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第195話 優太_予約の前日

電話番号が分かればショートメッセージでやり取りができる。しかし、電話はいいよと言ってくれたが、ショートメッセージを送っていいかどうかについては確認を取っていない。

 俺は知夏と電話してからというものの、この一週間、知夏にどのタイミングで連絡を取るべきか迷っていた。

 そもそも連絡を取っていいのかわからない。土曜日の夜なら電話してもいい、と言っていたということは、それ以外の日時には電話してくるな、ということだろうか。

 連絡手段が手の中にあると、なまじ我慢をするのが辛い。向こうから連絡が来る、なんて都合のいい妄想をしながら明日、知夏と一緒にたべる予定のランチの食材がそろっているかどうか、冷蔵庫の中を確認する。

 明日のランチはアクアパッツァとラタトゥイユにするので、一人用の冷蔵庫には食材がパンパンだ。

 女性を家に招いて出す食事にしてはおしゃれ過ぎて気取ってる、と思われるだろうか。しかし、会社で出しているトマトのペーストが美味いから是非とも食べさせたい。

 煮込み料理であるラタトゥイユは前日に作ろうと、キッチンで調理していると電子レンジのチン!みたいな音が携帯から聞こえた。

 普段聞きなれない音だったので、携帯を確認すると知夏からだった。ドキッと音が聞こえそうなほど心臓が跳ね上がって、メッセージを確認する。

『明日、楽しみにしているね』

 絵文字もなにも無い、シンプルな文章だ。俺は電話しても良いか聞くのをグッこらえ、「俺も」と返した。


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