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第二話 王都の休日

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。

機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。

授業が終わる。


昼休み。


「先生、今日は研究室ですか?」


教科書を鞄へしまいながらルウが尋ねた。


「その予定でしたが」


ミストは少し考える。


机の上。


三本目のエナドリ。


ルウとアルフレッドの視線。


「……今日は休みましょう」


「よし!」


「勝った!」


二人が謎の勝利を喜んだ。


「先生、城下町行きましょう!」


「露店!」


「新しいお菓子!」


「私は忙しいんだけどねぇ……」


「忙しい人は寝ません。」


「疲れてるのよ~」


『関係ありません』


「ハナ」


『私です』


「最近絶妙になってきたわね……」


『知ることは、未来をつくることです』


「便利ですね」


「賢い!」


アルフレッドがハナを持ち上げる。


「ルウの研究、進んでる?」


「うん!」


「最近は魔導通信!」


「ほう」


「トト兄ちゃんがすごいんだよ!」


「彼は本当に面白いですね」


ミストは素直に感心する。


十歳。


王国最高峰の研究者達ですら理解できない発想をする。


あれは天才というより変人だった。


たぶんレンに似たのだろう。


本人達は認めないだろうが。


「行きましょう先生!」


「お菓子!」


「……え~少しだけですよ」


(ずいぶんなつかれちゃったな……)


「やったー!」



城下町。


昼の大通りは活気に溢れていた。


「わぁ!」


「新作だ!」


ルウが駆ける。


アルフレッドも追いかける。


「うわ……インドアにはきっついわ……」


『インドアにはきついです』


「ハナ!二人をきちんと見るのよ。」


『了解。私です!』


小さなぬいぐるみは二人を追っていった。


しばらく


子供二人とぬいぐるみ一匹。


その後ろをミストが歩く。


「先生、これ!」


「串焼きだね~」


「美味しいよ!」


すでにアルは串焼きをもっている。


「殿下、あまり買い食いは」


「アルでいいって!」


「私は、この自酒もくださいな~」


「先生だけずるい」


「大人だからね~」


「ずるい」


『ずるいです』


「ハナまで」


ミストは苦笑した。


すると。


「ミスト先生!」


向こうから声。


学園の女生徒達だった。


「こんにちは!」


「今日も綺麗ですね!」


「研究頑張ってください!」


「ありがとうございます」


「きゃー!」


黄色い声。


アルフレッドが呆れる。


「先生、人気あるよね」


「そうでしょうか」


「そうだよ」


「だらしないけど」


「豪快だし」


「研究バカだけど」


「綺麗だし」


「優しいし」


「あと胸大きい」


ゴン。


「痛っ!」


アルフレッドの頭に教科書が落ちた。


「最後はいりません」


「いてて……」


「殿下」


「アル」


「アル」


「アル」


「はい」


「女性にそういうことを言わない」


「はい」


『はい』


「ハナも返事しなくていいんですよ」


『返事しなくていいんですよ』


「……」


今日も平和だった。



その頃。


王城の執務室。


「殿下は?」


「学園の日ですが、今日は」


「城下町に降りているようです」


「またか……」


側近達がため息を吐く。


「護衛は?」


「ついております」


「なら良いか」


「しかしながら、ミスト様と一緒です」


「……なら大丈夫だな」


満場一致だった。


あの人がいるなら。


問題は起こらない。


たぶん。



夕暮れ。


世界樹の見える丘。


三人は座っていた。


「綺麗だね」


ルウが呟く。


王都の中央。


巨大な世界樹。


夕日に照らされ黄金色に輝いている。


「昔から思ってたんだけど」


アルフレッドが言う。


「なんでこんな大きいんだろ」


「さぁ」


ミストは微笑む。


「王国より昔からあるそうよ~」


「すごいね」


『すごいです』


風が吹く。


静かな時間。


いつもの王都。


いつもの平和。


だから。


誰も気付かなかった。


遥か東。


誰も知らない場所で。


数百年ぶりに。


古代の扉が。


静かに開き始めていることを。


読んでいただきありがとうございます。

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