表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/64

第51話王子達の対決

前回、ついに姿を現した「ミキラカーデ」。その圧倒的な伝説の力を前に、王子たちが立ち上がります――!

オフィカールの魔法やミディ王子をどぅぞご覧くだい

それをただ見つめることしかできないリリィーナ、ラトラにご注目ください

ミキラカーデはニヤリと唇を釣り上げ、挑発するように3人の王子へと視線を向けた。


「手加減はいりませんよ。かつて

『兄弟』として育ったのですから、

オフィ、カルト、ミディ、あなたたちの魔法の癖はすべて分かっています。

ですから、遠慮はいりません。――

さあ、そちらから全力で魔法を放ってきなさい」


 ミキラカーデが優雅に手招きをして、明確な挑発を送ってくる。 そのあからさまな挑発に、真っ先に頭に血を上らせたのはオフィカール王子だった。


瞬時に凄まじい魔力を練り上げ、

吠える。「調子に乗るなよキミラ……

じゃなくてミキラッ!! 俺の進化した魔法を見たことがないだろ! 見せて

やるよ!――龍魔法

『炎のリィーブート』!!」


 オフィカールの手から放たれたのは、廊下を焼き尽くさんばかりの巨大な炎の龍。 ドゴォォォォンッ!!!と激しい爆音を立てて、魔法はミキラカーデの身体へと直撃した。


視界が真っ白になるほどの爆炎が、

もくもくと黒煙を上げて廊下に立ち込める。


「よっしゃあ! これならいくらお前でも、ひとたまりもねぇだろう! 俺の力を舐めるんじゃねえよ!」


 オフィカール王子は勝ち誇ったように捨て台詞を吐き、ドヤ顔を浮かべた。 ――けれど。 ゆっくりと黒煙が晴れていくにつれ、そこには何事もなかったかのように佇む、ミキラカーデの影が浮かび上がってくる。


「ふふ、オフィの魔法は相変わらず

『炎』のままですね。そして……昔から挑発に乗りやすいところも変わっていない。これではまだまだ、威力が足りませんね? オフィカール……」


 煤ひとつついていない制服の襟を軽く指で払いながら、ミキラカーデが残酷なほどに美しい微笑みを浮かべた。


「は……? 嘘、だろ……」 


オフィカールは呆然と立ち尽くしていた。 自分の全力を尽くした一撃をもってしても、ミキラには傷一つ、煤一つつけられない。その圧倒的な現実が、彼のプライドを激しく打ち砕く。

(オフィカール:『嘘だろ……俺の全力でも、ミキラを倒せないっていうのかよ……っ! これじゃあ、野生のリリィーナも、お上品なラトラも、アイツに取られちまう……っ!!』)


 オフィカールは悔しそうにギュッと唇を噛み締めた。あまりの強すぎる力に、滲んだ血が口内に鉄の味を広げる。

 そんな絶望が廊下を支配しかけたその時、もう一人の王子が前へと一歩踏み出した。


「ねぇ、次は僕と勝負してよ! ミキラ兄様」 場に似合わない、どこかあざとさすら残る声を響かせたのはミディティ王子だった。


「僕はオフィ兄様と違って、そんな簡単な挑発には乗らないよ。だけど……僕だって、野生のリリィーナちゃんも、

お上品なラトラちゃんも、誰にも渡したくないもん!――雷魔法

『イズリュのラッセン』!!」


 刹那、学園全体を揺るがすような凄まじい衝撃音が轟いた。 鼓膜を突き破らんばかりの爆音とともに、巨大な雷撃がミキラへ向かって真っ直ぐに落とされる。あちらこちらの教室から生徒たちの悲鳴が聞こえてくるが、今のミディティには周囲を気にする余裕など微塵

もない。


 まばゆい電光が収まり、光の粒子が消えている。 しかし、そこに立っていたミキラは、またしても涼しい顔のままだった。


「ふふ……。ミディは相変わらず

『雷魔法』でしたね。とってもいい雷でしたよ。――ですが、まだ『未練』が心を揺さぶっていて、本気が出せていないですねぇ?」 


見透かしたようなミキラの言葉が、

ミディティの胸に鋭く突き刺さる。 

ミディティは言葉を失い、カタカタと拳を震わせることしかできなかった。


(ミディティ:『そうだよ……っ。だって、ずっと一緒に育ってきた、大好きなお兄様なんだもん……っ! 本気で攻撃なんて、できるわけないじゃん……っ!!』)


 そして後ろから、カルトナージュ王子が静かにやってきた。

「オフィ、ミディ、あとは僕に任せて。――これが、最後の対決だ」 


その頃。二重人格になったまま、お上品モードの『猫』の姿で戦いを見つめる私は、ただその場に立ち尽くすことしかできなかった。 


丸聞こえになる王子たちの、必死で、

切実な心の声が私の脳内に直接響いて

くる。


(ラトラ(お上品):『王子たちが……わたくしのため、いえ、野生のリリィーナのために、あんなにもボロボロになりながら頑張ってくれている……。それなのに、わたくしはこんな小さな猫の姿のまま……』) 


どうすることもできない、自分の無力さがただひたすらに悔しい。


(ラトラ(お上品):『どうすることもできない、不甲斐ないわたくし……! もっと、もっとわたくしに彼らを救う力があれば……! この恐ろしい対決を、終わらせることができるはずなのに……っ!』)


 ――その時。私の悲痛な願いに呼応するように、猫の小さな身体の奥深くで、眠っていたはずの『最強の魔力』が

ドクンと激しく脈打った。

第51話をお読みいただきありがとうございました!オフィとミディが破れ、ついにカルトナージュが前に出ます。そしてラスト、猫のラトラの身に異変が……!?「続きが気になる!」「王子たち頑張れ!」と思ってくださった方は、下にある【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークで応援していただけると、執筆の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ