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第54話最強の回答(お仕置きの時間)

お待たせいたしました!第54話の更新です。前回、ついに人間の姿と最強の魔力を取り戻したリリィーナとラトラ。ですが、黄金の光のせいでカルトナージュのイライラゲージが限界突破してしまいます。カルトナージュが元々持っている、あの恐ろしい(?)「キス魔」のスイッチが入ってしまい、廊下は一気に大パニックに……!覚醒した二人が王子たちの凄まじい執着にどう「答える」のか、ぜひ最後までお楽しみください!

「ん、むぅ……っ、ん……っ」


 カルトナージュに華奢な腰を強引に引き寄せられ、何度も深く口づけを落とされる。 


カルトナージュのキスは、頭の芯までとろけて、その場にくずおれてしまいそうになるほど、甘く、熱く、烈烈なものだった。 


野生のリリィーナも、お上品なラトラも、そのあまりの甘美さに身体の力が抜けていきそうになる。 ――けれど。 


それとこれとは、話が別だった。


 ゴォォォォォ……ッ!!! 


突然、人間に戻った主人公の身体から、静かでありながらも、世界そのものを圧し潰すような凄まじいオーラが噴き出した。 それは、二人の人格の怒りと、覚醒した規格外の最強魔法が混ざり合った、絶対的な【殺気】の塊。 


あまりの凄まじい魔力の激流に、廊下の窓ガラスがビリビリと悲鳴を上げて震えだす。


 リリィーナを奪い合って大喧嘩をしていたはずの王子たちは、その異常な気配を本能で悟り、一瞬にして静まり

返った。


 カルトナージュにキスをされている主人公を中心に、廊下の空気が、凍りつくように重くなる。


 オフィカール、ミディティ、正式な王族だと判明したミカラカーデは、冷や汗を流しながらガタガタと後ずさりをし始めていた。


「お、おい……あれ、やばいんじゃあないのか……? なんか凄まじいほどの圧が、リリィーナから出てるぞ……」


 オフィカールは引きつった笑みを浮かべ、必死に声を絞り出した。その圧倒的な強さ、いや、空間を支配するほどの

『圧』に、完全に気圧されている。


(オフィカール:『普通、猫の姿から人間に戻れたら喜ぶところだろ!? なのに、なんでここまで凶悪な殺気が漂ってきてんだよ……!』) 


オレ様なプライドなどどこへやら、オフィカールは額の汗を拭いながら苦笑いするしかなかった。


「こ、これは逃げなきゃなぁ……あとが怖いや! ぼ、僕、怖いからさいならーー!!」 


あざとく立ち回るはずのミディティが、初めて素のトーンで悲鳴をあげた。


(ミディティ:『ひぃっ……! リリィーナちゃん、怒ってるのかな? それにしても、この殺気はヤバすぎる。まるで世界が滅びそうなほどに……。逃げたい。生まれて初めて、本気で逃げたいって思っちゃったよ……!』) 


ずる賢いミディティの生存本能が、

「ここにいたら消される」と警報を鳴らしていた。


 一刻も早くこの場から逃げ出そうと、ミディティは足に力を込める。しかし――リリィーナから放たれる規格外の殺気があまりに重すぎて、金縛りにあったように身体がピクリとも動かなかった。 


誰もがガタガタと恐怖に震える場面だというのに、驚いたことに、王族のミカラカーデだけはこれっぽっちもビクビクしていなかった。


「あれは……滅多に、いや、1000年に一度生まれるかどうかの

『女神の器』……。これは研究したくてたまらなくなりますね。まさか私がこの年齢としで出会えるなんて、

幸運すぎる」 


ミカラカーデは陶酔したような瞳で、

圧倒的なオーラを放つ主人公を見つめていた。その脳内は、恐怖ではなく歓喜で満たされている。


(ミカラカーデ:『僕は兄弟として、彼らに記憶を入れ込んだ甲斐があったというものだ。こんなにも大きな幸運が訪れるなんて、本当に兄弟として育って良かった……。これは何としても、彼女の恋人になりたいですね』) 


歪んだ情熱と独占欲が胸の奥から湧き上がり、ミカラカーデはニヤける顔がどうしても止まらない。彼はその妖しい笑みを隠すように、そっと手で口元を覆い隠した。 


そんな他の王子たちの反応を余所に、

ようやく主人公から唇を離したカルトナージュが、潤んだ瞳で必死に訴えかけてくる。


「もう、離してくださいませ……っ! 私は、ただキスをしたんじゃあないから! 君に、私の気持ちを伝えたかっただけなの……!」 


過保護で甘々なカルトナージュは、主人公の放つ世界崩壊レベルの殺気を感じながらも、必死に自分のピュアな愛を主張した。

イライラによるキス魔の暴走だとしても、その根底にあるのは彼女への狂おしいほどの情愛なのだ。 


その必死な眼差しは、お仕置きを怖がる子供のようでもあり、同時に彼女を絶対に離したくないという執着に

満ちていた。


 だが、腰が砕けそうなほどの甘いキスをされ、おまけに廊下をめちゃくちゃにされた主人公の怒りは、そんな言い訳では収まらない。


(リリィーナ:『もうっ……! 気持ちを伝えたいからって、あんな心臓が飛び出るようなキスをするなんて反則じゃない! バカカルト……っ』)


(ラトラ:『本当に……カルト様も、他の皆様も、おいたが過ぎますわ。わたくしたちの気持ちも考えずに、勝手に盛り上がって……!』) 


リリィーナの少女らしい赤面と怒り、

そしてラトラのお上品な怒りが頂点に達し、黄金の魔力がパチパチと音を立ててさらに膨れ上がる。


 4人の規格外な王子たちを前に、本来の最強の姿を取り戻した二重人格美少女は、冷徹で美しい微笑みを浮かべた。


「皆様。……わたくしたちの『答え』が聞きたいのであれば、まずはその頭を冷やしていただきましょうか?」


 ラトラが静かにそう言った瞬間

だった。 ポタポタ……と降ってきたかと思えば、次の瞬間、学園の天井から猛烈な水がザァァァァァーーーッ!!!と、もの凄い勢いで王子たちに降りかぶった。


「ぶふっ!? な、なんだこれ、冷てぇっ!?」


「ひゃああっ!? お水、お水が降ってきたぁー!」 


金縛りが解けたオフィカールとミディティ、言い訳をしていたカルトナージュ、配置についていたミカラカーデまでもが、逃げる間もなく頭から大量の水を

浴びて完全なずぶ濡れになってしまう。


 さっきまでの国を揺るがすようなシリアスな大戦闘も、恐ろしい執着の空気も、すべてが容赦ない大雨によって文字通り「冷やされて」いく。 ずぶ濡れで呆然と立ち尽くす4人の王子たちを前に、本来の姿に戻った美少女は、

ふっとお上品に、そしていたずらっぽく微笑むのだった。

第54話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!カルトナージュの腰が砕けそうなほどの甘いキス、ごちそうさまでした!(笑)……と思いきや、リリィーナとラトラの規格外のオーラ(殺気)に、あのオレ様なオフィカールが引きつり、腹黒ショタのミディティが初めて本能で怯える姿は最高にスカッとしましたね!そんな中で一人だけ「女神の器だ!」と目を輝かせてニヤついている王族のミカラカーデ、さすがの変態……いえ、強烈な個性です(笑)。そしてラストはラトラの「頭を冷やしていただきましょうか?」からの、天井からの猛烈な大雨お仕置き!ずぶ濡れになって呆然とする4人の王子たちの姿が目に浮かびます。文字通り頭を冷やされた王子たちは、ここから一体どんな反応を見せるのか!?次回の第55話もどうぞお楽しみに!「天井からの水お仕置き最高!」「リリィーナとラトラ、カッコ可愛すぎる!」と思ってくださった方は、ぜひブックマークや評価(星を★★★★★に!)で応援していただけると、執筆の凄まじい励みになります!よろしくお願いいたします!

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