第64話:いざ戦いがはじまる
いつも応援ありがとうございます!今回は第64話、「いざ戦いがはじまる」をお届けします。ついに学園の結界が破られ、なだれ込んでくる魔物の大群!緊迫した状況の中、まずはオフィカール王子が豪快な「拳」で大暴れ!そしてミディティ王子が魔法を使うために構えた『杖』、そこからまさかの驚きの変化が……!?王子たちの華麗で個性豊かな戦闘スタイルの開幕を、どうぞお楽しみください!
学園を守る防衛結界の周りを、
おびただしい数の小さな魔物たちが埋め尽くしていた。
彼らが一斉に爪を立て、結界を激しく引っ掻いた、その時だった。
――ピキッ……!
静まり返った学園の敷地内に、不吉な亀裂の音が響き渡る。 一部が完全に破損した結界の隙間から、魔物たちが一斉に咆哮を上げた。
「うぎゃぁぁぁぁ!!! がぁあ!!」
耳を劈くような醜悪な声を上げながら、魔物たちの先遣隊がドッと結界の外へとなだれ込んでくる。
「よっしゃぁ! とうとう出てきやがったな!!」
それを待ち構えていたオフィカール王子が、獰猛な笑みを浮かべて地面を蹴り上げた。 彼は背中に大きな大剣を背負っている。しかし、迫り来る魔物の大群を前にして、武器を抜く気配は一切なかった。
「俺様はなぁ、剣で戦うより『拳』派なんだよぉ!! オラァッ!!」
凄まじい風圧とともに、オフィカールの重戦車のような拳が炸裂した。 ズドォォォンッ!!と空間を揺らすほどの衝撃波が走り、正面から突っ込んってきた魔物たちが、一撃で30匹近くもまとめて吹き飛んでいく。
吹き飛ばされた魔物たちは、地面に激突する前にパキィンとガラスのように砕け散り、キラキラとした美しい「宝石」へと姿を変えて転がった。
(※この世界では、魔物に剣や魔法、
物理攻撃を与えて倒すと、死体が残らずに『宝石』へと変わるシステムなのだ! 当然、倒した魔物が強ければ強いほど、ドロップする宝石の価値も跳ね上がっていく)
「へっ、どうだ! 魔物ども! 俺様の拳の味はよぉ!」
転がる宝石には目もくれず、オフィカールが嬉々として次の拳をバキバキと
鳴らす。
その男らしい肉弾戦の後ろから、
ミディティ王子がふわりと前に進み
出た。
「もー、オフィ兄様は相変わらず野蛮だなぁ。僕はこう見えて、ちゃんと杖で魔法を使うんだよねぇ」
ミディティが可愛らしくウィンクしながら空間に手を伸ばすと、光とともに一本の華奢な魔導杖が現れる。
「意外と、僕の見た目だと『杖で戦うなんて本当?』って疑われることが多いんだけど……実はこっちの方が、圧倒的に魔力を高められるんだよね。
それに、僕の得意な雷を落とすのにもぴったりなのぉ」
そう語るミディティだが、驚くべきは彼の手元だけではなかった。 杖を構えた瞬間、彼の周囲に魔力の奔流が渦巻き、身にまとっていた制服の形がみるみる変化していく。
光が収まったあとに現れたのは、
なんと、どこからどう見てもフリフリのレースがあしらわれた「魔法少女風」の可愛い衣装だった。
「えいやっ! 雷ちゃん、魔物たちをまとめて倒しちゃってぇー! ――
『プラズマ・シャワー』!!」
ミディティ王子がフリフリの魔法少女風衣装をなびかせ、可愛らしく呪文を唱える。 その瞬間、上空から激しいシャワーのような、無数の鋭い雷撃が魔物の大群へと容赦なく降り注いだ。
バリバリバリッ!!!と激しい爆音が響き渡り、雷に直撃した数十匹の魔物たちが、一瞬で綺麗な宝石へと変わって地面に転がっていく。
「やれやれ。なんだい? ミディ。その衣装、フリル抜群の魔法少女風だよねぇ。初めて見るよ、その格好」
凄まじい雷撃の横で、カルトナージュ王子が口元を手で隠しながらくすくすと笑っていた。
「ふふ、まさに『馬子にも衣裳』って感じだね。よく似合っているよ」
いつも通りどこか人を食ったような態度で、ミディティの可愛い戦闘服を(?)褒めちぎるカルトナージュ。言われた
ミディティは、一瞬で顔を真っ赤にして頬を膨らませた。
「いいじゃん、どんな服で戦ったって! この方が圧倒的に魔力が高まって、気合いが入るんだからっ! ふんっ!!」
「おっとっと」 恥ずかしさと怒りが限界突破したミディティは、杖を構えたままカルトナージュの背中をポコスカと可愛く叩いて抗議する。
「まぁまぁ、落ち着きなよ、ミディ。
ほら、前の方から新しい敵がやってきているよ?」
カルトナージュはミディティの拳を軽くあしらいながら、こちらへ向かって這い寄ってくる次なる魔物の大群へと、冷酷な視線を向けた。
いつもはリリィーナへの甘々な独占欲しか見せないカルトナージュ。だが、戦場に立つ彼の本質は、底の知れない戦闘狂だ。
「僕の得意分野はね、風魔法と……相手の『脳を刺激する言葉』を発することなんだけど。今回はリリィーナちゃんを待たせているからね、力加減とか、一切してあげないよ?」
カルトナージュがそう呟いた瞬間、彼の周囲の空気が一変し、肌を刺すような冷たい暴風が吹き荒れる。
指先をスッと魔物たちに向け、彼はこの世のものとは思えないほど美しい、けれど残酷な笑顔を浮かべた。
「――ねぇ、魔物たち。僕の魔法に耐えられなくて一瞬で壊れちゃったら、リリィーナちゃんへのいいアピールにならないからさ。……簡単には、倒れない
でね?」
(次回、カルトナージュ王子のドS魔法炸裂!? お楽しみに!)
第64話をお読みいただきありがとうございました!ついに開戦しましたが、オフィカール王子のまさかの「大剣背負って拳で殴るスタイル」が格好よすぎました。倒した魔物が宝石に変わるシステム、なんだかゲームみたいで集めたくなっちゃいますね(笑)そして、今回の最大の見どころはミディティ王子の魔法少女風衣装です!フリフリのレースをなびかせながら、容赦なく『プラズマ・シャワー』の雷を落とすギャップが可愛すぎます。カルトナージュ王子に「馬子にも衣装」っていじられてポコスカ叩いてるのも微笑ましいですね(笑)……からの、ラストのカルトナージュ王子の冷徹なドS戦闘狂モード。「簡単には倒れないでね?」というセリフに、魔物の方に同情しそうになってしまいます。「ミディティ王子の魔法少女姿、イラストで見たい!」「カルトナージュ王子の底知れない強者感がゾクゾクする!」「魔物が宝石に変わる設定、お小遣い稼ぎになりそう!」と思ってくださった方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークで応援していただけると非常に励みになります!次回、ついにカルトナージュ王子の恐ろしい風&精神魔法が炸裂!?第65話もお楽しみに!




