第二章プロローグ 鍵の目覚め
ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。
二章突入しました。 徐々にロボだします。
世界のどこか。
誰も知らない空の彼方。
雲より高く。
山脈より高く。
人類が到達したことのない領域に、その大地は存在していた。
巨大な浮遊大陸。
白銀の塔群。
空を流れる光の河。
そして世界樹。
天を貫くような巨大樹が静かに佇んでいた。
人々は知らない。
神話だと思っている。
だがそれは実在していた。
千年以上の時を越えて。
今も。
◇
巨大な観測施設。
誰もいないはずの空間で、淡い光が点滅する。
静寂。
長い静寂。
それは数百年かもしれない。
数千年かもしれない。
だがその沈黙は、ある日突然終わった。
『異常反応を確認』
機械音声が響く。
誰もいない部屋。
それでも記録装置は稼働していた。
『世界樹接続反応』
『再確認』
『世界樹接続反応』
光が広がる。
巨大な立体映像が浮かび上がった。
一人の少女。
銀色の髪。
幼い顔立ち。
見覚えのない存在。
『該当個体照合』
『失敗』
『登録情報なし』
再び静寂。
やがて。
別の光が灯る。
『鍵候補を確認』
その瞬間。
施設全体が僅かに震えた。
まるで長い眠りから目覚めるように。
『観測優先度変更』
『監視対象へ指定』
少女の映像が拡大される。
リア。
その名前はまだ知られていない。
だが。
確実に世界は彼女を認識した。
◇
一方その頃。
「リアー!」
森の奥からレンの声が響いた。
「ちょっと来てくれ!」
「はーい!」
緊張感など欠片もない返事が返ってくる。
世界の危機も。
古代文明も。
監視者達も。
そんなものとは無縁の日常だった。
リアは畑から顔を上げる。
頬には土が付いていた。
「どうしました?」
レンは工房の前で腕を組んでいる。
その横には布が掛けられた何か。
妙に嫌な予感がした。
「完成した。ちょっと見せたい。」
「何がです?」
「趣味につきあえ」
リアは首を傾げる。
意味が分からない。
レンは満足そうだった。
「いや、意味が分からないんですが」
「いやせっかくだし、自慢したいじゃないか。」
「だから、何を作ったんですか?」
そのやり取りを見ていたノアが静かに告げる。
『過去の統計上』
『レンが趣味と言った場合』
『高確率で問題が発生します』
「ほら!」
『発生率九十七パーセント』
「高すぎません!?」
リアが叫ぶ。
レンは聞いていない。
嬉しそうに布へ手を掛ける。
「とくと、刮目せよっ!!」
布が落ちた。
そこにあったのは。
森を思わせる緑の機体。
流れるような装甲。
妖精の羽を思わせる意匠。
どこかネストに似ていて。
しかし全く違う。
美しい機体だった。
リアは目を輝かせる。
「綺麗……」
「だろ?(満足)」
レンは少しだけ誇らしげだった。
(やっぱ、こういうのは、見せるやつがいてなんぼだな。)
「名前は?」
リアが尋ねる。
レンは少し考え。
そして答えた。
「シルフィネ」
その瞬間。
誰も知らない場所で。
再び世界樹が微かに反応した。
まだ誰も知らない。
この機体が。
レンの何気ない趣味が。
世界の歴史を大きく変えることになるなど。
まだ誰も知らなかった。
ネタばれしない程度に、2章途中から、強さ比較できるように、機兵図鑑を作って載せていこうと思っています。
読んでいただきありがとうございます。
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