最後の戦争

北ジャージーの破壊された道路網を舞台に、死者が阻止不能な「ヴァリアント」へと変貌する世界で、人類最後の抵抗は崩れ去ろうとしていた。怪物へと変貌する寸前の兵士マイク・ベンコと、失われた過去に苛まれる生存者ジェナ・グレイは、生き残るために奮闘する。凶悪なトビー・コリンズに率いられたヴァリアントCの大群が、文明の最後の名残を襲撃する中、追い詰められた政府は世界の終わりを阻止すべく、核のレクイエムを放つ。ハッケンサックの廃墟から沸騰するハドソン川に至るまで、その戦いは勝利ではなく破壊のこだまの中に終結する。すべてが喰らい尽くされた世界にあっても人間の精神は生き続けるという証、その捉えどころのない地平線を求め、ジェナは国道80号線を一人西へと車を走らせる。