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第60話:王子たちのアピール後編

いつもお読みいただきありがとうございます!今回は「王子たちのアピール後編」をお届けします。前話のミディティの逆お姫様抱っこを見て、ヤンデレなカルトナージュ王子が激しい嫉妬を爆発させます!さらに、これまで冷静だったミキラカーデ王子にも心境の変化が……?そしてラストは、バケツを持ったあの王子がやらかして大パニックに!?どうぞ最後までお楽しみください!

 そんなミディティの逆お姫様抱っこを見て、カルトナージュは激しい嫉妬心で溢れかえっていた。


「ミディだけずるいなぁ! 僕だってリリィーナにお姫様抱っこしてもらったことないのに! 水の上のスライディングの

初めては僕が奪いたかった……!」

(カルトナージュ:

『キスは初めて奪ったけど、お姫様抱っこまで取られちゃうなんて羨ましすぎる! 生まれて初めてミディのあのあざとい性格を羨ましいと思ったよ……!』)


 カルトナージュは「きぃーっ!」と悔しそうに歯噛みしながら、ミディティをキッとキツい目で睨みつけた。


 指をくわえて見ている性分ではない彼は、すぐに次の行動を起こし始める。


「リリィーナ、僕だけを見てよ! 見て、僕ならリリィーナより早く雑巾がけができるから勝負しようよ!」


 そう、カルトナージュは私に対決を挑んできたのだ。 理由は単純。野生の私なら「対決」という言葉に絶対に食いついてくると、彼は見抜いていたからで

ある。


「えっ、雑巾がけで私に勝負を挑むなんていい度胸じゃん! おもしろそう、受けて立ってあげるよ!」


 ニカッと楽しそうに笑う私の隣で、

ミキラカーデがとうとう重い口を開いた。


「ふむ。ミディは可愛くおねだりして

ハプニングを装いお姫様抱っこされ、

カルトは彼女の気質を理解して対決を挑む。……兄弟として一緒に暮らしてきましたが、女子一人でここまで全員が変わるなんて、誰も予想はしなかったでしょうね。私もまた、その一人ですが」


 手元のノートにペンを走らせる

ミキラ。しかし、その耳元はわずかに赤く染まっている。


(ミキラ:『女子一人にここまで男たちが夢中になってしまうなんて。彼女から放たれる魅力のせいで私たちが狂わされている……ううん、違う。私たちは、

彼女自身に、心から惚れているんだ』)


 その後も、4人の王子たちは私への

アピールを続けていた。 もっとも、ミキラカーデ王子だけはアピールというよりも、他の3人の必死な行動を興味深そうに観察してノートにメモしているだけだったけれど。


 そんな男たちの様子に対する私の反応はといえば――ぶっちゃけ

「早く掃除を終わらせて帰りたい!」という気持ちが9割勝っていた。

 でも、カルトナージュ王子の

「雑巾がけ勝負」という言葉には、

ちょっとだけ興味を惹かれていたのも事実である。


「はぁ……。王子たち、いい加減掃除しようよ! いつまでたっても終わらないじゃん!」 


早くして、と急かす私の声が廊下の奥まで響き渡った、その瞬間だった。


 ずっとドヤ顔でバケツを3つ持ち続けていたオフィカール王子の腕が、限界を迎えてグラリと大きく揺れた。


「あ、おいオフィ、待て――」


「うおっ!? やべっ!」 


カルトナージュが叫ぶのと同時に、オフィカールの手からバケツがすり抜け――バシャァァァーーン!!! と、せっかく私が綺麗に吸い取った床へ、再び大量の水がぶちまけられたのだ。


「あ、やべ。さすがにずっと持ってるのはキツかったか? でも、俺的には余裕だったんだけどなー……って、あ!」


 オフィカールが呑気に頭を掻いた時

には、もう遅かった。 水浸しになった床は、私が完璧に磨き上げたせいで、

鏡のようにツルツルのスケートリンク状態。


 バケツを落としたオフィカールがツルッと滑り、その巨体が隣にいたミキラを巻き込み、さらにミキラが近くにいたミディティにぶつかり、ミディティの手がカルトナージュの服を掴み――。 


1人、また1人と、国を背負うはずの最強の王子たちが、見るも無惨にスライディングしながらドミノ倒しになってこちらへ突っってくる!


(カルト・ミディ・ミキラ・オフィ:

『リリィーナ、受け止めてくれぇぇぇ!!!(分析データがぁぁ!)』) 正面から迫り来る、王子4人分の超高速人間ドミノ。


 このままでは、王子たちに押し潰されて全員で床に激突し、また全員揃ってびしょ濡れになってしまうのは確実

だった。


 果たして王子たちはこのままドミノ倒しになって、みんなでリリィーナに突っ込んでまたびしょ濡れになってしまうのか……!? それとも、怒ったリリィーナが魔法を使って王子たちを浮かび上がらせるのだろうか……!? 

次回をお楽しみに!

第60話をお読みいただきありがとうございました!ついに大台の60話です!ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます!カルトナージュ王子の必死な勝負の挑み方も、ミキラ王子の「彼女自身に惚れているんだ」という心の声も、それぞれの溺愛っぷりが出ていてお気に入りです。……なのに、最後のオフィカール王子がすべてを台無しにする大惨事を引き起こしてしまいました(笑)ツルツルの床の上を、国を背負う王子たちがドミノ倒しで突っ込んでくる恐怖の光景……リリィーナはどうなってしまうのでしょうか!?「カルト王子のヤンデレ嫉妬かわいい!」「ミキラ王子の心の声にキュンとした!」「オフィカール、何やってるのーーー!(笑)」と思ってくださった方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークで応援していただけると、今後の執筆の大きなパワーになります!次回、この大ピンチをリリィーナはどう切り抜けるのか!?第61話もお楽しみに!

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