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第79話 作者の手が止まる

いつもお読みいただきありがとうございます!前回の

第78話のラスト、リリィーナちゃんからまさかの「作者への直訴(メタ発言)」が飛び出しましたね……(笑)。深夜にベッドの中でスマホをいじりながら執筆していた作者ですが、主人公からのガチギレ直訴に本当に手が止まりかけました。ですが!読者の皆様からの「全員ルート希望!」の熱い声(感想)には逆らえません!というわけで、リリィーナちゃんには申し訳ないですが、今回も王子たちの怒濤の溺愛包囲網に沈んでもらいます

(笑)。それでは、第79話「作者の手が止まる」、どうぞお楽しみください!

そしてリリィーナの心の声の叫びは

果たして【作者(神様)】に届いたのだろうか。


そんな私の必死の直訴をよそに、深夜の廊下では、茹でダコ状態から復活した王子たちがリリィーナを部屋まで送ろうと、すさまじい奪い合いを始めたので

あった。


「リリィーナちゃん、僕が手を引いて

お部屋まで行こうよ。あっ、ちゃんと

リリィーナちゃんの部屋に勝手に入ったりとかはしないから安心してね?」


(ミディの心の声:で〜も、隙を見て入ることは可能じゃあない? まぁ、そのためには誰かに囮になってもらう必要があるんだけどね〜♪)


あざとい笑みを浮かべるミディティ王子は、優しく手を引くフリをしながら、脳内では「どうやって女子の部屋に侵入

するか」の作戦をガチで練っていた。


(リリィーナの心の声:えっ、えええっ!? 表の顔はあんなに優しいのに

心の声は不法侵入を企んでる!? しかも誰かを囮にするって……めちゃくちゃ

計画性あるな、このあざかわ王子!)


優しげなミディ王子の黒すぎる本音に私が戦慄していると、今度はミキラ王子が眼鏡のブリッジを押し上げながら割り込んできた。


「さ、さぁリリィーナさん。私の手を取って部屋まで行きませんか? 夜の廊下は寒いので私の上着を貸します。……返さなくてもいいですよ。あなたがずっと持っていてくれたら、私は嬉しいです」


(ミキラの心の声:いつもは彼女を研究室に連れて行きたいとばかり思ってい

ますが、今はただ、あなたを支えて歩きたい。いえ、支えるだけじゃない……君との未来を、一緒に築いていきたいんだ)


(リリィーナの心の声:へぁっ!?

な、何これ……! こんなにストレートに優しくされたの、私、初めてなんだけど!?)


いつもならマッドサイエンティストばりに「研究室へ行こう」と振り回してくるはずのミキラ。


それなのに、今はまるで本物の恋人のように真摯な優しさを向けてくる。

そのギャップが新鮮すぎて、私は思わず赤面して俯いてしまった。


すると、いつもなら余裕たっぷりのカルトナージュ王子が、少し焦ったように言葉を詰まらせながら微笑んだ。


「リリィーナ、ええっと……僕が部屋まで送るよ。父上が言ったこと

(四人全員が夫)は気にしなくていいからさ。僕は、君の答えを気長に待つから」


(カルトの心の声:……チッ。今言った内容、全然僕らしくないな。僕がこんなに動揺することなんて滅多にないのに、なんでだ? なんで上手く言葉が出てこないんだよ……!)


いつもなら甘々で強引なカルトが

珍しく言葉に詰まっている。自分でも信じられないくらい動揺しているのが

心の声からダダ漏れだった。


(リリィーナの心の声:いつも完璧なカルトが言葉に詰まってる……! よっぽど校長先生(国王様)の言葉の衝撃が大きかったってこと? クスッ、なんか可愛いところあるじゃない)


いつもと違う王子の姿が物珍しく

私が顔を覗き込んで思わずクスッと笑ってしまった、その時。


「あ〜〜〜! ごちゃごちゃうるせぇ!!」


オフィカール王子が大きく頭を掻きむ

しり、吠えた。


「ここでグダグダ騒ぐくらいなら、俺がささっと連れてってやる! リリィーナ、俺の首に手を回せ!」


(オフィカールの心の声:俺は細かく考えるのが嫌なタイプだ。カルトやミキラやミディは、いちいち相手の出方を伺うタイプだが……こういう時は、強引に

かっさらって行くのが正解だろ!)


「こ、こんな感じでいいの……? オフィ王子」


私が戸惑いながらもオフィカールの首に手を回した瞬間、グッと視界が高く

なった。


(リリィーナの心の声:ひぃーーーっ! こんなの恥ずかしすぎるよぉ!! 私の体、軽々とお姫様抱っこされちゃったし、何よりオフィ王子の顔が近すぎるってば!!)


「お、おうよ。しっかり捕まってな」


照れ隠しに不機嫌そうにオフィ王子が

そう言った、まさにその瞬間だった。


ピシッ――。突然、世界から音が消え、景色がガラスのように固まるのを肌で感じた。


「えっ……? みんな、どうしたの……?」


驚いて見回すと、動きを停止した王子たちが、まるで彫刻のようにその場で完全にフリーズしていた。


オフィ王子に抱き抱えられたまま、私だけが取り残されている。


(リリィーナの心の声:ちょっと待って、これってまさか、さっき私が作者に文句を言ったから――!?)


そう思った次の瞬間。ぐにゃりと空間が歪み、私は凄まじい浮遊感に襲われた。


気づけば、私は深夜の学校の廊下では

なく、見知らぬ見果てぬ土地に立っていたのだ。


「な、何ここ……!? きゃっ、あの乗り物、自動で動いてるわ! 馬車じゃあない……っ!?」見たこともない鉄の塊

(車)が轟音を立てて走り去っていく。


「……う、うるさいっ。何、このあちこちから聞こえる変な音は……!」野生の人格を持つ私の鋭すぎる耳に、現代社会の雑音(クラクションや都会の喧騒)が容赦なく突き刺さり、あまりのうるささに耳を押さえてうずくまってしまう。

完全なるパニックに陥っていた、その時。私のすぐ目の前で、呆然と立ち尽くしている一人の人物がいた。


その手には、四角く光る奇妙な板

(スマホ)が握られている。その人物は、目の前にいる私の姿を見て、顎が外れそうなくらい驚きに目を見開いていた。


「んっ? え、えっ、えええっ!? あ、

あなた、もしかして……リリィーナちゃんなの!? どうやってこの現実世界に来ちゃったの!?」


作者はスマホを持って街中をお出かけしている最中だった。当然、今まさに自分がスマホで執筆していた物語の主人公が、目の前に現れたのだからびっくりして腰を抜かしかけている。


「……? もしかして、あなたが作者さん? 私、現実に出会えてしまったの……?」


リリィーナは不安と驚きで胸をいっぱいにしながら、目の前にいる人物が本当に自分の運命を握る「神様(作者)」なのかを、じっと見つめるのだった。

【第79話 終わり】

第79話をお読みいただきありがとうございました!……えー、作者自身が一番びっくりしています。お出かけ中に街中でスマホをポチポチしながら「よし、今回はオフィカールくんのお姫様抱っこで胸キュン展開だ!」と書いていたら、まさか画面を突き破ってリリィーナちゃん本人が現実世界に逆異世界転移(トリップ)してきてしまいました……!作者と主人公、まさかの街中でのリアル対面です(笑)。耳を痛がっているリリィーナちゃんも可愛いですが、この後一体どうなってしまうのか!?そして、ヒロインを見失って小説の中でヤンデレ化しかけている残り4人の王子たちの運命は……!?次回、大台の【第80話】でこの爆笑&衝撃の展開の続きをお届けします!もし「面白かった!」「逆転移ウケるww」と思ってくださったら、ぜひブックマークや評価のポイント(★★★★★)、感想をいただけると執筆の励みになります!次回もお楽しみに!

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