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第59話王子たちのアピールモード前編

いつもお読みいただきありがとうございます!居残り掃除を命じられたリリィーナたち。ようやく王子のたちの足の痺れが治り、アピールタイム(?)が始まります!脳筋オフィカール王子と、あざと可愛いミディティ王子の空回りっぷりをどうぞお楽しみください!

 私の凄まじい雑巾がけ姿に、

4人の王子たちはしばらく呆然と見とれていた。 


しかし、ようやく足の痺れが治り、

男たちが一斉に動き始める。


「よし見てろ、野生リリィーナ! 俺は

バケツ3つも持てるんだぜ! ほら!

ほら!」

(オフィカール:『こんなの、力が強い方が役に立つって男なら誰でもわかるぜ! 力持ちでお米とか荷物とかを余裕で持てる男の方が、絶対にモテると俺は思う!』) 


そう言ってオフィカールはドヤ顔でバケツを3つも持ち上げたのはいいが、

足元はまだ生まれたての小鹿の名残のせいでフラフラしている。 


今にも水をぶちまけそうで、

見ていてハラハラしてしまうほど

だった。


(カルトナージュ:『おいオフィカール、汚い水をリリィーナに飛ばしたら

タダじゃおかないからね?』)


(ミキラカーデ:『重心のバランスが最悪ですね。そのまま倒れて床の摩擦抵抗を身をもって計測しますか?』) 


周囲の冷ややかな視線にも気づかず、

オフィカールは必死に筋肉をアピールしている。


「男子は力が強いだけじゃ足りないよ。もっと磨くべきところがあると

思うよ?、オフィカール王子?」


 そう言い放つ私の心の中

(お上品な表の人格)は、冷静に

ダメ出しをしていた。


(心の声:『……筋肉自慢は結構ですが、力が強いだけでは私を守れませんのよ? なんせ私、自分でも制御できない

ほどやんちゃ(野生)なんですもの。

そんなことにも気づかない脳筋オフィカール様、もっと頭を使ってお掃除をなさいまし』)


 そんな男たちの空回りをよそに、今度はミディティが動き出す。 私が猛スピードで雑巾がけをしている進路の真っ正面に回り込むと、わざとらしく体を引きずり、よろける振りをし始めたのだ。


「リリィーナちゃん〜〜床が滑りそうなのぉ〜〜。だから僕を受け止めてねぇ〜〜ん?」 


表向きはそう言って、どさくさに紛れて抱きつく気満々のミディティ王子。 

しかし、私が磨き上げた床があまりにもピカピカに光っているのを見て、ふと

正気に戻り、そっと床を歩いてみることにしたらしい。


(ミディティ:『……というか、冗談抜きで本当にこの床滑りそう……! 何故かリリィーナちゃんが綺麗にした床、キラキラ輝きすぎて上の天井が鏡みたいに映るくらいピカピカんだよね。すごいなぁ……』)


「わぁ!? やっぱりツルツルしすぎて、本当に滑ってコケちゃう――っ!?」 


ミディティ王子が慎重に一歩を踏み出した瞬間、まさかの本当にツルッと足が

滑るアクシデントが発生!


 予想以上の大スライディングに、

王子はなす術もなく、思わずぎゅっと目を閉じてしまった。 


痛い衝撃を覚悟したミディティ。 

だけど、ふと気づくと、お尻に痛みが走る代わりに――身体がふわりと宙に浮いていた。


「もう、ミディティ王子は可愛いだけじゃなくて、危なっかしいところもあるんだね。私が守りたくなるじゃん」


「……えっ?」 


恐る恐るミディティ王子が目を開けると、そこには私がいた。


 雑巾を持ったままの腕で、華奢なはずのミディティの身体を軽々と

「お姫様抱っこ」でガシッと横抱きに

キャッチしていたのだ。


 夕方の教室の光が、窓から私たちの

シルエットを逆光で照らし出す。


「「「なっ……!!!」」」 


まさかの『逆お姫様抱っこ』という衝撃の光景に、残された3人の王子たちの

顎が外れんばかりに外れたのは言うまでもない。 


夕方の光に照らされた私の姿は、

あまりにも男前で、ミディティ王子の

目にはまるで「本物の王子様」に見えてしまっていた。


(ミディティ:『……え、嘘。リリィーナちゃん、かっこよすぎるよぉ……!

腕の中がすっごく温かくて、ドキドキが止まらない……。僕、もうリリィーナちゃんにお嫁に行きたいかも……!』)


 完全にハートを射抜かれて顔を真っ赤にするミディティ王子。 しかし、表向きはイケメン全開で微笑んでいる私の心の中(お上品な表の人格)は、大火事のようなパニック状態に陥っていた。


(心の声:『……いやあああーーーーーっ!!! 何をやっていらっしゃいますの私!? なぜ淑女たる私が、殿方をお姫様抱っこなんてして差し上げていますのーーーっ!? しかもミディティ様、頬を染めて乙女のようなお顔で見つめないでくださいまし! 恥ずかしすぎて、

今すぐこの床に穴を掘って埋まりとう

ございますわーーーっ!!!』)

次回はカルトナージュとミキラカーデの

アピールする番です!

果たしてどんなアピールをするの

でしょーか?お楽しみに

第59話をお読みいただきありがとうございました!まさかのリリィーナ王子(?)による、ミディティ王子の逆お姫様抱っこが炸裂してしまいました!これには残された3人の王子たちも大嫉妬間違いなしですね(笑)心の中で大パニックになっているお上品なリリィーナも健気で可愛いです。「リリィーナ、男前すぎる!」「ミディティ王子、完全にヒロインじゃん!」と思ってくださった方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークで応援していただけると、今後の執筆の大きな励みになります!次回、この光景を見たカルトナージュとミキラはどう動くのか……!?記念すべき第60話もお楽しみに!

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