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第53話覚醒の光と、暴かれる正体

お待たせいたしました!第54話の更新です。前回、カルトナージュが禁忌の魔法の反動で倒れてしまい、大ピンチに陥ったリリィーナとラトラ。そんな二人の人格の気持ちがついに通じ合い、大変なことが起こります……!ついに、あの姿が戻ってきます。王子たちのそれぞれのリアクションにもぜひご注目ください!それでは、激動の第54をどうぞ!

二重人格のラトラ。そして、野生のリリィーナ。 交わるはずのなかった二つの人格が、大切な人を救いたいという強い願いで心から通じ合った。 


その瞬間、彼女たちの内に眠っていた、規格外の真の力が目を覚ましたの

だった。 廊下にポツンと座り込んでいた小さな猫の姿が、バチバチと弾けるような眩い黄金の光に包まれていく。


 周囲の空気が、世界そのものが、彼女の圧倒的な魔力に震え始める。学園を飲み込むほどの圧倒的な光の柱が、いま、静かに立ち上ろうとしていた。 


本気で奪い合いの喧嘩をしていた王子たちの動きが、その異様な光景にピタリと止まる。


「なんだ!? 眩しい……あの猫は一体何者なんだ! しかもこの魔力、ミカラより魔力がすごく感じるぜ!」


 オフィカールは思わず声を荒らげた。だが、その強気な態度とは裏腹に、

彼の心の中は大パニックに陥っていた。(オフィカール:『この魔力はもしかして、野生のリリィーナなのか……!? あの猫の姿がリリィーナだったって言うのかよ。うわ、じゃあ俺の情けない戦いを見せちまったってことか……!? 

恥ずかしいぜ……!』)


 オフィカールが心の中で激しく動揺し、赤面しそうになっていることに、

この場の誰も気づいていなかった。 


一方で、ミディティはあまりの眩しさに、自分の手で顔を覆い隠していた。

「眩しすぎるんだけどーぉー!! 可愛い可愛い猫ちゃんから光が出てるってことは、何が始まろうとしてるのかなぁ?」 


おどけた口調で叫むミディティ。

しかし、その瞳の奥は真剣そのものだった。(ミディティ:『なんだろう、この魔力……まるで息が詰まるような感覚だ。ラトラに似ているけれど、もしかしてあの猫……リリィーナちゃん……?』)


 ミディティは眩しさに耐えながらも、あの猫の正体が、自分たちがしつこく追い回していた彼女であることに気づき始めていた。


「うぅ……頭が痛いのに、こんなに強い光を浴びてたら気を失いそうだね……。でも、なんだかいいことが起こりそうだ……うぅ」 


カルトナージュは頭を抱え、苦しげに言葉を漏らした。だが、彼の心の中はそんな健気なものではなかった。

(カルトナージュ:『頭ズキズキしちゃってるなぁ。だからこの魔法は使いたくないんだ。精神の魔法だから……。今回は大切な家族だからこそ、途中でやめたからその反動がやばい。しかもこの光、ちょっと眩しすぎてやばいから。あー、イライラしちゃうなぁ……!』)


 精神魔法の凄まじい反動。そして目を灼くような黄金の光のせいで、カルトナージュのイライラゲージはぐんぐんと

上昇していた。 


そう、カルトナージュにはイライラすると、怒りが収まるまで【キス魔】に

なってしまうという、恐ろしい悪癖が元々あったのだ。一度怒らせたら最後、

彼が満足するまで絶対に解放してもらえない。 


バチバチ、と世界を揺るがすような音が響き、ついに黄金の光の柱がゆっくりと晴れていく。 光の霧が消え去ったそこに佇んでいたのは、小さな猫などではなかった。


「……本当に、呆れてしまいますわ。

皆様、わたくしたちを奪い合うために、こんな大魔法をぶっ放して大喧嘩をなさっていたのですか?」


「ちょっと、あんたたち! アタシを奪い合うためにつまんないケンカなんかしないでよ! 本当に……バカなんだから……っ」


 お上品なラトラの声と、野生的なリリィーナの声。 二つの声が完全に重なり合い、頭の中に直接響き渡る「心の声」となって、王子4人の脳内にダイレクトに突き刺さった。 光の中から現れたのは、ずっと4人が追い回していたリリィーナだった。 


けれど、今の彼女はいつもと違っていた。野生のリリィーナのハツラツとした魅力に、お上品なラトラの気品が奇跡のように融合し、息をのむほど美しい、神々しいまでの美少女へと変貌を遂げていたのだ。怒って頬を少し赤く染めている姿すら、たまらなく可憐だった。

その姿は髪が長くなっていて髪色が金色になっていた。


「ひ、リリィーナ……っ!? てめぇ、今までずっと猫のフリして俺の側にいやがったのかよ!?」 


オフィカールは顔を真っ赤にして叫んだ。ツンデレな彼は内心で

(うわあああ!猫の時に抱っこしたり、情けなく戦ってるとこ見られたり、全部バレてんじゃねぇかよ!死ぬほど恥ずかしい!でも髪が長くなってさらにめちゃくちゃ可愛い、今すぐ抱きしめたい!)とのたうち回っている。


「ええ~っ!? あの可愛い猫ちゃんがリリィーナちゃんだったのぉ?」 


ミディティはあざとく首を傾げて驚いて見せたが、その腹黒い脳内はフル回転している。


(……なるほどね?リリィーナちゃんのが猫になって僕を騙してたお仕置き、あとでたっぷり味あわせてあげなきゃ。

絶対に僕だけのものにするからね?)


「あ、う、頭が……っ。……あぁ、でも、やっぱり君だったんだね、僕の愛しい人……」 床に膝をついたカルトナージュが、イライラと激痛、そして美しすぎる主人公への愛おしさで、完全に目を

充血させて呻いた。


 その瞳の奥には、ドロドロとした過保護で甘々な、そして絶対に逃がさないという強い束縛の光が宿っている。


(リリィーナ:『待って、カルトの奴、光のせいでイライラが限界突破しそう……っ。あ、あの目が据わってる感じ、すっごくヤバい

予感がする……!』)


(ラトラ:『マズいですわリリィーナ! このままではカルト様の、あの恐ろしい【キス魔】の悪癖が発動してしまいます……っ!』)


 ピンチを察した主人公は、カルトナージュの元へ一瞬で駆け寄り、その華奢な身体で彼の大きな身体を優しく

抱きしめた。


「今すぐ治してあげますかね、もう危ないことしないでくだいませ

(しないだからね)、カルト!」


 ラトラの完璧な魔力コントロールと、リリィーナの規格外のパワーが融合した、至高の【聖なる浄化魔法】が発動する。温かく絶対的な光の奔流がカルトナージュの身体を包み込み、脳を苛んでいた強烈な頭痛を一瞬でサラサラと消し去っていった。


「あ……痛みが、消えた……」 カルトナージュは呆然と自分の手を見つめ、それから自分を抱きしめているリリィーナを見つめた。


 頭痛は消えた。しかし――強すぎる光のせいで溜まった「イライラ」は、全く収まっていなかった。


「……リリィーナ。ラトラ。僕を救ってくれてありがとう。でもね……僕、すっごくイライラしちゃったんだ。だから、怒りが収まるまで……いつも通り、

お仕置きさせてね?」


 とろけるように甘く、けれど逃げ場をすべて塞ぐような低い声。 次の瞬間、カルトナージュは主人公の細い腰を強引に引き寄せると、その極上の唇に、

深く、激しく、何度も貪るようなキスを落とし始めた。

「ん、むっ……!?(ちょ、カルト……急に激しくしないでよぉ……っ、

んんっ……!)」

(まぁっ!?カルト様、お上品ではありませんわ……んっ、んん…っ!)


 強引な熱い口づけに、野生のリリィーナの心も一気に女の子の顔になり、

恥ずかしさとあまりの甘さに身体の力が抜けていく。


「おいカルト!てめぇ何どさくさに紛れてキスしてんだ!離れろ!」


「カルト兄様ずるいよぉ!僕もリリィーナちゃんにキスしたい!」


「……カルトナージュ、僕の獲物に何をしている。今すぐその唇を離せ」


 お馴染みのキス魔モードと化した

カルトナージュの暴走に、

オフィカール、ミディティ、ミカラカーデの3人の王子たちが、怒りと嫉妬で独占欲を大爆発させる。


 完全に人間の姿と最強の魔力を取り戻したはずなのに、イライラ暴走中のカルトナージュの烈情キスに押し流され、さらに狂おしいほどの執着を燃やす他の王子たちに囲まれて、主人公の心の中は大パニックに陥る。


(リリィーナ:『頭痛を治してあげたのに、なんでアタシがこんなにドキドキさせられてんのさ……っ! それに他の奴らの目も完全に肉食獣だし、

もうどうすればいいのー!』)


(ラトラ:『皆様、お覚隔を聞くどころか、わたくしたちの貞操が本当に危機ですわ……!』)


 卒業までに一人を選ぶなんて、絶対に無理!どころか、今すぐここから逃げ出したい! 最強の二重人格美少女と、

執着度1000%の4人の王子たちによる、本当の溺愛バトルのゴングが、いま鳴り響いたのだった。

第53話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!ついにリリィーナ(&ラトラ)が人間の姿に戻りました!……が、人間に戻った感動も束の間、カルトナージュのあの恐ろしい(?)「キス魔」のスイッチが入ってしまい、廊下はとんでもない修羅場に……!オフィカールの赤面パニックや、ミディティの腹黒スマイル、ミカラカーデの独占欲も大爆発して、卒業までに一人を選ぶなんて本当に不可能な状況になってまいりました(笑)。カルトナージュのイライラ暴走キス攻めから、リリィーナたちは無事に抜け出せるのか!?次回の第54話も、どうぞお楽しみに!「カルトナージュの暴走最高!」「他の王子たちも頑張れ!」と思ってくださった方は、ぜひブックマークや評価(星を★★★★★に!)で応援していただけると、執筆の大きな励みになります!よろしくお願いいたします!

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