表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/65

第63話:魔物に着いた先には

いつも応援してくださり、本当にありがとうございます!前回の番外編(作者インタビュー)はお楽しみいただけましたでしょうか?今回は第63話、ガッツリと本編に戻ります!置いていかれたリリィーナを尻目に、先行して現場へ到着した4人の王子たち。しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する魔物の大群と、不気味な強敵の気配でした。息を切らす王子、楽しそうな王子、命がけで敵を抑える王子……4人それぞれの「強者の顔」をどうぞお楽しみください!

 学園のグラウンドへと続く広場に、

4人の王子たちは猛スピードで駆けつけていた。 


しかし、現場へと到着した彼らの目に飛び込んできたのは、想像を絶する最悪の光景だった。


「な、なんだよこれ……! 予想以上に数が多すぎるじゃねぇか!」


 最前線に立ったオフィカール王子が、息を荒くしながら忌々しげに吐き捨てた。 その視線の先では、学園を守る防衛結界に、おびただしい数の不気味な魔物たちが群がって激しく爪を立てて

いる。


「弱っちい雑魚どもが必死に結界を破ろうとしてるのは分かる。だけどよぉ……あの一角だけ、放っている魔力が尋常じゃねぇぞ……!」


 オフィカールは鋭い視線で、大群の奥を睨みつけた。 結界を攻撃する雑魚どものさらに後方。

そこには、じっと戦況を見つめている、身の毛もよだつほど強大で不気味な魔物の気配がハッキリと存在していた。


「はぁ、はぁ……っ、ちょっと、待って……。っ、えっ? 何この大群……」


 その隣で、ミディティ王子が両手を膝について、必死に肩を上下させて息を整えていた。 リリィーナの前からここまで、文字通り死に物狂いの全力疾走をしてきたため、さすがに息切れが凄まじいようだ。


 乱れた前髪の隙間からグラウンドを見渡したミディティは、その圧倒的な数の暴力に一瞬だけ呆気にとられていた。


「うわぁ……。僕たちに力があるのは確かだけど、これ、軽く300匹はいるよね?」


 普通なら絶望して足がすくむような数だ。 けれど、ミディティはすぐにフッとあざとい、けれど底冷えするような笑みを口元に浮かべた。


「――まぁ、いいや。僕、最近リリィーナちゃん関連で色々とストレスが溜まってたから、ちょうどいいや」


 可愛い顔をぷんぷんと怒らせながらも、その手にはすでに容赦のない攻撃魔法の光がバチバチと集まり始めている。彼にとっては、この300匹の大群すらも、溜まったフラストレーションをぶつけるための格好の「砂袋」に過ぎない

らしい。


  オフィカールとミディティが息を切らす中、カルトナージュ王子はここまで全力で走ってきたというのに、額に汗ひとつかいていなかった。それどころか、息すら全く上がっていない。


「……ふむ。予想以上に多いねぇ」 


カルトナージュは静かに目を閉じ、自身の『魔力感知』を広範囲に張り巡らせていた。 そうして冷静に敵の全貌を把握していく彼の口元が、ゆっくりと吊り上がっていく。


「ふふ、まだまだこれから増えそうだよ。あとプラス400匹くらいかな~?」 


合計700匹にも膨れ上がろうとする魔物の大群。普通なら絶望するようなその数字を前にして、カルトナージュの美しい顔は、まるで楽しそうな玩具を見つけた子供のように歓喜に染まっていた。 


そんなカルトナージュの異常な余裕とは対照的に、ミキラカーデ王子はただ一人、尋常ではない冷や汗を流していた。


「……っ、くそ……!」


 ミキラはいつもかけている眼鏡を乱暴に外すと、険しい表情で大群の奥を睨みつけた。 王族の血を引く者であれば誰もが使える、強力な敵の動きを封じる秘技――『魔力鎖まりょくさ』。


 今まさにミキラは、その光の鎖を奥に潜む一番強い個体へと巻き付けていた。しかしこの技は、相手が強ければ強いほど自身の魔力をえげつない速度で持っていかれるため、魔力の消費が凄まじい

のだ。


「……おや、これはちょっと。一番強い敵に、ごっそりと魔力を持っていかれてしまっていますね……っ」


 ミキラは歯を食いしばり、必死に魔力を放出し続ける。 学園でもトップクラスの魔力量を誇る自分が、これほど圧倒されるなんて有り得ないはずだった。


「私の魔力は結構ある方だと自負していましたが……その私を超える魔力を持つ敵がここにいるのだとしたら、これは相当ヤバいですね……!」


 押し寄せる魔力の奔流に耐えながら、光の鎖が引きちぎられないように全神経を集中させるだけで、今のミキラは完全に手一杯だった。


 結界を叩き割ろうとする数百の雑魚

ども。 ミキラの魔力を喰らいながら、今にも鎖を食い破ろうとしている未知の化け物。


 国を背負う最強の4人をもってしても、今回の「緊急事態」はかつてないほどの死闘になることを予感させて

いた――。

(次回、王子たちの総力戦開幕!

お楽しみに!)

第63話をお読みいただきありがとうございました!ついに本格的なバトル編(魔物強襲編)がスタートしました!全力疾走で息を切りながらも「ストレス発散にちょうどいい」と笑うミディティ王子や、敵が増えると知って逆にワクワクしているカルトナージュ王子の強者っぷり、書いていてゾクゾクしました(笑)そんな中、いつもは冷静なミキラカーデ王子が眼鏡を外して必死に『魔力鎖』を維持している姿は、今回の敵のヤバさを物語っていますね……!果たして王子たちは、この300匹(さらに増える?)の大群をどう迎え撃つのでしょうか!?「カルトナージュ王子の戦闘狂な笑顔がたまらない!」「ミキラ王子、頑張って鎖を維持してー!」「ここからのバトル展開がめちゃくちゃ楽しみ!」と思ってくださった方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークで応援していただけると、毎日の執筆の大きなパワーになります!次回、ついに王子たちの総力戦&大無双が始まります!第64話もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ