表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【異世界スゴロク】止まったマスで転移する呪いの冒険譚 ~ゴールしなければ生き残れない~  作者: 幸運な黒猫
転移の秘密

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
78/93

第73話・ネネ

「こ、の……」


 突然、目の前の女性に向かって突然走りだすベルノ。猫耳族の俊敏な特性を活かし、飛んでくる小石をスルリと抜けながら近づいた。


 ――そして!


「バ・カ・ティラニャ~!!」


 叫びと共に、ベルノのぷにっとした猫パンチが、黒い特攻服を着た女性の()()()()()()()()()()


「きゃぅあっ……」


 と、よくわからない悲鳴と吐息が混ざった声を発しながら"くの字"になり、彼女はうずくまった。


 まあ、いきなり脇腹に攻撃を喰らったら、誰でもそうなるだろう。

 

「ティラノなにするのニャ!」

「え、ベルノ、捕まっていたんじゃないのかよ」

「違うって言ったニャ!」 

「え、そうなんスか……」

「ルカも人の話は聞かないとダメなのニャ!」


 猫耳幼女に諭される、二人の女性。ティラノ、ルカとそれぞれ呼ばれていたけど、この関係性ってなんだろうか? なにより、恐竜のしっぽが気になって仕方がない。


「ねえみんな、あれ……なにかな?」


 颯太(そうた)が指し示す方に全員の視線が向く。火山の方角、青い空。そこに浮かぶ白い雲を、切り裂きながらなにかが飛んでいた。


「鳥……にしては変だよね」


 大空を旋回する()()()()()()()()は、翼の大きさに体が小さく、そして首が長い。颯太の言う通り、鳥と呼ぶにはあまりに形が違い過ぎる。


「あれって、翼竜!?」


 そしてさらに驚く事に、その首元には人間がまたがっていた。


「え、誰?」

「ネネですニャ!」

「あれがベルノの?」


 手書きの母子手帳に描かれていた、ベルノの母親と思われる人物。そんな人が翼竜にまたがっているとか……なんだこの世界は?


 翼竜は一直線に向かってきた。広げた翼は十メートルはあるだろうか。そんな巨大な生き物が、僕らの頭上をゴォォ……と通り過ぎて行く。叩きつけるような風圧は凄まじく、とても目を開けていられなかった。


「ネネ〜!」


 その声に目を開けると、翼竜に乗っていた女性が目の前にいた。通り過ぎざまに飛び降りたのだろう。


「ベルノぉ、どこ行ってたんだよ〜」

「月とダンジョンと不思議の国と童話全修とラブコメなのニャ!」

「そっか〜、うん。わけわからん!」


 ……ですよね。


「ティラちゃんの闘気(オーラ)の渦がみえたから来てみたんだけど」


 彼女は八白亜紀(やしろ あき)と名乗った。元々は僕らと同じ時代の日本人で、この白亜紀に転生して猫耳族になったそうだ。

 

 僕はこれまでの経緯を説明した。ベルノがSFの世界で捕まっていた事、この時代に戻るために、いくつもの異世界を冒険した事を。


「えっと、ネネさん」

「亜紀でええで。もしくは美人の八白さん♡とかでも。あ、最後にハートつけるの忘れへんように」

「では……亜紀さん」

「もお、ミナミナいけずやなぁ……」


 と、ひじ打ちをしてくる亜紀さん。この距離感のつめ方、強引なのに嫌な気がしないのは、なにかコツでもあるのだろうか?


「なぜファンタジー世界の猫耳族が、恐竜の時代にいるのです? あと、こちらの二人は、その……」

「なんで恐竜のしっぽが生えているか、やろ?」

「ええ、そうです」


 あまりに訳がわからない世界だ。今までの冒険が普通に感じてしまうほどに。


〔――それは私からお話ししましょう〕


 その時、まるで脳に直接響くような、不思議な声が聞こえてきた。少しハスキーでどこか機械的な音質……そう、Vtuberみたいな印象だ。


「妖精……さん?」


 手のひらサイズで羽根の生えた人が、ヒョコっと亜紀さんの頭のうしろから現れた。ひらひらふわふわと飛ぶ様子は、まさしく妖精そのもの。


〔あら、一言たりないですよ、お客人。私の事は、可憐で美しい妖精さんとお呼びくださいな!〕

「あ、気にせんでええで。こいつ、ウチを騙してこの時代に放り込んだ詐欺女神や」

〔失礼な。こんな親切で気が利いてハイソでプリティーな女神は他にいませんよ?〕


 ……この二人、似たもの同士だな。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ