表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/53

第6話 優太_ピザイベントの打ち上げ

ゴールデンウイーク明けの金曜日、行きつけの居酒屋は18時半にもかかわらず早くも満席状態だった。

 一番奥の4人掛けテーブルにいつもの同期4人組と席に着く。

 とりあえずビールを頼み、俺は背もたれにだらしなく寄りかかると疲れたぁ、とため息をついた。

「今年のピザは大規模だったねぇ!おつかれ!」

 圭介が肉厚の手のひらで肩をバシバシ叩いた。

 毎年恒例のピザイベントが終了し、せっかくの連休にも関わらず仕事三昧だった。

 自社製品と規格外野菜を有効活用したピザのイベント販売は毎年好評だ。カットして取り分けが必要な通常サイズではなく、立ったまま丸いピザにかぶりつくことができるようあえての小ぶりサイズにし、そのかわり価格は500円とお手頃にしたことで食べ歩きできる商品として学生からお年寄りまで幅広い層に支持された。

 ピザに使用した自社製品と規格外野菜を同時に販売することで相乗効果を狙い、食べ歩きしやすいよう半円形の包み紙に自社製品を取り扱う直営店のHPのQRを載せることで店への客足も増えた。

 この企画が始まって今年で5年目になるが、売上やお客様からの好評な意見を鑑みてテイクアウト専門店をオープンする話が社内で持ち上がった。そのマーケティングもかねて、毎年1カ所で行っていたイベントを今年は同時に5ヵ所で開催し情報を集めることになったのだ。

 GW中はそこかしこでイベントが行われているので若者が集まるイベント、家族連れが集まるイベント、東京都内、東京郊外など場所とイベントの性質をなるべく散らすようにしたら、とアドバイスしてくれたのが目の前に座っている千早だ。

 同期として入社してからずっと営業部として同じ釜の飯を食う仲間だが、今年度から広報部に異動となり羨ましい限りだ。

 就活生の時からずっと企画に携わる仕事にあこがれていたが、新卒採用は基本的に営業部に配属される。数年間営業として勤務し間その適正をみて各部署に異動になるのが社内のセオリーだが、俺は早く企画の仕事がしたかった。社会人1年目の時から企画を考えては、企画部の大崎部長に飛び込みで何度も提案をしに行っていた。

 営業部長からはまずは現場を知れと怒られたが、決して営業の仕事が嫌いで企画室に出入りしているわけではないことを証明するために営業の仕事にも打ち込んだ。

 その甲斐あってか上半期では同期の中では売り上げ1位を納め、営業部長から営業の仕事をおろそかにしないことを条件に企画部に提案書を持っていくことの許可をもらったのだ。

 企画部の大崎部長は元ラガーマンのはゴリゴリの体育会系で、何度も企画書を持ってくる新卒の俺を面白がり一度も邪険に扱うことなく毎回提案内容に耳を傾けてくれた。

 そんなことを続けた社会人2年目の終わりに、イベントで行う単発のピザ販売の企画を持っていったところ大崎部長から「やってみたら」と許可がでたのだ。

 社会人3年目のゴールデンウイーク、3日間にわたり都内で開催される食のイベントに企画部の正式な企画として採用され、俺は先輩社員の後をとにかくついて回りイベントの開催に携わった。

 そのイベントが大好評だったので翌年も行い、今では毎年恒例のイベントとなった。企画の発案者として営業部に籍を置きつつも企画部の仕事を手伝わせてもらえるようになり、今年は全面的に責任者として企画を任された。イベント開催のノウハウが蓄積されていたとはいえ初めてのプロジェクト責任者に余裕のない日々だったが、自分が企画したものが多くの人々に喜んでもらえることを実感した日々でもあった。

 今年はそれに加えて規格外野菜の詰め放題を家族連れが見込まれるイベント限定で行ったところ、昼過ぎには完売してしまうほどの大好評だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ