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第69話『逆鱗に触れた代償』

いつも『二重人格(お上品&最強魔法)な私も野生な母親も四人の王子から溺愛中!』をお読みいただき、本当にありがとうございます!前回、魔法無効の魔物を前に絶体絶命だったカルトナージュとミキラ。そこへ猛スピードで駆けつけたリリィーナでしたが、なんと魔物の攻撃からリリィーナを庇ったカルトナージュが負傷してしまいます。実の兄、そして従兄弟でもあるカルトナージュは見てしまったのです。愛しいリリィーナの白い頬についた、かすり傷を──。「お上品王子」の理性が消え去り、瞳から光が消えたカルトナージュの、容赦なき【怒りの暴走】が今、始まります!それでは、第69話をお楽しみください!

 カルトナージュは、傷ついたリリィーナの顔を震える手でそっと撫でた。

その瞬間、今までにないほどの激しい

感情が彼を襲っていた。


(カルトナージュの心の声:リリィーナの顔に傷が……。今まで、リリィーナの顔に傷がついたところなんか見たことなかった……! 心から溢れかえるほどの怒りが込み上げてくる……!!)


 カルトナージュの瞳からは完全に光が消え失せ、底冷えするような深い闇が広がっていた。


「ウギャアアア!!」 


カルトナージュが静かにブチギレている背後から、魔物が再び凶悪な咆哮をあげて襲いかかる。しかし、カルトナージュはリリィーナの傍から一瞬にして掻き

消え、次の瞬間には魔物の目の前へと肉薄していた。


「遅いよ。もうちょいはよ来なよ。……もっとかかってきな──」 


つい先ほどまでボロボロだったはずの身体。それなのに、今のカルトナージュは疲れを微塵も見せないほどの神速で動き回っていた。


魔物の腕を容赦なく切り裂き、魔力で肉体を内側から破裂させていくその戦い方は、お上品で冷静だったいつものカルトナージュとは完全にかけ離れていた。


「あはは! 僕の可愛いリリィーナを

傷つけたんだ、これくらいじゃ足りないよね?」


と狂気混じりの笑顔を浮かべ、黒い魔力で引き裂かれた魔物たちの絶買いがグラウンドに響き渡る。 その異様な光景に、オフィカールが戦慄の声をあげる。


「お、おい、あれほんとにカルトかよ……! 今まであんな戦い方、一度もしたことねぇぞ……!」


(オフィカールの心の声:ずっと一緒に育ってきたけど、あんなカルトの戦い方はカルトじゃあねぇよ……! だって、あいつの瞳に、まったく光がねぇ

んだ……)


「カルトお兄様っ! 身体中ボロボロのはずなのに、あんなに素早く動けるなんてすごーい! これも愛の力!?」

 ミディティが引きつった笑顔ではしゃぎ声をあげる。しかし、その直後に彼の表情は恐怖に染まった。


(ミディティの心の声:……ち、違う。あれ、リリィーナちゃんの愛の力だと思ってたけど、どす黒い何か、カルト自身に囚われかけているんだ……っ!)


「あれは、やばいですね……。このままいくと、カルト自身が壊れていってしまいます。身体中がボロボロな状態であるにもかかわらず、限界数値を格段に引き上げて敵を倒していっているので」


 冷や汗を流しながら、ミキラが深刻な表情で状況を分析する。


(ミキラの心の声:元々カルトは大きな力を秘めていて、それを怒った時は

『キス魔』になることで何とか耐えていましたが……ついに一線を越えてしまいましたね……) 


その異様で圧倒的な光景を前に、誰もがただそこで立ち尽くすことしか出来なかった。 それでも、リリィーナはしっかりと王子たちの声を聞いていた──。


(リリィーナの心の声:やっぱりいつものカルトナージュじゃあないんだ。

ミキラが言っていた『秘めた力』って、まさに今起きていることなの……!? しかもオフィもミディも、すごく焦ってる心の声がするし、これって今一番ヤバいのってカルトなんじゃ……!?)


 そう、私は心の中で王子たちの心の声を整理している──。 


しかし、その間にもカルトナージュの暴せる姿はさらに激しさを増して荒れ狂っていた。


「ねぇ、もっと強いのはいないの? 

そこに隠れているんだろ。S級魔物、

出てきなよ! 僕が相手をしてあげるからさ──!」 


カルトナージュは狂気的な笑みを浮かべ、さらに周囲の魔物を容赦なく蹂躙していく。


(カルトナージュの心の声:ふふ、今僕すごく調子がいいな。身体中が軽くて、ボロボロだったはずなのにすごいね! この調子で全部倒しちゃお──)


 痛みを忘れ、限界を超えた力に脳を焼かれているカルトナージュ。 一刻も早く止めなければ、彼の肉体が崩壊してしまうのは時間の問題だった──。

(次回、カルトナージュの暴走を止められるのか!? どうぞお楽しみに!)

第69話をお読みいただき、ありがとうございました!リリィーナの傷にブチギレて、ボロボロの身体のままS級魔物すら煽り散らすカルトナージュ、恐ろしくも最高に格好よかったですね!しかし、脳内麻薬が出てハイになっているカルトナージュの心の声と、それを冷静に分析するリリィーナのギャップがたまりません。そして何より、ミキラの口から語られた「怒ったらキス魔になって耐えていた」という衝撃の事実……!このままカルトナージュの暴走が続けば、彼の身体が壊れるだけでなく、リリィーナにその「キス魔」の矛先が向いてしまうのでは……!?次回、リリィーナはこの超危険で過保護な暴走をどうやって止めるのか、どうぞお楽しみに!「カルトナージュの狂気無双、最高!」「キス魔の暴走が気になる!」と思ってくださった方は、ぜひ画面下の【ブックマーク登録】や【評価の星(★★★★★)】をぽちっと押して応援していただけると、執筆の大きな励みになります!

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