第57話騒ぎを駆け付ける校長
いつもお読みいただきありがとうございます!第57話の更新です。ずぶ濡れで正座させられる王子たちという前代未聞の事態の中、ついにあの人が現場に駆けつけます。大惨事になった廊下、情けない姿の王子たち、そして何より変化したリリィーナの姿を見た校長の反応は……!?この世界における大切なキーワード『覚醒』の秘密も明らかになります!それでは、本編をどうぞ!
ザァァァァァ……と、天井からの大雨がようやく収まりかけた、
その時だった。
「なんじゃあ、この騒ぎはーーーーっ!!!」
廊下の向こうから、ものすごい大声とともに、息を荒くした校長先生が駆けつけてきた。
しかし、現場に到着した校長先生は、一歩足を踏み入れた瞬間にその場でガチガチと固まってしまった。
無理もない。 校長先生の目の前に広がっていたのは、まさに「カオス」そのものの光景だったのだから。
天井からは水がポタポタと滴り、廊下は完全な水びたし。 壁には大魔法の跡が無惨に刻まれ、まるで激しい戦場跡
のようになっている。
そして何より――。 この国を背負って立つはずの偉大な4人の王子たちが、全員揃って生まれたての小鹿のように足をプルプルと震わせ、情けなく床にへたり込んでいるのだ。
さらに、校長先生の目は、ある一人の人物へと向けられて釘付けになった。
「わ、わしの大切な学園で、一体全体何しとんだじゃぁぁ!!! しかも、ミキラくん! 君、王族っていうことが周りにバレとるやんかい!! どうなっとるんじゃ、これはーーーっ!!」
身分を隠して入学していたはずのミキラカーデの正体まで、完全に白日の下に晒されている。
周囲の女子生徒たちも、隠しきれなくなった王族のオーラを放つミキラを前に、まだザワザワと興奮を隠せない様子だ。 校長先生は、今まさに目の前で起きているあまりの異常事態の多さに、脳の処理が追いつかないようだった。
「はぁぁぁ……」と、本日一番の深いため息をつき、頭を抱える校長先生。
しかし、彼がふとリリィーナの姿を
真っ正面から捉えた瞬間、その目は今度こそ飛び出さんばかりに見開かれた。
「……な、なんじゃこれはっ!? リリィーナさん、君……もしや『覚醒』したんか!?」
校長先生の声が、驚きのあまり裏返る。 そうなのだ。 この世界における
『覚醒』――それは、誰かを守りたい、あるいはもっと強くなりたいと心から願った時、魂の奥底に眠っている強大な力が解き放たれる現象のこと。
覚醒を果たすと、その強大な魔力に影響されて、髪色や目の色、さらには人格までもがガラリと変わってしまうことがあると言われている。
今のリリィーナの姿は、まさにその
伝説の『覚醒』そのものだった。
「これはまた……とんでもない大事になりそうじゃぁ……」
廊下の崩壊、王子たちの正座、王族の身分バレ、放置された水たまり、そして極めつけはヒロインの覚醒。
校長先生は、もうこれ以上の現実を受け入れたくないと言わんばかりに、その場にがっくりとしゃがみこんだ。
そのまま両手を床につき、この世の終わりを迎えたかのような絶望の表情で、
ガタガタと膝を震わせる。あまりのショックに、老体のエネルギータンクが完全に空っぽになってしまったようだ。
そんな、完全に心がポッキリ折れてしまった学園のトップを前に、王子たちはというと――。
(オフィカール:『……チッ、校長まで来やがったか。っていうか、リリィーナが覚醒したってマジかよ? どおりでさっきから、野生の時とはまた違う、めちゃくちゃ可愛いのにヤベェ覇気を感じるわけだぜ……!』)
(ミディティ:『あちゃ〜、校長先生、完全に魂が抜けちゃってるねぇ。でもそんなことより、覚醒したリリィーナちゃんの髪の毛、すっごく綺麗……! 触ったらどんな感じなのかなぁ。ねえ、ちょっと触ってもいい?』)
(カルトナージュ:『リリィーナが覚醒した……? 誰かを守りたいと願って目覚める力……。ねえ、リリィーナ。君が守りたかったのって、もしかして僕の
こと? そうだよね? ああ、愛が深すぎて頭がどうにかなりそうだ……!』)
(ミキラカーデ:『ほう、これが文献でしか見たことが難しかった『覚醒』の輝きですか。髪色や雰囲気までここまで変わるとは……素晴らしい。
非常に興味深いサンプルです。もっと
近くで観察させてくれませんかね?』)
校長先生が絶望の淵に立たされている中で、4人の王子たちは、校長のことなど1ミリも心配していなかった。
彼らの視線は相変わらず、覚醒してさらに美しさと魅力を増したリリィーナへと、熱く、そして深く注がれているの
だった――。
第57話をお読みいただき、ありがとうございました!情報量が多すぎて、ついに心がポッキリ折れてしまった校長先生でした(笑)。そして、ついに明かされたリリィーナの『覚醒』。髪色や目の色が変わったリリィーナに、王子たちの過保護と独占欲はさらに加速してしまいそうな予感がします……!校長先生の胃の痛い日々はまだまだ続きそうです。「校長先生の絶望っぷりに笑った!」「覚醒したリリィーナが格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひ画面下にある【ブックマーク】や、広告の下にある【評価(☆☆☆☆☆を★★★★★に!)】で応援していただけると非常に励みになります!感想やレビューもお気軽に書き込んでみてくださいね。次回、第58話もどうぞお楽しみに!




