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第二章プロローグ 鍵の目覚め

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。

二章突入しました。 徐々にロボだします。

 世界のどこか。


 誰も知らない空の彼方。


 雲より高く。


 山脈より高く。


 人類が到達したことのない領域に、その大地は存在していた。


 巨大な浮遊大陸。


 白銀の塔群。


 空を流れる光の河。


 そして世界樹。


 天を貫くような巨大樹が静かに佇んでいた。


 人々は知らない。


 神話だと思っている。


 だがそれは実在していた。


 千年以上の時を越えて。


 今も。



 巨大な観測施設。


 誰もいないはずの空間で、淡い光が点滅する。


 静寂。


 長い静寂。


 それは数百年かもしれない。


 数千年かもしれない。


 だがその沈黙は、ある日突然終わった。


『異常反応を確認』


 機械音声が響く。


 誰もいない部屋。


 それでも記録装置は稼働していた。


『世界樹接続反応』


『再確認』


『世界樹接続反応』


 光が広がる。


 巨大な立体映像が浮かび上がった。


 一人の少女。


 銀色の髪。


 幼い顔立ち。


 見覚えのない存在。


『該当個体照合』


『失敗』


『登録情報なし』


 再び静寂。


 やがて。


 別の光が灯る。


『鍵候補を確認』


 その瞬間。


 施設全体が僅かに震えた。


 まるで長い眠りから目覚めるように。


『観測優先度変更』


『監視対象へ指定』


 少女の映像が拡大される。


 リア。


 その名前はまだ知られていない。


 だが。


 確実に世界は彼女を認識した。



 一方その頃。


「リアー!」


 森の奥からレンの声が響いた。


「ちょっと来てくれ!」


「はーい!」


 緊張感など欠片もない返事が返ってくる。


 世界の危機も。


 古代文明も。


 監視者達も。


 そんなものとは無縁の日常だった。


 リアは畑から顔を上げる。


 頬には土が付いていた。


「どうしました?」


 レンは工房の前で腕を組んでいる。


 その横には布が掛けられた何か。


 妙に嫌な予感がした。


「完成した。ちょっと見せたい。」


「何がです?」


「趣味につきあえ」


 リアは首を傾げる。


 意味が分からない。


 レンは満足そうだった。


「いや、意味が分からないんですが」


「いやせっかくだし、自慢したいじゃないか。」


「だから、何を作ったんですか?」


 そのやり取りを見ていたノアが静かに告げる。


『過去の統計上』


『レンが趣味と言った場合』


『高確率で問題が発生します』


「ほら!」


『発生率九十七パーセント』


「高すぎません!?」


 リアが叫ぶ。


 レンは聞いていない。


 嬉しそうに布へ手を掛ける。


「とくと、刮目せよっ!!」


 布が落ちた。


 そこにあったのは。


 森を思わせる緑の機体。


 流れるような装甲。


 妖精の羽を思わせる意匠。


 どこかネストに似ていて。


 しかし全く違う。


 美しい機体だった。


 リアは目を輝かせる。


「綺麗……」


「だろ?(満足)」


 レンは少しだけ誇らしげだった。


(やっぱ、こういうのは、見せるやつがいてなんぼだな。)


「名前は?」


 リアが尋ねる。


 レンは少し考え。


 そして答えた。


「シルフィネ」


 その瞬間。


 誰も知らない場所で。


 再び世界樹が微かに反応した。


 まだ誰も知らない。


 この機体が。


 レンの何気ない趣味が。


 世界の歴史を大きく変えることになるなど。


 まだ誰も知らなかった。


ネタばれしない程度に、2章途中から、強さ比較できるように、機兵図鑑を作って載せていこうと思っています。


読んでいただきありがとうございます。

面白かったら評価、ブックマークで応援していただけると嬉しいです。

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