第111話 優太_恋の形を確かめる朝
尿意を感じてふと目を覚ますと、部屋の中はだいぶ明るくなっていた。携帯で時間を確認すると、まだ5時半。トイレで用を足し、ベットに戻る途中でゆずが寝ている方をむくと、浴衣がはだけて太ももがむき出しのまま熟睡している。
それどころか下着の色が分かるくらい、見えている。自分のベットに腰かけて、その美しい形の太ももと胸元から除く下着をしばらく眺めていたが、俺はゆずを起こさないようそっと掛布団をかけ直した。
バスタオルをつかむと朝風呂を浴びに大浴場に向かう。軽く体を洗い、内風呂を素通りして露天風呂に浸かった。時間が早いためか、貸切状態だ。
肩まで湯につかりながらさっき見たゆずの寝姿を思い出す。我ながら何とも思わなかったことに静かな驚きを感じている。まだ大学時代、サークルの仲間と共に泊りがけで旅行に行った時の方がドキドキし、小さなときめきを感じたものだ。
それは若さが大いに関係あるだろうが、ゆずを女性として魅力的に感じていた証拠だともいえる。彼女に性的魅力を感じなくなるって、彼氏としてはどうなんだろうか。
いや、そもそもゆずはそういった性的な何かが発生しない、尚且つ特別な関係性を望んでいる。しかし、彼女を性の対象として感じなくなった時点で俺は彼氏足りえるのだろうか。恋愛の対象になりうるのだろうか。
ゆ ずと一緒にいるのはもちろん楽しい。大学の頃からの付き合いであり、俺にとっては気心が知れている数少ない人だ。趣味も合う。今ではお互い何でも話せる仲だと思う。
しかし、ゆずの太ももや下着を見ても何の思いも湧きあがらず、スンとした心持ちになるのは恋人関係と果たして呼べるのだろうか…。友人関係となにが違うのだろう。
長いため息をつくと露天風呂からサウナに移動した。我慢の限界までサウナ室で胡坐をかき、水風呂に浸かった。再び露天風呂に戻ってくると椅子に腰かける。目を閉じると、鳥のさえずりにだけ集中できるように意識的に耳を傾けた。




