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第55話水を浴びた王子達に説教

お待たせいたしました!第56話の更新です。前回、ラトラの魔法によって天井から猛烈な大雨を降らされた王子たち。今回は、ずぶ濡れになった彼らの「いつもは見られない姿」に、廊下の女子生徒たちが大興奮してしまいます!「水も滴るいい男」になった4人の個性豊かなリアクションと、ブチギレたリリィーナ&ラトラによる爆笑のお説教タイムをどうぞお楽しみください!

 ザァァァァァーーーッ!!!

と降ってきた天井からの大雨。


 逃げる間もなく頭から大量の水を

浴び、完全なずぶ濡れになってしまった4人の王子たち。


 いつもなら完璧に整えられているはずの彼らの、あまり見られない乱れた姿に、廊下に集まっていた女子生徒たちは一気に興味津々になっていた。


 なぜなら――。

「きゃああっ! 

見て、オフィカール様が……っ!」


「水も滴るいい男って、まさにこのことね……!」 


よくことわざで言われる通り、水を浴びた王子たちは、言葉を失うほどに美しかったのだ。


 濡れた髪を無造作に手でかき分けた

瞬間、そこからのぞく彼らの顔は、キラキラとした光を放つほどに格好いい。


 それだけではない。 水をたっぷりと吸って肌にピッタリと張り付いた制服のシャツからは、日頃から厳しく鍛え上げられていることが一目でわかる、見等な腹筋のラインが透けて見えていた。


 廊下のあちこちから、女子生徒たちの黄色い悲鳴が沸き起こる。 そんな、全女子を虜にする王子たちのセクシーな姿を見て、人間に戻ったリリィーナと

ラトラは――。(リリィーナ:『……

ふーん。顔と身体だけは、相変わらず無駄にいい男なんだよねぇ』)

(ラトラ:『ええ、目の保養にはなりますわ。……ですが、わたくしたちをここまで困らせたお仕置きが、水一杯で済むとお思いになって?』)


 惚れ惚れとするどころか、二人の二重人格美少女は、その美しい瞳の奥で、

さらに恐ろしい「何か」を企んでいるようだった。


「てめぇ! 野生リリィーナ! カルトだけでいいじゃねぇか、頭冷やすの! なんで俺まで一緒に喰らわなきゃいけねぇんだよ!」 


水を浴びて顔を濡らしながら、オフィカールが髪の毛を大きく手でかき分け、

リリィーナに向かって叫んだ。


(オフィカール:『き、キスしたのはカルトじゃねぇか! 俺はなーんもしてねぇのに水浴びさせられたし……これじゃ入学式の時と一緒じゃねぇかよ……!』)


 オフィカールは内心で、入学式の日の悪夢を思い出して激しく理不尽さを感じていた。


「でも、ワインよりかはマシかなぁ。だってワインはベタベタしたし、今回はお水だから……ね? もっと僕が可愛く見えちゃうかもぉ」


 ミディティは濡れた前髪の間から、

くりくりとした大きな瞳を瞬かせ、あざとにポーズを取って周囲のファンへ

すかさずアピールを始めた。


(ミディティ:『んもう! リリィーナちゃんったら、入学式の時もそうだけど、何かと僕たちに水を浴びせるよね! もしかして、浴びせるのが好きなのかなぁ? ……はぁ、あとでたっぷりお仕置きしたくなっちゃうなぁ……』)


 一方、そんなドタバタ劇の中で、一番劇的な変化を遂げていたのはミキラカーデだった。


 天井からの激しい水を頭からまともに喰らったことで、今までの戦闘で汚れていた服や、顔周りの汚れが一気に綺麗に洗い流されたのだ。 


汚れが落ちたことで、彼の本来の鮮やかな髪色や、彫刻のように整った顔立ちがくっきりと剥き出しになる。


 格好良さが格段に増したことで、廊下の女子の黄色い悲鳴はさらに鳴り止まなくなっていた。 


ミキラカーデはもう、彼女が『

女神の器』だと分かった瞬間のことが忘れられず、顔がニヤけるのを止められずに言葉を放つ。


「ふふふっ、水を出す魔法ー! しかもこんなに威力があり、女神様の個体を持つ生まれ変わりなら、納得が行きます」(ミキラカーデ:『しかも今日、自分が王族だとバレるおまけ付きとは予想外でしたが……女神様の器、いや生まれ変わりをこの目で見られたのです。よしとしましょうか』) 


その頃、カルトナージュといえば。 

イライラしてキス魔が暴走していた真っ最中に、上からいきなり水が降ってきたため、目をぱちくりさせながら濡れた髪を手でかきあげていた。


「……水? あっ、頭を冷やせってことかぁ。でも、今回は仕方なくない? リリィーナがミキラに奪われると思って戦ったんだし、僕、悪くないはずだよね?」 


カルトナージュは可愛らしく首を傾げながら、一人で真剣に考え込んでいた。

(カルトナージュ:『水も滴るいい男って、こういうことを言うんだね。まさか水を浴びることになるとは思わなかったけれど……。まぁ, 頭も冷えたからいっか』) 


ずぶ濡れになりながらも、全く反省していなさそうな4人の王子たち。


 そこでリリィーナとラトラは、すっと深く息を吸い込んだ。 二人の人格が完全に重なり合い、これまで胸の奥に溜め込んできた本音を、ずぶ濡れの王子たちに向かって一気に吐き出す。


「これまで、わたくしたちが逃げ回って、王子様方を困らせてきました……。でも、今日こうして、わたくしたちのために本気で戦ってくれたことには感謝します。ありがとう。……でもね! 

一つだけ言わせてください!」 


そこでリリィーナとラトラの声が一段と大きくなり、廊下の空気がピキッと張り詰めた。


「こんなとんでもない事態になったのも、元を正せば全部王子たちのせいなんだかーーーら!!! いっつもアタシたちを困らせることばかりして、あの手この手で落とそうとしてくるじゃない!」


 リリィーナたちの怒りの矛先は、特に目の前で首を傾げていた過保護な王子へと向けられる。


「主にカルトナージュ! あなたは特に独占欲が強すぎるわ!!!」 


ビクゥゥッ!!! リリィーナとラトラがここまで本気で激怒したことなど、

今まで一度もなかった。


そのあまりの剣幕と迫力に、国を揺るがすほどの力を持つ4人の王子たちは一斉に肩を跳ね上がらせた。

「……っ」

「う、うぅ……」

 オフィカールもミディティも、怪しく笑っていたミキラも、名指しされたカルトナージュも、全員がものすごーーーくシュン……となって、完全に言葉を失ってしまう。 


さっきまで学園を壊す勢いで大喧嘩をしていた最強の王族たちは、今や見る影もない。 


冷たい大雨でずぶ濡れになったまま、

4人は並んで廊下にペタンと膝をつき、借りてきた猫のようになって【正座】をし始めたのだった。


「……本当に、少しは反省してくださいませ。学園の廊下で大魔法をぶっ放すなんて、王族としての品格はどこへいってしまいましたの?」


「そうだよ! アタシたちが人間に戻れたからよかったものの、一歩間違えたら大惨事だったんだからね!」


 腕を組んで仁王立ちする美しい主人公の前に、ずぶ濡れで正座をして、コクコクと小さく首を縦に振ってお説教を食らう4人の王子様。 


廊下に集まっていた女子生徒たちは、

いつもは雲の上の存在である王子たちが、一人の美少女に完全に尻に敷かれているその奇妙な光景を、ただ呆然と見つめることしかできなかった。


 こうして、最強の二重人格美少女による怒涛のお説教タイムが、静まり返った学園に延々と響き渡るのだった。

第56話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!水を浴びて腹筋が透けちゃう王子たち、最高に眼福でしたね!(笑)オフィカールの入学式の愚痴や、ミディティのあざと可愛いアピール、そして水で汚れが落ちて本当のイケメンぶりが爆発したミキラなど、見どころ満載でした。しかし、ラストはリリィーナとラトラの怒りが大爆発!あの最強の王子たちが全員、ずぶ濡れのまま廊下でシュンとなって正座させられている姿は、ギャップがありすぎて最高にスカッとしました。特に名指しで怒られたカルトナージュの「頭冷えたからいっか」のマイペースっぷりも可愛かったです。さて、たっぷりお説教を食らった王子たちですが、ここからリリィーナたちは彼らにどんな関係を求めていくのか……!?次回の第57話もどうぞお楽しみに!「正座させられる王子たち可愛すぎる!」「リリィーナたちの説教ナイス!」と思ってくださった方は、ぜひブックマークや評価(星★★★★★)で応援していただけると、次の執筆の凄まじい励みになります!

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