騒なところに来るなんて。」
レオンが苦笑する。
「陛下が来たのは半分はお前のせいでもある。」
「俺かよ。」
「元々、血気盛んで英雄譚が好きな陛下だ。」
「趣味とイベントが重なった結果だろう。」
「はぁ・・」
三人はため息をつく。
「しかしこれも悪い事だけでもないぞ。」
「おかげで兵の士気も高い」
「だな」
「だが」
レオンの顔が真面目になる。
「危険なのは変わらない」
「そうだな」
「国王」
「エレノア様」
「この二人に何かあれば」
「国が揺らぐ」
バルドが笑った。
「俺たち三人いざとなったら」
「王族だけでも逃がす」
「だな」
「戦うのは後回し。まず生存だ。」
「異論なし」
「異論なし」
「異論なし」
元プレイヤー。
三人。
短い会議は終わった。
◇
「じゃあ行くか」
「謁見だな」
「面倒だ」
「諦めろ」
その時。
「レンさーん!」
リアだった。
栗色の髪。いつもの銀の髪飾り。
隣には。
「お待たせしました」
エレノア。
そして。
『私です』
ノア。
「仲良くなったな」
バルドが笑う。
「はい!」
リアが嬉しそうに頷く。
「エレノア様、とっても優しいんですよ!」
「そんな」
「リアさんほどでは」
二人は仲良しだった。
しかし。
「……」
エレノアの視線。
ちら。
バルド。
ちら。
またバルド。
「?」
本人は全く気付かない。
レオンだけ。
(にやり)
少し笑った。
「どうした?」
バルド。
「いや」
「なんでもない」
◇
そして、舞台は変わる。
東の遥か彼方。
荒野。
乾いた風。
赤い大地。
そこには。
王国とは全く違う世界があった。
飢え、貧困が日常。
生きるためには奪うしかない。
そんな世界。名を新人連合国。
巨大な獣人が街を歩く。
周囲の者達が頭を下げる。
明らかに強者。
名を「狼鬼」
そう呼ばれていた。
自分で付けた名ではない。
いつの間にか。
皆がそう呼ぶようになっていた。
「……」
狼鬼は空を見上げる。
この地には四つの部族がある。
それらがまとまり一つの国となっている。
この国の一つの掟。
それは「弱肉強食」
弱きものにこの地に生きる資格は薄い。
荒野。
砂漠。
飢え。
争い。
強き者だけが生き残る。
それが常識。
「つまらんな」
狼鬼は呟いた。
たまたま強い種として生を受け
虐げられた経験のない狼鬼は傍若無人な態度で
常に周りから恐れられていた。
遠くを見る。
遥か彼方。
陽炎のように。
うっすらと見える。
巨大な樹「世界樹」
「あそこか」
外には国があるらしい。
大国。
そこには。
小さな存在達が住んでいる。
この地にいる家畜のように小さく。
知能も低そうな種族。
この国では魔獣をおびき寄せる餌だ。
そんな連中が作った国。
興味があった。
「あの大樹か」
「あれほどの土地なら」
「飢えも紛れよう」
先人達は。
我が国に伝わる秘宝「ゲート」を使い。
あの大樹へ向かい転移した。
しかし。
誰一人戻ってこない。
何があったのか。
何処へ行ったのか。
誰も知らない。
皆帰らなかった。
「……」
狼鬼は立ち止まる。
その体躯に見合う巨大な槍。
背には無数の傷。
歴戦の武人。
そしてこの国最強の自負
「少し」
「興味がある」
小さく笑う。
「行ってみるか」
狼鬼は新天地への好奇心、期待を抑えられずにいた。
なんとなく気が付いた人もいるかもしれませんが
2000年代以降流行った韓国系や中華系のMMORPGがイメージとなります。
今回の部隊は種族間の大型PVPです。 やっと言えた!!(笑)
読んでいただきありがとうございます。
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