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第十五話 迷宮の地図

ロボオタのおっさんが、ゲームによく似た異世界で好き勝手やる話です。


機兵、遺跡、秘密基地。


好きなものを全部詰め込みました。

 地下都市での生活にも、少しずつ慣れてきた。


俺たちが拠点にしている場所から半径一、二キロほど。


その範囲には、今のアストラ王国とも、新人連合国とも違う建物が乱立していた。


……いや、乱立していたのだろう。


今では、そのほとんどが瓦礫だ。


かろうじて建物の形を残しているもの。


完全に崩れ落ちているもの。


壁だけが立っているもの。


様々だった。


ただ一つ、共通していることがある。


「何に使ってたのか、さっぱり分からん。」


俺は拾い上げた金属の板を見つめた。


穴がいくつも開いている。


何かの部品だろう。


だが、何の部品なのかは分からない。


こういうガラクタは、探索していると時々見つかる。


他にも。


小さな箱。


用途不明の棒。


薄い板。


どれも見たことがないものばかりだ。


結局、使い道が分からず、その辺に積まれていく。



それでも、探索の目印はあった。


石畳だ。


建物は崩れていても、道だけは比較的形が残っている。


だから俺たちは、その道を基準に探索を進めていた。


途中。


地下へ向かう階段もいくつか見つけた。


緩やかな坂道もある。


だが。


「……全部、崩れてるな。」


途中で土砂に埋もれていたり。


天井が落ちていたり。


先へ進める場所は限られていた。


この地下都市。


思っていたより、ずっと広い。


そして、まだまだ秘密がありそうだった。



「……。」


俺は後ろを振り返る。


そこには。


見違えるほど綺麗になったサクラとツバキの姿があった。


あのボロボロの服は、もうない。


今、二人が着ているのは自作の服だ。


草の繊維。


蔦。


そして、芋虫みたいな虫が出す糸。


それらを使って、いつの間にか服を作ってしまった。


しかも。


かなり出来がいい。


「……恐ろしい生産能力だ。」


思わず呟く。


数日前。


サクラに頼まれて、ガラクタを使って作ったものがある。


糸車。


針。


そして、小さなナイフ。


それだけだ。


それだけ渡した結果が、これである。


もはや職人だ。


いや、下手な職人よりすごいかもしれない。


しかも、デザインまで凝っている。


長い袖。


重ね着。


腰の帯。


どこか和服の着物に似た服装だった。


その姿は、エルフというより……。


「……巫女?」


そんな感じだった。



そして。


今、二人の背中には長弓がある。


もちろん俺が作った。


正確には、俺が作れる範囲で、それっぽいものを作った。


理由?


単純だ。


「エルフと言えば弓だろ。」


完全に俺の趣味である。


使えるかどうかは分からない。


だが、持っているだけでも雰囲気が出る。


……そう思っていた。


しかし。


「そうじゃないんだよなぁ。」


思わず口から漏れる。


和服。


長弓。


黒髪のエルフ。


何だろう。


この違和感。


弓使いというより――。


「弓道家だな。」


そう。


まるで、前の世界の弓道部みたいなのだ。


サクラが首を傾げる。


『?』


「いや、なんでもない。」


もちろん通じない。


俺は苦笑した。



最近は、三人で探索へ出ることも増えた。


二人の体力もかなり戻った。


少しずつだが、笑うことも増えている。


今のところ。


魔獣の類とは遭遇していない。


危険な生き物もいない。


むしろ、この広い地下都市が静かすぎるくらいだった。


だからこそ。


今日は少し遠くまで行くことにした。


俺は機兵へ乗り込む。


「よし。」


ゴウン。


低い駆動音が響く。


そして後ろへ向かって手を振った。


『後ろをついて来い』


サクラが頷く。


ツバキも元気よく手を上げた。


俺は機兵を先行させる。


石畳の道は、まだまだ先へ続いていた。


崩れた建物の向こう。


暗い地下都市の奥へ。


そこには、まだ見ぬ何かが待っている。


そんな予感がしていた。


そして――。


その日の探索が。


俺たちを、地下都市の新たな一面へ導くことになる。

読んでいただきありがとうございます。


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