第95話 優太_できた、という涙
再びキスをしながら彼女の最も敏感であろう箇所をいじると、彼女はささやかな抵抗を見せたもののすぐに声をあげながらしがみついてきた。俺の手や舌の動きに合わせて敏感に反応を示してくれるのが可愛らしくてこの上なく嬉しい。
もしかしたらそもそも感じやすい体質なのかもしれない。それでも、何度もしがみついてくる莉奈さんに喜びを覚えた。息も絶え絶えに額に汗で張り付いた髪をそっとどかし、額にキスをすると目を閉じていた莉奈さんがこちらを見てほほ笑んだ。
莉奈さんは息を整えると、枕元に置いてあるコンドームを手に取り俺に差し出した。嬉しさとほんの少しの驚きと、俺を受け入れる姿勢を示してくれるその気持ちに泣きそうになりながら、莉奈さんからの気持ちを受け取った。
しかしこれを使用するのも久々で袋から取り出したものの、いったいどっちが裏でどっちが表なのかわからず、見比べていると莉奈さんがそっと手に取り、見分けつきにくいよね、と言いながら手伝ってくれた。
彼女を仰向けにすると俺は数年ぶりに女性の中に入った。思わずため息がでる。なるべく激しくならないようゆっくり動かす。しかし、彼女の苦しみの混ざった声が、耐えているような表情がどうしようもなく俺を熱くさせた。
態勢を変え莉奈さんを上に乗せると、苦しそうな息を漏らして膝で立ち上がり腰を浮かした。俺は不安になって、ごめん、痛い?と聞いた。しかし莉奈さんは口で息をしながら首を横に振り、ちょっと当たりすぎて、と呟いた。
俺はその意味に気づいて笑顔になるのを止められない。それって気持ちいいってこと?と聞くと彼女は小さく頷いた。彼女が逃げられないよう、両手で腰を抑えて動かした。1オクターブ高い声が響く。激しくなりすぎないように、という気遣いはどこかへ吹っ飛んでく。
今まで遅漏であることに少なくないコンプレックスを感じていたが、この時ばかりは遅漏でよかったと思う。再び彼女を仰向けにした時は息も絶え絶えにぐったりした彼女をみて、しまった、やりすぎただろうかと後悔した。
しかし、莉奈さんは目を開けて俺の頭を抱き寄せると耳元で囁いた。それは俺にとってたまらない程うれしい一言だった。おかげで俺は莉奈さんの中で果てることができた。
久々の感覚を味わいながら、目頭が熱くなり、涙が滴り落ちていくのを止められない。やっと中でいけた…。そうつぶやいた時には鼻水も落ちそうになって慌てて鼻をすする。まだ整わない息をしながら俺は莉奈さんの首元に顔を埋め、鼻をすすり続けた。
お礼を言うと、莉奈さんは黙って俺を抱きしめた。その心地よさと安心感から、本当に久々に安らかな気持ちで目を閉じた。




