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第50話「偽りの王子の真実、そして最強の証明」

いつも『二重人格な私も野生な私も四人の王子から溺愛中!』をお読みいただき、本当にありがとうございます!皆様のおかげで、ついに記念すべき第50話を迎えることができました!いつも温かい感想や評価、本当に励みになっています。前回、前髪とメガネを外して衝撃の「変貌」を遂げたキミラカーデ王子。今回は、そんな彼の口から、学園全体を揺るがす「とんでもない真実」が明かされます。そして、あの「バタンキュー」していた王子も黙っていなくて……!?怒涛の節目となる第50話、ぜひ最後までお楽しみください!

彼の名は「ミキラカーデ」

 ただ文字を入れ替えただけの、あまりにも安直で、けれど誰も気づかなかった偽名。


 その名が少年の口から紡がれた瞬間、学園の廊下に張り詰めていた空気が、

文字通り【凍りついた】。


「み、ミキラカーデ……!? おい、カルトナージュ、それってまさか……!」


 オフィカール王子が、めり込んでいた壁から這い出しながら、珍しく声を震わせている。 


カルトナージュ王子は、ガタガタと膝を震わせ、青ざめた顔のまま、かろうじて言葉を絞り出した。


「あ、あの……歴史の裏に葬られた、僕たち王族の『始祖』の血を最も濃く継ぐという、伝説の……っ。だけど、あの

凄惨な魔力暴走事故で、十数年前に亡くなったはずじゃ……!」


(カルトナージュ:『まさか、まさか

生きているだなんて思わなかった……! だって、僕たち王子3人が束になっても絶対に勝てない、国を滅ぼせるレベルの格上だよ!? そんな恐れ多いお方と、今まで同じ学園で、兄弟や家族の

ような気安さで過ごしていただなんて……っ!!』) 


カルトナージュ王子の、恐怖と絶望に満ちた心の声が、私の脳内にダイレクトに突き刺さる。 どうすればいいか分からず、ただ立ち尽くすことしかできない王子たちの姿なんて、初めて見た。


 けれど――それ以上に、ラトラの全細胞が、目の前の少年に対して最大級の警戒警報を鳴らしていた。


(ラトラ(野生):『なんですの……

これ……っ。あの人物から漂う、底無しの魔力の多さは……! この国ではわたくしが1番強いと思っていましたのに、まさか、わたくしを遥かに超える存在に出会うだなんて……!』


 いつもなら「ぶっ飛ばしてやるわ!」と息巻く野生の私が、その圧倒的なプレッシャーに、一歩も動けずにいる。 

私の白い毛並みが、恐怖ではなく、純粋な『格の違い』への戦慄で逆立った。 


そんな私たちの様子を見て、ミキラカーデ王子――否、ミキラカーデ様は、

ふっと妖艶に、残酷なほど美しく

微笑んだ。


「ふふ、そんなに怖がらないでください。僕がここにいるのは、国を滅ぼすためでも、王位を奪い返すためでもありませんよ」


 彼はすっと長い足を動かし、オフィカールたちを完全に無視して、まっすぐに私の元へと歩み寄ってくる。


 その一歩ごとに、周囲の空気が甘く、重く、支配されていくのが分かった。 そして、白猫である私の目の前に優雅に膝をつくと、メガネを外したその国宝級の瞳で、じっと私を見つめてきたのだ。


 ミキラカーデ様はそのまま、そっと私の小さな白い前足を取り、その甲に唇を落とした。 


あまりにも流れるようで完璧な、淑女に対する最高峰の挨拶――。 その瞬間、恐怖で強張っていたラトラの心の中の「お上品な人格」が、歓喜の声を

あげた。


(ラトラ(お上品):『まぁっ……!

なんて礼儀正しい殿方ですの! いつもは他の王子たちに『おい、猫!』だの

『ラトラ!』だのと乱暴に扱われていましたから、猫の姿のわたくしをこんな風に高貴に扱っていただけるなんて……

わたくし、とっても嬉しいですわ……!』)


 これほど恐ろしい魔力の持ち主なのに、中身は超がつくほどの理想的な紳士。 お上品な私が一瞬でそちらに傾きかけた――その時だった。


 ドゴォォォォォォンッ……!!! 


気のせいだろうか。長い廊下の向こうから、物理的に「メラメラメラ……!!」と不穏な炎の幻影が、もの凄い勢いで立ち上っているのが見える。


「……おい。誰の許可を得て、その手に触れてやがる、ミキラカーデ……ッ!!」


「僕の……いや、僕たちのラトラに気安く触らないでもらおうか。たとえ君が、僕たちの遥か格上の存在だろうと……

それだけは譲れないな」


 オフィカール王子とカルトナージュ

王子が、嫉妬のあまり目を血走らせ、

全身から凄まじい闘気を放ちながら歩み寄ってくる。


カルトナージュ王子にいたっては、

さっきまで顔を青くして悩んでいたはずなのに、完全に「男の独占欲」が勝ってしまっているようだ。――と、その時。


「……もぉっ! お兄様たち、抜け駆けなんてずるいですぅ〜。ボクのラトラに何するんですかぁ?」 


さっきまで白目を剥いて

「バタンキュー」していたはずのミディティ王子が、何事もなかったかのようにすくっと立ち上がった。


 衣服の汚れをパパッと払い、小首を傾げてウルウルとした瞳でミキラカーデ様を睨みつけている。

その姿は一見、庇護欲をそそる愛らしいショタそのもの。


 だが、その背後に隠した両手には、一瞬で相手の息の根を止めるための、極大の攻撃魔法がいつでも放てる状態で完璧に練り上げられて

いた。


(ラトラ(野生):『って、起きてるじゃありませんの!? あんた、あの世界崩壊級の猫パンチを喰らって、よくそんなすぐピンピンしてられますわね!? っていうか、今の今まで狸寝入りしてボクの同情を引こうとしてましたわね!? このあざと腹黒ショタめーーーっ!!』) 


状況なんて何も分かっていないはずなのに、ライバルの登場と自分の獲物

(ラトラ)の危機だけを瞬時に計算し、すでに完璧な戦闘態勢に入っている。

その可愛らしい笑顔の裏にある、ゾッとするほどの計算高さと嫉妬の炎は、他の王子たちに決して引けを取って

いなかった。


 これで、動けないほど青ざめていたはずのカルトナージュ王子も含めた3人が、それぞれの狂気を孕んでミキラカーデ様を取り囲む形になった。


 四方から注がれる、嫉妬まみれの鋭い視線。 学園の廊下は今、卒業式を待たずして、一匹の白猫ラトラを巡る「最終決戦」の戦場と化していた。


 そんな男たちの狂気的な執着を前に、ミキラカーデ様は手袋を口で引き抜きながら、ゾクりとするほど楽しげに目を

細める。


「僕の目的は、最初から一つだけ。――ねえ、ラトラ。僕の正体を知っても、君は僕を選んでくれますか?」


(ミキラカーデ:『ああ、やっぱり可愛いな。僕の魔力に気づいて、そんなに怯えて、可愛い白猫ちゃん。

他の有象無象の王子なんて全員消し去って、君のその最強の魔力も、お上品な身体も、全部僕だけのものにしたい……。絶対に、誰にも渡さないよ』)


「ふふ、良いですよ。身の程知らずな弟たちに、少し『教育』が必要なようですね。――さあ、僕を退屈させないでください?」


(4人の王子の心の声:

『『『『絶対に、お前(他3人)にだけは渡さない……!!』』』』) 脳内を埋め尽くす、全員分の超ヘビー級の独占欲に、白猫の姿の私はただただ顔を引きつらせるしかなかった。


(ラトラ(お上品&野生):

『『いや、卒業までに一人を選ぶなんて……全員の執着が凄すぎて、

やっぱり物理的に選べませんわーーーーーっ!!!』』)(第51話へつづく)

第50話をお読みいただきありがとうございました!キミラカーデの正体は、まさかの文字の入れ替えで『ミキラカーデ』様でした……!しかも、ラトラを超えるほどの国宝級・世界崩壊級の格上強者。お上品なラトラ(心の中)は彼の紳士的な態度に速攻でノックアウトされかけていましたが、周りの王子たちの嫉妬の炎も大爆発です(笑)。そしてミディティ王子!白目を剥いていたのは、まさかの「あざと腹黒たぬき寝入り」でした!後ろ手でエグい魔法を準備しているあたり、さすがショタの皮を被った肉食獣です……!ついに卒業を前にして、物理的に絶対に選べない修羅場が完成してしまいました。次回第51話、ミキラカーデvs弟王子たちの「教育(物理)」バトルが開幕します!「ミディティの腹黒あざといの最高!」「ミキラカーデ様の執着が重くて好き!」など、皆様の推し王子への感想やレビュー、ブクマ・評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)をいただけると、執筆の神様が降臨して更新が早くなります!よろしくお願いいたします!

6(月16日火曜は投稿をおやすみします

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