第三章 プロローグ 祭りの知らせ
ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。
機兵、遺跡、秘密基地。好きなものを全部詰め込みました。
3章 開始です。
森を渡る風は静かだった。
子供たちの声はない。
弟子たちの姿もない。
以前なら騒がしかった森の家は、今では妙に広く感じる。
縁側に寝転がりながら、レンは空を見上げていた。
青空。
雲ひとつない。
絶好の浮遊島日和だった。
「……浮かねぇかな」
ぼそりと呟く。
島が。
いや、家でもいい。
畑付きならなお良い。
温泉まであれば完璧だ。
男なら一度は考えるだろう。
空飛ぶ秘密基地を。
レンは考える。
割と本気で。
「問題は重量か……」
そんなことを呟いていると、家の中からリアが出てきた。
手には盆を持っている。
「お茶です」
「おう」
礼を言って受け取る。
リアは向かい側へ腰を下ろした。
少しだけ顔色が悪い。
最近ずっとそうだ。
だが本人は大丈夫だと言い張る。
レンも深くは聞かない。
きつかったら言うだろう。
答えたくないなら聞かない。
それだけだった。
「……?」
何気なく視線を動かしたレンは、縁側の脇に置かれた封筒に気付く。
いつの間にか届いていたらしい。
レオンがこの前置いていったやつか・・
差出人を見て眉を上げた。
「バルドか」
封を切る。
中には短い文しかなかった。
『祭りがそろそろ始まりそうだ。来るなら今のうちだぞ』
以上。
実にあの男らしい。
「レンさん?」
「ん?」
「何かありましたか?」
レンは手紙を眺める。
数秒ほど。
そして気の抜けた声で呟いた。
「遺跡都市ねぇ……」
その一言で終わった。
だが。
レンの頭の中では別の言葉が浮かんでいた。
来たか。
と。
ゲーム開始から数年後。
出現する大型イベント。
古代遺跡都市。
限定報酬。
限定機体。
限定素材。
そして――
数多くのプレイヤーを地獄へ叩き落した戦場。
「エターナル」でのメインコンテンツ
「面倒だな……」
本音が漏れる。
リアは首を傾げた。
レンが面倒と言う時は、大体ろくなことにならない。
そして大抵。
その予感は当たる。
森の上を風が吹き抜けた。
まるで遠くで始まる祭りの知らせのように。
3章は比較的、バトル多めの章となりそうです。
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