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第56話王子たちの心の声

お待たせいたしました!第56話の更新です。前回、学園の廊下で大喧嘩を始めた最強の王子たちに、ついに怒りの大雨(お説教)が降り注ぎました。今回は、ずぶ濡れで正座をさせられている王子たちの「心の声」をたっぷりお届けします!いつもは完璧な彼らの、ちょっぴり情けない(?)本音を覗いてみてください。それでは、本編をどうぞ!

ザァァァァァーーーッ!!!

 降ってきた天井からの大雨。

 逃げる間もなく頭から大量の水を浴び、完全なずぶ濡れになってしまった

4人の王子たち。


 そこから、リリィーナとラトラによる怒涛のお説教タイムが始まった。 静まり返った学園の廊下に、二人の怒りの声が響き渡る。 それから、およそ一時間が経過した頃――。


 王子たちは、ただただ淡々とお説教を受け続けていた。 ここで、彼らが心の中で何を思っているのか、少し覗いてみることにしよう。


(オフィカール:『……なぜ俺が怒られているんだ? しかも、長いと思えるほどの説教を食らってるし。水に濡れたおかげで身体が冷え切っているのに、正座をしすぎて足がじんじんするぜ……』) オフィカールは心の中ではものすごーく不服に思っていた。風邪をひかないか心配しつつ、足の痺れも相まって、自分だけ災難だと激しく理不尽さを

感じている。


(ガチガチと小刻みに奥歯を鳴らしながリリィーナの顔を恨めしそうに見上げることしかできない。)

ミディティ:『あ〜、長いなぁ。リリィーナちゃんって、怒るとこんなにネチネチ言うんだなぁ。あ〜、早く終わらないかなぁ。足も痺れてきちゃったし、どうしようかな……』)


 ミディティは彼女の意外なネチネチした性格に驚きつつも、限界を迎えた足の痺れを前に、この後どう切り抜けるべきか悩んでいた。


(カルトナージュ:『ふぅ、水にも濡れ、そしてリリィーナとラトラにお説教されるなんて……。こんなに僕たちのことを見つめてくれる時間、今までになさすぎて逆に嬉しいな。もっと僕を見て、お説教してくれ……』) 


カルトナージュは、出会った時からここまで自分たちを凝視されたことがなかったため、むしろ嬉しそうにお説教を受け止めていた。

相変わらず独占欲の方向性が

ズレている。


(ミキラカーデ:『いいですねぇ。僕、初めて人に説教されていますが、人は怒るとネチネチ言うことが分かったのです! これは非常に興味深い。もっと僕を……』) 


ミキラカーデは人間の感情を研究対象として、どこか冷静に観察していた。 

表には出さず、裏(心の中)だけで、

フッと息を整えようとした――その時である。


「ヘックチュン、ずぴっ!」 


静まり返った廊下に、ミキラカーデの予想外に大きな、そして少しマヌケな響きのくしゃみが鳴り響いた。本人は慌てて鼻を押さえている。


(ミキラカーデ:『あれ? 裏でくしゃみが出たと思ったのですが、表に出てしまいましたね。まあ、これで私を見つめてくれたら嬉しいんですけど』) 


そんな彼の淡々とした心の声とは裏腹に、目の前で腕を組んでいたリリィーナとラトラは、一瞬で顔を見合わせた。

「ちょっと、ミキラ……大丈夫?」 


リリィーナが呆れつつも、少し心配そうにミキラカーデの顔を覗き込む。

 ラトラも眉をひそめて、冷たい視線の奥に少しだけバツの悪そうな色を浮かべた。


(ラトラ:『……流石に一時間近くもお水を浴びたまま正座させていたのは、やりすぎましたかしら。いくら最強の王族とはいえ、風邪でもひかれたらこちらの寝覚めが悪うございますわ』)


「……はぁ。もういいわ、お説教はここまで! 全員、立ち上がりなさい!」


 リリィーナラトラがそう告げた瞬間、王子たちの間に激震が走った。


「お、終わった……!」


「やっと立てるぅ……」


 オフィカールとミディティがホッとした表情を浮かべ、よろよろと立ち上がろうとした――その時である。


「う、うわっ!?」


「あ、足が……動かないぃ……っ!」


 なんと、一時間ものガチ正座のせいで、4人の足は完全に限界を迎えていた。ジンジンとしびれ上がった足に力が入らず、オフィカールとミディティは

生まれたての小鹿のように膝をガクガクと震わせ、そのまま床へ崩れ落ちてしまったのだ。


(いつもは威風堂々としている美形たちが、一斉に情けない声を上げて床をのたうち回っている。)


「ちょっと、何やってんのよ……」


(リリィーナはジト目になりながら、額に手を当てて深い深いため息をついた。)


 呆れるリリィーナだったが、カルトナージュだけは違った。 彼は足の痺れなど全く気にしていないかのように、床に這いつくばったまま、濡れた瞳でリリィーナをじっと見上げてきたのだ。


「リリィーナ……僕、ちゃんと反省したよ? だから、もう怒らないで? ……

ねえ、それよりミキラばっかり見ないで、僕のことだけずーっと見てよ……?」


(カルトナージュ:『ミキラのやつ、わざとらしくくしゃみなんかしてリリィーナの気を引こうとするなんて許せない……! リリィーナが心配するのは僕だけでいいんだ。早く抱きしめて、この冷えた身体を温めてもらいたいな……!』)


 カルトナージュの相変わらずの重すぎる独占欲と過保護な心の声に、リリィーナの野生のカンが「危険」を察知して一歩後ろに下がる。


「……やっぱり、カルトナージュは全然反省してないじゃない!!」


 せっかく終わるはずだったお説教タイムに、再び不穏な空気が流れ始める。 


ずぶ濡れで足が痺れた最強の王子たちと、まだまだ怒りが収まらない二重人格美少女。 学園の廊下のドタバタ劇は、まだまだ終わりそうにないのだった――。

第56話をお読みいただき、ありがとうございました!一時間のお説教の末、無事に(?)足が痺れて崩れ落ちた王子たちでした。カルトナージュの執着心は、正座をしても健在のようです(笑)。ミキラカーデのまさかの計算外なくしゃみも、これからどう響いていくのでしょうか……!もし「王子たちの正座姿、ギャップがあって可愛い!」「リリィーナとラトラのお説教スカッとした!」と思ってくださったら、ぜひ画面下にある【評価(広告の下にある☆☆☆☆☆)】や【ブックマーク】をポチッと押して応援していただけると、執筆の励みになります!感想やレビューもお待ちしております。次回、第57話もどうぞお楽しみに!

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