第41話 知夏_メスを求める男達
私が新婚であることを伝えると、ほとんどのお客様が信じて色々と話をしてくれる。
その中でもずっと昔から疑問に感じていた、人はなぜセックスレスになるのか、に対する答えを多くのお客様から聞くことができ、私の知的好奇心を大いに満たした。おかげで私は他者との性的な行為について、良い意味で価値観がガラリと変わった。
セックスレスになるタイミングでお客様の意見で最も多かったのが、子どもが生まれたことがきっかけだそうだ。その中でも2つに分類できる。
一つはセックスをする環境の問題。子供が寝静まった、もしくは不在の際に試みても、最中に子供が泣き出した、急に子供が帰宅してきた、などのトラブルが発生すると仕切り直しは難しく、何度かそれが続くと、思いがけない邪魔が懸念事項となり上手くいかないそうだ。
そう答えるお客様は、繊細でさりげない気遣いができる人に多いと個人的には感じた。
もう一つは奥さんを女として見れなくなった、という意見だ。
「ぼさぼさの髪で、くたびれたスエットで家の中をウロウロされてみ?性欲なんてわかないよ」 と、鼻で笑いながら言ったお客様の表情がとても印象的だった。
子供が生まれると女から母親になる、というのは出産をしている同年代の友人を見て感じることは確かにある。男性から見て妻が女から家族になることで深い愛情を持つようになった代わりに、そういう気分になれなくなってしまった、という話を聞く機会は多い。
しかし、冷静になって考えてもらいたい。働く女性が家事も育児も仕事をこなしながら、妊娠前の女レベルを維持することはかなり大変なことだと思う。
年齢を重ねるにつれ、女であることを維持するにはお金も時間もかかる。子供が生まれれば時短で働き、当然そのぶん収入が減る。出費は増えるのに、さらに女であるために必要な美容費を捻出することは、とても大変なのではないだろうか。
そういった環境に身を置いている女性が、女として見られるよう努力をする余裕があるだけの、時間的、金銭的、精神的なサポートを旦那側はしているのだろうか、と疑問に思う。女でいることには、大なり小なりお金がかかるのだ。
ただ、これは遺伝子レベルでしょうがないことなんだろうな、と思う。男性は体の構造上、様々なところに遺伝子を残せるよう作られているのだから、違う遺伝子を本能レベルで求めてしまう生き物なのかもしれない。




