第94話 優太_童貞みたいな気持ち
「あの、俺に敬語使わなくていいですよ。俺の方が年下ですし」
「そう?じゃあお互い年も近いし敬語なしにしません?」
「いきなりは難しいです」
「ちょっとづつでいいですよ」
莉奈さんは体を離して腰を浮かすと、優しいキスをした。俺も彼女の頬に手をやりキスを返す。何度かキスを繰り返すと、俺は莉奈さんの唇を舌でなぞるようにして、そっと唇を割った。そのままソファーに押し倒すと、彼女のスカートをめくり手を忍ばしたところでストップがかかった。
「先にシャワーあびないと」
そういうと莉奈さんはソファーから立ち上がって俺の手を引いた。
「一緒に入ります?それとも別々がいいですか?」
「別々で・・・」
俺は自分の鼓動が相手に聞こえないよう、そそくさと浴室に向かった。
脱衣所で服を脱ぐと、息子が元気になっていることに安堵する。手早くシャワーを浴びて歯を磨くと、莉奈さんと入れ違いにベットルームに戻った。
照明を落とした部屋でベットに腰かけながら俺はこの1週間チェックしたAV男優の動画を頭の中で振り返った。よくよく考えたら、この4年間、一度たりとも女性とそういう行為をしていない。
あまりにも久しぶりすぎて、メンタルは完全に童貞そのものだった。なので、女性の抱き方など、AV男優が解説している動画を確認し、とにかく失礼のないようにしなければと予習してきたのだ。
「ベットでゴロゴロしててもいんですよ?」
バスタオル一枚だけ身につけた莉奈さんが笑いながらベットに乗ってくる。
「いや、どうやって待っていたらいいのかわからなくて」
俺は苦笑しながら答えた。莉奈さんが掛布団で俺を覆いながら一緒に横になる。莉奈さんはもぞもぞと動きながら器用に体に巻いていたバスタオルを取ると、ぴったりと俺に抱き着いてきた。
俺は自分の心臓の音を聞きながら、そっと莉奈さんの頭を撫でた。その手を背中から腰に滑らせ抱きしめるとキスをした。とろけるようなキスだ。
指と舌を使い彼女が気持ち良いと感じるところを探る。莉奈さんは時折、声を漏らしたり反応を見せていく。目を閉じて横たわっているその顔は気持ちよさそうで、彼女の体温が次第に温まっていくのを感じた。
彼女の下腹部のさらに下に指を滑らせると驚くほど濡れていて俺は嬉しくなった。相手の反応を伺いながらキスを繰り返し、次第に呼吸が深く早くなっていくのを聞きながら俺にしがみついている莉奈さんの手に力が入ったかと思うと、彼女は俺の下で絶頂を迎えた。
莉奈さんは涙目になりながら荒く息をつき、両手で顔を隠すと俺に背を向けてクルリとうつぶせになった。俺は少し驚いて、どうしたの、と聞くと、すぐにいってしまって恥ずかしい、とくぐもった声が聞こえる。
胸の高鳴りを抑えることなく莉奈さんを仰向けにし、顔を覆っている手をどかした。彼女の顔をじっくり眺めながら喜びと興奮に浸る。俺の手でいかせられたことに、言いようのない充足感を覚えた。




