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第49話 知夏_カモにされていた日々

「マルチ商法って何かわかる?」

 私は首を横に振った。先輩は私にマルチ商法とは何か説明をした。

 マルチ商法とは連鎖販売取引の一つであること。自分が勧誘した人が商品を買えば、その売り上げの一部が自分に入ること。

 しかし、それだと売上が安定しないので、オーナーのチームは商品を売るのではなく、自分たちの日用品を指定の製品に置き換えて毎月売上を上げていること。金額は5万、10万、15万と値段ごとにランク分けされており、15万円分の商品を購入するとオーナーから独立に向けて、より詳細な話が聞けること。

 また、毎月15万の購入をおこなうことが、最低限のステータスになっており、半ばノルマとして課せられていることなど。私は終始ポカン状態で話を聞いていた。

「え、ちょっと待ってください。毎月15万?もの商品を買い続けるって無理じゃないですか?」

「ある程度、自分から始まるチームがいれば、何とかなるのよ。でも、チームにいる人たちは、お金を捻出するためにルームシェアしたり、夜にバイトしてる。オーナーのことを、私たちは師匠って呼んで、師匠の教えは絶対、という考えの元、活動しているの」

 え、何それ怖い。宗教じゃん。心底ドン引きである。

「私、あいつのチームに所属しているんだけど、その中じゃ中堅リーダー的な立場なの。もう少しで独立できそうな状態だったんだけど、あいつがが売上を上げるためにやっていることを知って、もめたの」

 中堅リーダーとやらが何のことかよくわからないが、中間管理職みたいなものなのかな、とあたりを付けて相槌をうつ。

「その、やり方ってなんだったんですか?」

「知夏にやっていることだよ」

「え?」

「知夏、結構な金額をあのお店に使ったでしょ。それねカモられているの」

 青天の霹靂とはこのことだろうか。思考が停止した。

「ちなみにそれを教えてくれたの、お店の店長だから。善意で教えてくれたんじゃないよ。世間知らずで素直な子って扱いやすいよね~、って完全に馬鹿にしてたから。私、それ聞いてすごい腹がたってさ、どういうことかって聞いたのよ。知夏、最近、オーナーと連絡取れてないでしょ」

「え、でも、店長もオーナーと連絡取れないって言ったました」

「そんなわけないよ。あいつはオーナーの愛人みたいなもんだから、そう言えって指示受けてると思うよ。」

 吐き捨てるような言い方だった。信じられない話すぎて、全く頭に入ってこない。とにかく初耳の情報が多すぎて、頭がぼんやりと痛くなってきた。

「ちょっと、待ってください。いったん、休憩していいですか?情報量多すぎて…」

「そうだよね。ごめん。甘いものでも注文する?」

 先輩はメニュー表をとると、スイーツのページを開いて渡してくれた。一番甘そうなホイップとフルーツが大量に乗ったミニパンケーキを注文し、先輩はチーズケーキを注文した。

 半分残っているロコモコ丼を食べながら、今聞いた話を頭の中で整理する。私がお金を騙し取られた、ということはいったん脇に押しやり、先輩が話したことを順を追って考えた。そこで私はあることに気づいた。


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